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あなたのランチ見せてください!―新潟支店 小島佑斗

JTBには、全国47都道府県、そして世界中に拠点があります。それぞれの支店で、さまざまな社員が働いているのに、その魅力を伝えられていないのは、もったいないのでは。 そんな想いから、各地でいきいきと働く若手社員たちに行きつけのお店やパワーチャージスポットを紹介してもらい、ランチを一緒に食べながら、仕事の楽しさや地域の魅力、その他もろもろについておしゃべりする連載「あなたのランチ見せてください!」を始めました。

今回は新潟支店 入社6年目の小島佑斗。思い出のお店だという、新潟市中央卸売市場内にある「中央食堂」で話を聞きました。


JTBで見つけた、人と旅をつなぐ仕事の面白さ

小島 佑斗(こじま ゆうと)
2019年入社。 新潟支店勤務。生まれてから大学生までを埼玉で過ごし、入社時に新潟へ配属されて以来、修学旅行などを担当する教育営業に従事。新潟のグルメに魅了されており、新潟に来てから体重が14キロ増えたとか。

――本日はよろしくお願いします。まずは小島さんが、JTBに入社しようと思った理由から聞かせてください。

実は、JTBに入社しようと最初から考えていたわけではないんです。大学まで水泳をやっていて体育会系で育ってきたので、第一志望は消防士でした。でも、公務員試験の筆記でつまずいてしまって…。

そんなとき、旅行会社に入社した大学の先輩から「旅行業界は無形商品だから、営業担当者の人柄や対応でお客様に選んでもらえる」という話を聞いたのをきっかけに、旅行業界に興味を持ちはじめたんです。人に楽しみを提供できる前向きな仕事に惹かれ、 JTBへの入社を決めました。

入社してみると、先輩が言っていた通り、本当に人と人とのつながりが大切な仕事で。自分に合っていると感じました。

――現在はどのようなお仕事をされているんですか?

教育営業課で、主に中学生と高校生の修学旅行を取り扱っています。他にも海外研修や部活動の遠征、全国大会に関わる甲子園やサッカーの選手権、大阪・花園で開催される全国高校ラグビー大会への出場時の宿泊や交通・食事の手配、全体の運営オペレーションのプランニングなども担当しています。


具体的な業務としては、まず学校からの要望をもとに企画案を作成します。「何月何日に、予算いくらで、どんな学びの機会をもちたい」といった仕様書に基づいて、プランを立てて提案。その後プレゼンをして、もし選んでいただけたら、さらに詳細な打ち合わせを重ねていきます。

ほとんどの場合、私たち担当者も旅行当日に添乗員として同行します。安全に楽しく過ごしてもらうのはもちろん、万が一のトラブル対応も私たちの仕事です。「楽しんでもらって、笑顔で無事に帰ってきてもらうまでが、仕事」だと思っています。

――企画から添乗まで!仕事内容が幅広いですね。印象に残っている仕事の思い出などはありますか?

忘れもしない経験が一つあります。他の旅行会社に決まっていた200人規模の沖縄研修旅行の案件を、出発の半年くらい前に他社から逆転受注したことがありました。

基本的には、一度契約した旅行会社との契約が覆ることはまずないので、とても珍しいケースなんです。でも、私が他社との契約後も日頃からコミュニケーションを取り続けていたことで、学校側から「やっぱりJTBさんと、小島くんと行きたい」という声をいただけたのかなと。驚きと同時に、人間関係の大切さを身をもって実感した瞬間でしたね。

新潟の魅力、食で知る地域の豊かさ


――小島さんは埼玉県のご出身だそうですね。新潟での勤務はいかがですか?

生まれも育ちも埼玉県の川越市です。そのため、JTBに入社した時は川越支店に勤務し、自分の母校を担当したいという夢がありました。入社時の辞令で、「新潟支店勤務」と言われたときは本当に驚きましたね(笑)。

正直、最初の1~2年は本当につらかったです。縁もゆかりもない土地で、知り合いも友達もいない。仕事も慣れないなかで必死でした。でも、支店の皆さんにもご指導いただいたり、支えていただいたりしたおかげで少しずつ仕事も余裕を持てるようになり、 3年目くらいから少しずつ新潟の良さが分かってきて、今では本当に新潟が好きになりました。

――新潟のどんなところが好きになりましたか?

やっぱり食べ物ですね!特に海鮮がおいしいんです。「日本海の荒波に揉まれた筋肉質な魚」なんて表現をよく使うんですが、本当においしいんですよ。

それに、意外かもしれませんが、ラーメンの消費量が全国トップクラスなんです。「新潟5大ラーメン」と呼ばれる有名なラーメンがあって、背脂系、濃厚味噌、あっさり醤油、生姜醤油、カレーラーメンの5種類。なかでも私が大好きなのは背脂ラーメンです。網で背脂を切る際の「チャッチャッ」という音から「背脂チャッチャ系」と呼ばれ、濃厚で本当においしいです。東京にも背脂ラーメンはありますが、新潟の背脂ラーメンは格別ですね。おかげで、新潟に来てから体重が14kg増えました(笑)。


――体重増加は新潟の食べ物がおいしすぎる証拠ですね!食べ物以外に、新潟の好きなところはありますか?

