10日目 : あの子に会える街St.カルサーダ
(200km踏破 → ゴールまで残り600km)
Santo Domingo de la Calzada。サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダまで33km。
早起きしないといけないのだが昨夜も23時頃まで多国籍パーティー。色々な国の空気や残り香をアルベルゲ(旅人用の宿)に残したまま、眠い目をこすり今日も出発する。そして早起きの特権。素晴らしい朝焼けと飛行機雲の競演。
日が昇れば暑い暑い。連日の暑さ。なんだろう。旅人になってるな。体とメンタルが旅人になってる。広がる平原にポツンと歩く小さなヒト。小さいなー人間って。。。と感傷的になるのを許してほしくなる位に大地が永遠続く。ここまで広いと笑える。
今日の距離。約33km。簡単に慣れたと言える様な近い距離ではないが、気分としてはシャキッとがんばるぞ!といった感じ。気合いの仁王立ち。
途中Najera ナヘラの町を通り過ぎる。こちらも綺麗な街並だがズンズンうっすら通り抜けて行く。橋の上で走ってる車にタイミング合わせてシャッター。車の宣伝ポスターの様な1枚だ。
町で出会う子供達。子供はいい。やっぱりどこの世界も子供は屈託なくて元気で明るい。ジャパニーズサムライ!にはえらく反応してきた。
さあ、だいぶ行程ハショって見えてきた!
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ。
なんか口にしたくなる名前
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ。
口にすると響きが
気持ち良いタイプの語呂語感
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ。
噂の大聖堂の尖塔。↓写真だと見えづらいけども遠く向こうに肉眼では見える立派な風貌。今日もやはりこの達成感に感動する。思わず道端で荷物を放り投げ喜びの舞だ。
さらに30分程かけて街に入る。↓左側にチョコんと尖っているのが大聖堂の尖塔。
アルベルゲ到着。こちらは公営でとても綺麗だ。まずはお決まりのシャワー&洗濯。しかし、この宿も中庭が素敵だ。
絵になる!建物の間からのぞく青空と飛行機雲。太陽に愛された国スペイン。
翌日の朝飯用の買い物に出掛ける。宿によっては朝飯付きの所もある。しかし以前のnoteで記したが、多くの朝飯がスイーツ、甘いパンケーキやお菓子だったりする。なので少々飽きる。それに糖分過多ではないかと心配になるので、自分なりに生ハムやフルーツなど健康を考えたメニューを前日に購入しておいたりする。食べる物は生活の潤い、テンションやバイオリズムに直結するから、そうやって楽しみを作る。初めて見る果物などにトライして美味しかったりすると嬉しいものだ。という事で街散策も兼ねて買い出しだ。
そして本当に道端で出逢った!
買出し中フラフラ右往左往散策する。
すると。前から歩いてくるあの人は?!
あれ?あれ?あの子だ!
さて " あの子 " とは誰か。それは【7日目 : バルの響きで一休み!Logroñoログローニョ】で不安になる位、広すぎる部屋に僕1人を泊めてくれたホステルの受付の子だ。彼女は大学生でホステルの受付をしていた。僕を1人ででかすぎる部屋に入れてくれたりログローニョの旨いバルを紹介してくれた。そしてここカルサーダは彼女の実家がある町で、歴史ある建造物、シンボリックな尖塔のある大聖堂が素晴らしいと教えてくれていた。大聖堂のすぐ脇にあるパラドール※1 . も素晴らしいのよと教えてくれた。
その彼女のアドバイスもありカルサーダに立寄ったのだが、つい数日前にログローニョで働いていた彼女とまさかここで出くわすとは本当に驚いた。実は、とんでもない部屋割りをした彼女は彫りの深い顔立ちのスペイン美人でケラケラ笑う愛嬌のある子で、ホンノリとトキメく素敵な子だったのだ笑。
ん?横に。ん?あれ?子供?10歳位の子供?えー意外!結婚してたのかー。いやいやお若いのに。大学行きながらすでにお子さんも育てて、そうだよね、人生色々あるよね。うんうん。
『やあ!すごい偶然だね!』僕は、声をかける。彼女も覚えていてくれた。と、話をしたらどうやら子供ではないらしい。地元に戻った時はこうしてベビーシッターのバイトもしてるとの事だった。なーんだ笑なんだなんだ。僕は、おかど違いの安堵と動揺を悟られない様に平静を装う。いや、確かにどう考えても10歳前後の子供を20前後の彼女が産んでるわけないだろ!笑。
愚かだ。愚かな動揺だった。そうかそうか。偉いね。と、僕はせっかくまた会ったのだしベビーシッター終わったら夕食を食べようと誘う。
『実家に帰ってきた時は家族と食事をとるのよゴメンね』
うんうん。当然だよ。そうだよ。フラれた訳ではない。家族愛だ。当然だ。また動揺を見せずに僕は最高の笑顔を返す。甘酢っぱいスペインの思い出と素敵な愛嬌ガールにMuchas gracias!ムチャスグラシアス!ありがとう!!
