初個展直前に脳梗塞になった話:入院7～9日目(一般病棟2～4日目)

7日目 : 新たな気配

(一般病棟2日目)
4人部屋。近くに感じる気配。清掃の方の声。血圧測定の看護士。全てが新鮮だ。お茶がいつもと違う白いカップで入れられてきた。朝食が近い。今日は何だろう。三大欲求の一つ食欲。

三大欲求の1つ : 入院7日目の朝食

人生は上々だ

今日は笑顔PTさんが休みで以前の代行の若手PTさん。左手で廊下の手すりを持ちながら。まるで力が入らないけども支えられながら5～6m歩く。右足の膝に力を入れる感覚を探る。右の腰が引かない様に注意。胸を張り背筋を伸ばし前を見ながら僕は言う『天才ですから』若手PTさんは何ですかそれ？と笑う。漫画・SLAM DUNK世代ではないけどそのセリフはハマったらしく笑っていた。説明すると若手PTさんはへぇ～と言ってた。野球にはまってたらしく【メジャー】という漫画で青春の1ページを彩ったらしい。途中で血圧測定。左手の腕で測定。上が145、下が99。

リハビリに戻る。左手で手摺りを掴み、右足を前に出す。手摺りの切れてるところは椅子の背を並べて掴むところを作って。左手で掴んで前に進む。右手は腰に、信じて前向きに。右腰が引かない様に、とにかく前に出す。左足をぐっと踏み締めてとにかく前に出す。一歩一歩前に出す。人生前向き、身体は横向き、顔の向きは風見鶏。よしよしいいぞ。人生は上々だ。よし、ok。お疲れ様でした。ありがとうございました。

便意をもよおす

一昨日は5日間ぶりのぶりブリで、え？ん？5日カンぶりブリブリ？ゴニチカンブリブリブリ？なんて笑えない言葉遊びを書き残すほど回復のノリシロがあったんだなと今、思っている。

ナースコール。看護士が来る。車椅子に移りトイレに入る。ここで問題発生。おむつをどうするかだ。うーん。どうしよう。尿瓶で慣れてるし、えーい、自分でやろう。『あのぉ～下げて下さい。』？オムツですか？『いや車椅子を、で、オムツ下げるのは自分でやるので笑』あ、はい笑との返事。さぁここからは戦いだ。自分と便器と便意の戦いだ。

(以下の説明文は自分でもよく理解出来てません。整理もついてないし校正も推敲もないです。当時のメモのままです。イメージしやすく噛み砕いたり、書き換える事はしないで、ありのままのリアリティーを残そうと思いました。)

右手はここ、左手はここ、まず座る。そしてオムツを外す。よし外れた。ここからくとりのぞく。うーん腰を上げて抜けばいいけどそれだとつけるのも面倒だなぁ、いや、しかし着けるのは後回しで便意とのたたかいが優先だ。まず下ろして、尻穴ひらいて、そこで力み、出す。念入りに水あらいしてトイレットペーパーでふきとる。さあここからが問題だ。まず腰を上げてオムツをつかむ。オムツの特性上背中側に伸びてればよい。だから背中を左の壁によせる。背中から腰を浮かせ壁とすきまをつくり左手でオムツを滑らせ右手は倒れない様に右前方をつかむ。腰でオムツを壁とはさむ。さあ取れなくなった。ここで右手は離さず左手でオムツをつける。すかさず左手でパジャマのズボンを上げる。そこから流れるように右に向く。そこからはもう電光石火だ。最後の自分のはいせつぶつとの対面で消化不良のにんじんに『もっと噛めば良かったなぁ』とひとりごとにもならないうなだれをもって終えた。ブザービート。まくはおりた。試合終了だ。

ブザービートならぬナースコール

看護士が来る。車椅子を持って来る。はい十骨さん腰下ろしてねぇ～と車椅子を押し出してくれる。洗面台に押してもらい液体石鹸で手を洗う。ティッシュで手を拭いてゴミ箱に放る。足を気を付けていざ自分のベッドにご帰還だ。左手と右手に力を込めてベッドに乗移りここで一端休憩ぃ～と思いきや看護士さんが尿瓶に手を伸ばした。フタがゆるかった様でまさかのボチャン。見事にひっくり返した。床には僕の小便が世界地図を描いていた。

入院8～9日目 (一般病棟2～4日目)は全くメモも残ってないし記憶もない。

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