やはり人の温かさでしょうか。新潟では県外の人を「あちさん」と呼ぶように、最初は少し距離を置いているように見えるんです。でも、一度信頼関係を築くと、本当に温かく接してくれる。この特徴が、私の仕事のスタイルにすごく合っているなと感じています。

新潟での営業は、膝を突き合わせて話をしながら信頼関係を築いていくのが主流です。新潟の方は堅実な県民性から、物事をじっくりと吟味してから判断される方が多い印象です。また、地域ならではの強い仲間意識を持っている方も多い。だからこそ、そこに飛び込んでいって信頼関係を築けたときの喜びは格別ですね。

「中央食堂」が教えてくれた、仕事への向き合い方


――今日は小島さんの思い出のランチ場所だという「中央食堂」にお邪魔していますが、この店の思い出を教えてください。

ここは、私にとって本当に特別な場所です。入社1年目の秋ごろ、仕事にも慣れず、心が折れそうになっていたときに、お客様に連れてきてもらったお店なんです。沖縄への研修旅行を担当していた学校の先生方に「飯、行くか?」って声をかけてもらって。「行きたいです!」って即答したら、ここに連れてきてくれました。

中央食堂の名物と言えば、刺身定食です。新鮮な刺身が日替わりで出てきて、本当においしい!でも、料理以上に思い出深いのは、ここでお客様に悩みを聞いてもらえたこと。「大変だよな、頑張れよ」って。お客様にそんな言葉をかけていただけるような関係になれた、ということが本当に嬉しくて。この店で「新潟で頑張ろう」って思えるようになりました。

この日の刺身は、ブリ、本マグロ、ほうぼう、アジ、活バイ、ホタテ、のどぐろ、いくらの8種類。養殖や冷凍を一切使用せず、同市場で朝仕入れた魚や貝だけを使用するという、こだわりの特選刺身定食。


この日の刺身の種類を聞くと、丁寧に紙に書いてくれたのは、同店主人の近藤さん。親切で温かい新潟の人々に、埼玉からひとり赴任してきた小島は何度も救われたそう。


――大事な思い出の場所なんですね。今でもよく来られるんですか?

はい、今でも大切な場所です。普段は営業で忙しくて、車の中でコンビニのおにぎりを食べることが多いんですが、休日にはここに来てゆっくり食事を楽しむこともあります。特に、何かつらいことがあったり、心が折れそうになったりしたときは、ここに来て刺身定食を食べるんです。そうすると最初に来た日のことを思い出して、「もう少し頑張ろうかな」って思えるんですよ。


――中央食堂以外に、小島さんのおすすめ新潟スポットはありますか?

寺泊てらどまりという場所をご存じですか?長岡市にある海沿いの地域なんですが、そこに「魚のアメ横」と呼ばれる市場があるんです。

寺泊魚の市場通り

ここでの食べ歩きがとても楽しくて、おすすめです。特におすすめなのが「あら汁」。カニを始めとする海鮮が入った味噌汁なんですが、これが200円で飲めるんです。めちゃめちゃ美味しくて、コスパも最高。その味噌汁を飲みながら、寿司や、イカ焼きなどの海鮮グルメを存分に堪能することができます。

仕事と水泳、一つの道を極める挑戦


――小島さんが仕事以外に打ち込んでいることはありますか?

実は、今でも水泳を続けているんです。社会人のチームに所属して、週に3回練習して、大会にも出場しています。18年間水泳一筋でやってきて、努力や苦労をたくさん経験しました。そして今、この水泳の経験が仕事に生きていると感じています。

水泳は、100分の1秒の世界。チーム競技と違って、自分の努力やコンディションが、如実に結果に表れるスポーツです。だから、喜びも悲しみも全部自分一人で背負う。その経験が、今の仕事での精神力につながっていると思います。

――水泳での経験が仕事にも生かされているんですね。それでは最後に、これからの目標や展望について教えてください。

今やっている教育旅行の仕事をもっと極めたいです。自分の強みを磨きながら、この「教育旅行」というフィールドのなかでさらに提案の幅を広げたり、お客様のために、自分にしかできないことを見つけていきたいと思っています。

水泳も小学校から大学まで取り組んできて、今でもやめずに続けているように、自分が始めたことに対して責任を持ってやり切りたいんです。なので、他の事業にチャレンジするというよりは、これからも教育旅行の分野で、より深く、より高いレベルで仕事をしていきたいです。


写真:西谷玖美
文:大西マリコ
編集:花沢亜衣