初個展直前に脳梗塞になった話:56～61日目

56日目:まさかの2km越え 

午前OT(作業療法士)朗らかさん。
およそ2.5km程を歩いたらしい。そんな気はしなかった。まさかのテンションというか楽しかった。

57日目:やる気スイッチ

午前OT朗らかさん。
握力を計測した。右13。左33。愕然とした。ショックだった。こんなに落ちるのか。以前男性PT(理学療法士)さんに『成人男性がバキバキに筋トレしても成果が出るのは4週間位からですね』と聞いたのが思い出される。普段運動してても1日休んだら取り戻すのは3日以上かかるとも聞いた。とにかく身体は毎日の練習や刺激が必要なんだ。猛烈にやる気スイッチが入った瞬間だった。

58日目:徐々に受け入れ始めている

タイムリーなものを見た。『元気があれば何でも出来る』アントニオ猪木の最後の言葉という動画を見た。誰にも見せたくはないし見られたくもないとの言葉。でも最後までアントニオ猪木で居た。力道山にスカウトされて逆輸入の形で日本にやってきた。本当に強い者は弱さを見せられる男。元気があればなんでもできる。本当にそうだと思う。

人はなぜ危険に興奮するのだろう。欧州人や自然の豊富な国民ほど顕著だと思う。それは生きてると感じられるからかと思う。生き延びた時に生命を感じるからかと思う。人は生きるためにやる気スイッチが入る。生きるために本気になれる。命のためなのか、生活のためなのか、現世への執着なのか、人間の業なのか、生物の神秘なのか、神様のいたずらなのか、そもそもどうでもよい事なのだろうか。。。。。

午前ST(言語聴覚士)ノッポさん。
訓練バッテリー？なる言葉があり、どういう事かと聞いたらノッポさんからは『言いましたよ？』と返される。そうかまた僕は全然覚えてないのか。

【バッテリー】という用語について。
【小課題やテストの集まり】
【その集まりセット】
【そのセットをバッテリーと言う】
明日から積み木での図形パズル等を使った検査を行うと。そして今月末までにまた別のテスト等を行い入院当初の記録・数値と比較するとの事。

午後OT朗らかさん。
横になる。肘やら曲がる角度を計測する。これも入院当初やったのだろうか？その後外歩きをしながら調理課題のメニューを決める。500円以内。カット野菜と豚肉で野菜炒めを第一候補にする。

徐々に受け入れはじめてる。この境遇や自分の不甲斐なさを。後悔や反省を踏み台に。未来を見据える。

59日目:母のテレパシー

今日は憂鬱。朝イチで後悔したり反省したり。バランス良くいこう。希望もって行こう。頑張ろう。朝日を可能な時間で極力浴びて笑顔になろう。そう言えば母から言われた言葉を思い出した。『あんた、頭重くない？なんだかあなたの頭の中がわぁーっとなってる夢見たのよねぇ 』と。これってのも血を分けた母親の特殊能力なのかもしれないなと。双子でもよくあると聞く。テレパシーみたいなものなのかもしれないなと。たらればだけども言われてる時に脳検査受けておけばよかった。

60日目:図形パズル

午前STノッポさん。
昨日言われたテスト。バッテリー。まずは積み木で図形のパターンパズル。見本の通りにするには？といったテスト。他に数字を順列で覚えるといったテスト。1桁、2桁、3桁....どこまでいけるか？そしてさらに逆に言うなど。他にランダムに言われた5桁の数字を小さい方から言うなど。とても、物凄く、メチャクチャ、滅茶苦茶、非常に疲れた。

61日目:健常者の平均値

朝イチで別フロアのトレッドミル。ヘコヘコ歩き。歩く時の自然なフォームを意識する。右足の踵から着地して徐々に爪先まで着けて蹴り出す。土踏まずを意識しながら。脛の筋肉も使いながら。出来るだけ目の前の窓に目をやる。このマシーンの後は床が揺れて感じる。なんともグラグラする。足腰が軟弱になってる。リハビリで転んでしまっては病院や教えてくれた小鳥さん (49日目:初のランニングマシン→note) に迷惑がかかる。落ち着きを取り戻して近くの施術ベッドに腰かける。

隣からOTさんが患者さんに質問してるのが聞こえてきた。『荷物とる時はどうしますか？』症状が重い人は『そんな簡単な事を！』と怒ってしまったりするらしい。しかしこれらの質問や訓練や検査はよく出来ていて【出来ない事を見つける】。基本的な当たり前をあらゆる角度や方向で患者に課して不都合や不出来を確認する。さらに患者自身にもそれを気付かせる。そもそもそれが発症前には出来てたのか覚えてたのかは僕もわからないけども、だからこそ健常者の平均値が目安となるのだ。

午後STノッポさん。
昨日の能力検査・測定の続き。【数字とひらがなを同時に言われて数字を小さい方から、ひらがなを五十音順に言うというテスト】はドスンと感じた。疲れかもしれないし発症から2ヶ月という短期間もあるかもしれない。とにかく脳は普段とんでもなく負荷をかけられてる事を感じた。

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