さあ素敵なすれ違いの後は恒例のバル巡りだ。
ここでロシアンサラダなるものを初めて食べた。何故ロシアなのだろう。由来はロシアのオリヴィエサラダかららしい。ジャガイモをマヨネーズであえる。日本で言えばポテサラだ。ストレートで濃いめのスペイン料理に慣れていたので、まろやかで上品でアンニュイな味のこのタパスは久々に癒された。アンニュイって気怠いって意味なのでよくわからんが、まあ先ほどのスペイン美人との別れ笑もあったので哀愁にひたっていたからその味に感じたのだろう。とても優しい味だった。。。ありがとう。
そうこうしてると、そこに昨夜のドイツのトビー、イタリアのタマル、フランスのステファン、初見のドイツの眼鏡先生が現れた。大まかにはほぼ1直線の道だし、人間の進むペースに対して違いもないとはいえ、こうして約束もせず、同じ時間に同じ店で出くわすのがやはりこの旅の面白さ。今日も多国籍パーティーとなる。
酔いもまわり明日も早い。今日はしっかり寝るぞ!と何度目かという誓いを胸に宿へ帰る。
とうとう来た!この日が!
それは2段ベッドの arribaアリバ=上段 に寝る事だ。なんだそんな事かとお思いの方もいらっしゃるかもしれない。しかし僕は2段ベッドの上が苦手だ。嫌いとハッキリ言おう。どうしても寝相に自信が無いので落ちるイメージしかわかない。子供の頃実家でも2段ベッドだったが兄に上に寝てもらい絶対下で寝た。
そしてこの宿に限らず旅を通してこうした相部屋ホステルのベッドはほぼ "ちゃちぃー"(失礼)のだ。無駄のなさ過ぎる簡素すぎるパイプベッドが多い。ブルース・リーの物まね芸人さんとかが、ママゴトの蹴り真似で簡単に破壊出来そうな"ちゃちぃー"(失礼)代物なのだ。ただ、今日の宿は輪をかけて"ちゃちぃー"(もう隠さないちゃちぃー)のだ。
案の定揺れる。下の段はオジサン。年配者だし変えてくれとも言いずらい。そもそも宿では2段ベッドの配置は受付の際に決められてしまう場合と先着順と様々である。今日は前者であり不可抗力の上段だ。
揺れる。オジサンが寝返りだか、何か知らんがっていう度に揺れる。地震だと思う位揺れる。もうちょっと気を使ってくれてもいいだろうという位揺れる。揺らして遊んでるのかという位揺れる。
子供の頃の実家の2段ベッドでさえ木製のガッチリしたもので脇の手すりも落ちるはずのないほどのガードの高さだった。こんな空中のまな板の様な状態で安眠など出来ない。恐怖の夜はいつまでもユラユラと僕を眠りにつかせてはくれなかった。明日も元気に楽しく歩こう。。。。それだけを暗闇に誓った。
色々な思い出をくれたカルサーダ、、、いや、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ(気持ち良い語呂語感だ) の大聖堂の尖塔だ。ありがとう。
11日目 : へ続く!
※1パラドール=古くはスペイン圏全土にわたって設立していた古城や修道院を近代に高級ホテルチェーンへと改装したもの。内装の素晴らしさは他検索して見て下さい。なかなか値がはるので泊まりませんでした笑。
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【4日目②-1: サイコな森を抜ければ城塞都市Pamplonaパンプローナ】にならった恒例のスペエもん達。 ( 一覧はこちら→ twirrer )
硬い桃の様な名前を知らない美味しい果物
ナヘラの町で見かけた看板
11日目 : プールで一休み。Beloradoベロラド へ続く
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