小説「月曜日の抹茶カフェ」感想
こちらの本を読みました。
「木曜日にはココアを」の続編です。
こちらも連作短編集です。
「木曜日にはココアを」にでてくる人もいるから、読んでて楽しかったです。
「ご縁」の物語。
「人と人との出会いは、顔もわからない人たちが脈々と繋いでできた手と手の先なんだよ」
と、いうマスターのセリフがあります。
私と主人が出会ったのは同じバイト先でした。
遡って、バイト情報誌にお店を載せた人。
遡って、「バイト募集」をかけるため、バイトをやめちゃった人
遡って、あれ?なんか、変に遡ってますね。
バイト先のお店の創業者になりそう…
とにかく、主人の両親、私の両親が子どもを産んで、私と主人を出会わせて、今の家族があります。
生まれたときから、知らない誰かの手とつながっている。なんて、ちょっと怖い気もしますが。
幸せな出会いや、誰かが幸せになるんだったら
嬉しいですよね。
「抹茶カフェ」は、東京と京都が舞台です。
マスターの出番が結構あるので、マスター推しの私は嬉しかったです。
「主人公・マスター」の回はないですが、
マスターの過去の話や人となりが分かります。
素敵な人です。
余裕のある大人。
「耳をすませば」の天沢聖司くんのおじいちゃんみたいなイメージ。もっと若いかな…
きっとイライラとかしないんだろうな。
この部分好きです
↓
マスター
「一度でも出会ったらご縁があったってことだ」
美保
「でも、せっかく出会っても一回きりで、育たないで終わっちゃうことだってあるじゃないですか」
マスター
「それは縁がなかったんじゃなくて、一回会えたっていう縁なんだ。経験が何かしらの形で次に繋がるかもしれないだろ」
すごい心に刺さりました。
「一回会えたっていう縁」
って考えれますか!!
深いです。
嫌な事があったらすぐ「この人とは縁がなかった」って思ってましたが、こんな考えもあるんだとジーンときました。
優しい気持ち。
ところで私は「9:デルタの松の樹の下で」の話が好きなんですが、娘は「5:拍子木を鳴らして」が好きなんだそうです。
この本を教えてくれた娘のお友達は、私と一緒の9の話が好きだそうです。
人それぞれ、好きなお話が違うのも楽しい。
良い本でした。
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