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散歩日和は育児日和

最初の子どもが生まれて数カ月後から、天気の良い日はほぼ毎日散歩に出掛けるようになった。
最初は抱っこ紐で抱えたまま、自宅周りの住宅街をうろうろと。赤ん坊にとっては、散歩というより外気浴の延長線。日光や風を感じながらの動くお昼寝だ。

近隣に焼き物教室があるらしく、妙にとぼけた味わいの置物を飾っているお宅が何件もあった。
空き地だった一角で地鎮祭が始まり、一から住宅が出来上がっていく過程を観察するのも面白かった。

やがて腰も座ろうかという頃、旦那のおばあちゃんがベビーカーを買ってくれた。
この頃から徐々に目的地は近所の公園へ。
実際に自分の足で歩き始めたのは1歳を過ぎてからだったけど、ピクニックシートを敷いて日向ぼっこをしたり、小さなお手々で延々と草をむしったりしていた頃。
思えば、自分の町の上空にあれほど飛行機が飛んでいると知ったのもこの頃だった。葉の落ちた直後の桜が、もう蕾を抱えていると意識したのも。

当時は慣れない育児でてんてこ舞いだったけど、今となってはとても贅沢な時間だったなぁと頬が緩む。
あのおチビさんも、もう小学生。
いつまで一緒に散歩してくれるか分からないけど、またとぼけた置物でも探しに行こうか。

#散歩日記

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