主食革命


なぜ今、主食を見直す必要があるのか!現在、玄米を主食にしている日本人はわずか0.2%程度であり、知識としては玄米が免疫力や自然治癒力を強化したり、ホメオスタシス(生命体の恒常性)を維持する栄養素が豊富であることを知っていてもほそぼそ感があり、消化が良くないなどの理由から敬遠され、それに伴いいわゆる生活習慣病が蔓延したり、体力の衰えはよく知られているところである。この際、主食に玄米を、さらに少し発芽させた発芽玄米を導入することを提案する者である。一般に、種子の発芽は新しい生命を生み出す一大イベントであり、発芽に必要な栄養が最高の状態に整えられて初めて達成される。はざかけ天日干しの玄米は生きており、生きた玄米の発芽条件(32℃、22時間前後のぬるま湯)が整うとそれまで休眠していた各種酵素が一斉に活動を開始し、発芽に必要な栄養成分が軒並みに増加する。これらの成分を人間も恩恵に授かろうというのが発芽玄米を主食に取り入れたい直接の動機である。

これまでに分かっている発芽玄米の効能の概略を記す。
玄米中のたんぱく質は発芽の過程において加水分解酵素で部分的に構成アミノ酸が切り出されるが、その中でも特に子どもの健全な発育に必要なリジンの増加は顕著であり、これが第一の理由で多くの小中学校の給食に発芽玄米が導入されているのである。さらに、脱炭酸酵素の働きでグルタミン酸からギャバ(ガンマーアミノ酪酸の略)が作られ、生活習慣病の予防や軽減化に役立っており、また各種ガンの予防・軽減化に卓越するIP6(別名フィチン酸)、さらに認知症予防・改善が期待されるフェルラ酸や酵素(PEP)阻害能が知られている。理想的には母親の妊娠中から発芽玄米を積極的に食べ、またお年寄りの生活の質の改善をはかり、さらに病院食にも導入できればうれしい。

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