理系修士学生が走り高跳びを始めてみる
来シーズンは学生ラストシーズンになります。
そこで新たな挑戦として走り高跳びを始めてみようと思いました。
「跳躍競技をやっているのだから、簡単な事じゃない?」と思う方がいるかもしれませんが、砂場種目から走り高跳びへの挑戦は簡単な話ではありません。
ましてや、助走の決め方も背面跳びもマジで何も知らない0の状態から始めます(笑)
今回は走り高跳びを始めるということの大変さ、思い立った動機をお伝えします。
走り高跳びを始めるということ
走り高跳びのイメージ
走り高跳びという競技には「技術力の勝負」というイメージを持っています。
カーブを描きながら水平方向に走っているにもかかわらず垂直方向にどれだけ跳べるか競う競技。
そのために背面跳びという技術だったり、クリアランスの技術だったり、踏切の技術だったりと必要な技術要素が多すぎます。
砂場種目
私はいわゆる砂場種目である走り幅跳びと三段跳びという競技を約6年以上続けてきました。
専門の方には怒られてしますかもしれませんが、砂場種目は比較的簡単だと思っています。
水平方向に走った力でどれだけ水平方向に跳べるかを競う競技。
単純に言えば、より速く走ってより遠くへ跳べばいいだけです。
もちろん遠くに跳ぶために細かな技術は必要ですが、初心者でも競技としては成立します。
助走も踏切板に合わせるために一方向の前後調整だけなので、とても単純。
何というか、競技が完成した状態で技術を身につけることができる種目なのかなと個人的に思います。
一方走り高跳びは
冒頭でも話した通り、カーブを描いて助走は走ります。
なので助走を調節する要素が1つではないです。
バーまでの距離と、描く曲線の大きさ、歩数などいろいろ考えなければならない。
さらには、跳ぶのは垂直方向です。
水平方向で走ってきたものに対して相反する方向なので単純な話ではない。
しかも、何センチ跳んだかではなく、バーを越えられるか超えられないかの成功失敗で競う競技です。なので成果が見えにくい。
一番理論的に跳べる方法が「背面跳び」という跳び方。
これの習得にも苦労する。
こんな競技簡単なはずがありません。
ある程度のレベルに達するまでは多くの時間を費やすことになります。
最初の方はバーを上手くかわすことができずあざだらけになったり、着地失敗して首を痛めたり、砂場種目よりも全身に痛い思いをすることが多いです。
このように導入しにくい競技であるので、砂場種目よりも競技人口は少ないイメージがあります。
理系修士学生にもなって走高跳を始めようと思った動機
じゃあ、なんで私は始めようと思ったのか?
身内からはたくさん聞かれて、実はちゃんと答えられてないのでここでは赤裸々に語りたいと思います。
砂場種目に生かす
先に行ってしまうとこれは少し建前的な理由です(笑)
それでもちゃんと理屈の通った理由は持っていて、「ゼロベースから高く跳べる力を身につけたい」というものです。
私の現在の専門種目の自己ベストは走幅跳で7m34、三段跳びは14m63でして、7年程度続けてきてだんだん技術的なものは確立していきました。
細かい課題はたくさんありますが、学生ラストシーズンは大きく記録を向上させたいと思っています。
そこで一番身につけたいことは「ゼロベースでの跳躍力」
どういうことかというと、例えば三段跳は水平方向の力強い助走を生かして遠くへ跳ぶ力が必要です。
しかし、その水平方向の力を生かすだけでは15m、16mを跳ぶことは難しいと考えています。
そこで、水平方向に力強く進んでいる中でも、ブロックをかけて自らの力で上に跳ぶ力が欲しいと思いました。特に三段跳ではジャンプのフェイズで必要だと考えています。
そのブロックして上へ跳ぶというワードから走り高跳びという種目が自然と浮かびました。
もちろん、走り高跳びは起こし回転によってひねりながら垂直方向へ跳ぶのでちょっと感覚は違うかもしれません。
それでも今までしてこなかった動き、使ってこなかった筋力で跳躍することに意味があると思っています。
修士からでも新しいことを始められるという証明
修士学生がわざわざ全くやったことのない種目に本気で取り組むことなんてこと普通ないはずです。
それも、教師になるわけでもない理系学生が始めるわけです。
おかしな話です(笑)
何かを新しく始めることはとても難しいことであり、怖いことです。
最初は上手くいかないからこそ、楽しくはない。
周りからは笑われる日々。
だからこそ年齢を重ねるごとに新しく何かを始めることは敷居が高くなっていく。
走り高跳びもそう。
修士の大学院生が競技場で下手くそな背面跳びを中高生に見せて気分がいいはずはないです。
実際とても怖いし嫌な気持ちが少なからずあります。
それでも何かを新しく始めたいというインスピレーションが私を動かしました。
修士学生で、しかも学生ラストシーズンで、全くやったことのない走り高跳びをやり遂げることができたら、新しいことを始めることの恐怖心は少なからず緩和されるのではないでしょうか。
前の記事で言いましたが「いわば私は陸上競技界の1人の被験者である」と思っています。
だからこそ私が挑戦して、最後まであきらめず走り高跳びを成し遂げたいと思います。
「できない」という気持ちを思い出す
大学の試合では、結果は納得がいかずともチームの中ではそれなりの成果を残しており、何もできなかったという気持ちになったことはほとんどなかったです。
高校時代から続けていた種目でもありますし、だんだんと力がついてきて、こうすれば結果が出るとコントロールできるようになっていました。
その一方、何かに取り組むうえで「できない」というもどかしさを経験することを恐れるようになってしまっていました。
私は私の種目で活躍すればよいと、なにか陸上に取り組む上で挑戦的な気持ちが薄れていました。
先日、私の所属する陸上部で4年生と修士2年生の引退セレモニーが行われました。
そこで、私があまり話さなかったチームメイトたちが過去の苦しい思いを語っていて、「同じチームである以上、その苦しい思いは理解しなければいけない」と感じました。
もちろん、「できない、苦しい」という経験はあったと思います。
ただし、成長していけばしていくほどその気持ちは薄れて、わからなくなる。
最近では、陸上初心者の人が入部してきたりしてくれます。
そんな後輩に寄り添うためにも、この「できない」という苦しさは理解してあげながら寄り添わなければならない。
結果を出しておごり高ぶることが先輩のできることではありません。
私が人間として成長するために、走り高跳びを始めようと思います。
目標
始めるからには目標を立てたくなります。
6月までに1m85超えれば県選手権、5月までに2m00超えれば関東インカレ。
2m03跳べば大学記録タイ。
もちろん目指したいのですが、本当の目標はそこではなく
・諦めず最後までやり遂げること
・日々前進する事
これにつきます。
今この記事を書いている今、2回ほど走り高跳びの跳躍練習を行ったのですが、背面は下手くそ、踏切位置はまだら、失敗ばかりで体はあざだらけ。
もう怖すぎて何度かやめようかなと思いました(笑)
それでも、逃げずにやり遂げることが一番大事と思っています。
この辞めたいという気持ちが、「できない」という辛さです。
これを乗り越えるために日々挑戦して、ダメだったらダメで良し。
とにかくこの冬期にチャレンジしてみてどこまでできるか挑戦します!
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
今後は走高跳の練習をした日ごとに日記をnoteで更新していこうと思います。
ぜひお読みいただけたら嬉しいです!
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