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Q.お客さまに対する服装に対して何かアドバイスがありますか?服装で受注率が上がるなら教えて下さい!

A.「スーツとかじゃなくてすみません」と言いましょう。

こんにちは!本日も張り切って質問に答えていきます。
今日はファッションの質問ですね?(笑)
というかこれを読んでくれている方、普段スーツですよね?
スーツなのか、ゆるくできるのかがわからないのと、どういう服装が良いかは、すでにネットにあふれていると思いますので、少し違う話しをしたいと思います。

「服装から相手の期待値を調節する」ということです。

例えば、あなたがパリッとしたスーツに身を包んでいるとしましょう。
あなたの後に付いていったお客さまが、あなたが階段を登る時に、ガリガリにすり減った靴のカカトを見てしまったとしましょう。

これは、かなりげんなりです。受注率にも影響があるでしょう。
完璧に見えるものからはアラ探しをしてしまうものです。
ヒドイものからは逆に少しでも良い点が目立ってしまうものです。

これを、「減点法」「加点法」と呼びます。

スーツ組の皆さんは、常に「減点法」のテーブルに乗っかっていると思って下さい。ある一定水準以上の立ち居振る舞いが求められ、これを割ると、一気に印象急落です。
立ち居振る舞いとは、
・服装(髪型、シャツ、スーツ、靴のカカト、ネクタイ、鞄)
・言葉使い(尊敬語、謙譲語、丁寧語、言葉選び)
・営業、提案内容(知識量、相手の求める情報を与えられているか)
・雰囲気(柔らかさ、上品さ、元気の良さ、など)
・動き(背筋は伸びているか、机に肘をついていないか)
などを含みます。

いろいろありますが、経験のある営業マンでもできていない項目がちらほらあります。
特に、私がマニュアル制作のためにいろんな企業の営業マンと営業ロープレをしていてとても多いのが、
「営業中に、机に肘をついてしまっている」

これ、試しに人にやってもらってみて下さい。見る側からすると相当印象が悪いです。
例えば、「クロージングの沈黙を、肘をついて顔の前で手を組むアクションと共に行う」という型があるなど、なにか明確な狙いがある時以外はやってはいけません。


さて、これに対して加点法に持ち込めるのが、「崩し組」の皆さんです。
・ヒゲ
・髪型無造作
・グレースーツorカーディガンやブルゾン
・柄物のワンピース


あまりいないと思いますが(笑)たまにこういう人がいます。
さて、こういう人たちが、
・言葉遣いやコミュニケーションが完璧
・提案が最高
・動きも謙虚さがにじみ出るものである

としたらどうでしょう。一気に加点され、あなたの印象は鮮烈なものになるでしょう。私が新卒の時の上司がまさにこれでした。
ヒゲにグレースーツ、髪型無造作にすり減った茶靴でしたが、お客さま先に入った瞬間、
腰を90度曲げて最敬礼!そして名刺交換する時にも、やはり腰を曲げて、相手より数10センチ低い位置から名刺を差し出す!

これに相手はみんなびっくりします。私もびっくりしました。
10年前の話しですが、今でも覚えているほどです。もちろん悪い気になるお客さまはいないですから、良い鮮烈な印象として強烈に加点されたということになります。

加点法、減点法の例としてよく持ち出されるのが恋愛の例です。
・普段優しいのに、非常時突然冷たくなった
・普段無愛想なのに、非常時体を張って助けてくれた


もうおわかりですね。
後者の、「相手の期待値を下げておいて、一気に現場のコミュニケーションで加点をする」ということを、ビジネスでは計算でやるというわけです。

逆に言うと、現場のコミュニケーションで巻き返せる自信がなければ崩してはいけません。
全てのクオリティに自信がなければ、絶対にスーツにしましょう。
恋愛の例で言うと、同じ「非常時冷たい」なら、せめて「普段優しい」のほうが良いわけですから。

服装は、少し自由だとしても、「楽だから」「カッコいいから」「上司がそうだから」で決めて良いものではありません。
「テンションが上がってパフォーマンスが上がる」?
よく女子の生徒さんからそのような声を頂きますが、それですら二の次です。

ゴールは受注であったり、コミュニケーションを円滑にする、ですのであくまで、自分の能力値と相手の期待値を照らし合わせて、総合的に判断するべきものであるという視点を備えて下さい。

自由と、責任は常にトレードオフなのです。
両取りができると思うのは大間違いです。


最後に余談ですが、私が営業指導した企業さまから、こんなリクエストを受けたことがあります。

「飛び込み営業で、インターホンを押しても誰もでてくれない。なんとかこの率を上げるようなトークを作って欲しい」

私は言いました。
「そうですね、トークの前に服変えましょう。私服で!」

東京のど真ん中に本社を構える大企業のお客さまです。
服装規定が厳しく、スーツに白シャツ以外は認めないような企業さまでしたので、会社を出た後、私服にトイレで着替えて出入りするというようなフローでこの施策を実行しました。

すると、翌週の会議で、
「出てくれる率が3倍に上がりました!」という嬉しい報告を受けました。

簡単な話しです。インターホンが鳴ってモニター越しにスーツの男が映っていたらどうか?
私なら「なんかめんどくさそうorセールスかな」と思う。ので、そう思われるリスクを回避した、というだけの話しです。

この話は減点、加点とは少し話しがずれていますが、「第一にこの自分の服装で、相手がどう思うだろうか?」これを考えることから全てが始まるという点では同じです。

服装もコミュニケーションであり、特にビジネスにおいては、相手とのコミュニケーションを円滑にするというゴールのためのツールである、という認識を強く持ってみて下さい。

それではまた次回!

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