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【詩集 第5弾】レビュー♠今回は相当ダーク(哲学的)だぞ!
うんちゃん♠の有料記事レビュー!
《 はじめに 》
この詩集は、日頃うんちゃんがいう甘々の「砂糖」でないことは明らか。
むしろ「毒」とご本人は呼んでいるが、読み手の立場でいえば決してその場限りの毒ではなく、この詩と出会った日から永遠に続く「審判の機会(考えさせられる)」という印象を受けた。
各々の詩は、暴力、復讐、正義、存在の意味、社会における個のあり方といったテーマを、直接的かつ象徴的な表現で綴った作品として仕上がっている。
強烈なイメージ を持つ言葉選びと、詩的なリズム を伴った散文的表現が特徴的だ。
以降では、各々の詩の印象と評価(評価は烏滸がましく感想)を記し、最後に特筆すべき点と総評を記させていただいた。
是非、最後までお目通しいただきたい。
但し、ほんわか笑顔で終われる代物ではないという覚悟の上で読んでいただきたい。
※読後に爆笑の渦に巻き込まれた方は、(内緒で)コメント欄でその旨を教えていただきたい。
《 収録タイトル一覧 》
1.せいかつ(第1話のみ無料で読めます)
2.正義をふりかざすヒーロー
3.余り物でちゃちゃっと復讐
4.ちゃんとしたい
5.焦げ臭い支配
6.ネコナデ声
7.惡玉菌
8.肋骨のバリケード
9.懐かない花束
10.わるもの
11.怨念のはらわた
12.集団行動の抜け殻
13.子宮の道しるべ
14.秘密主義の寿命
《 個々の詩に対する印象と評価 》
1.せいかつ(第1話のみ無料)
文字の配列にまでこだわった逸品。言葉が飛び交う様子までを表現している。
家庭内暴力を 断片的な視点 で描き、幼い語り手の恐怖と無力感を生々しく表現。リフレイン(繰り返し)が効果的に使われ、閉じ込められた世界観が強調される。
→ 読み手の印象: 圧倒的な不安感と現実の重さ。感情に直接訴えかける強烈な一編。
2.正義をふりかざすヒーロー
「正義とは何か?」という普遍的なテーマを、社会的視点から掘り下げる。
「誰もが誰かにとってのヒーローであり、悪者にもなり得る」という視点が印象的。
→ 読み手の印象: 現実の矛盾に対する鋭い洞察。社会批判的で考えさせられる詩。
3.余り物でちゃちゃっと復讐
キッチンで料理を熟す手際(表現)が絶品。
料理になぞらえた アイロニック(皮肉)な復讐劇。比喩が巧妙で、余り物=価値のない存在というテーマが響く。
→ 読み手の印象: 皮肉と虚しさの混在。静かな怒りが込められた作品。
4.ちゃんとしたい
塵の輪が木星環に結びつく思考回路に脱帽。
「社会に適応できない苦しみ」を、ユーモラスかつ痛烈に描く。
「お天道様が監視しているらしい」という一節が、神の視点と社会の圧力 を象徴。
→ 読み手の印象: 風刺的でありながら、個人的な苦悩もにじむ。共感を呼ぶ作品。
5.焦げ臭い支配
「~ 忙(せわ)しない舌に舞う髪の毛が絡む ~」このフレーズを詩的と呼ばずに何と呼ぶ?
「権力=太陽」という比喩が強烈。支配と復讐の構図が、イメージ豊かに表現されている。
→ 読み手の印象: 炎と焦げの感覚がリアルに伝わる。ダークで破壊的な詩。
6.ネコナデ声
登場するネコは愛されたかった子どもや恋愛対象を意味しているかも知れないという疑問が残る。
「ネコの献身的な愛情」が、人間の価値観と衝突する 悲劇的なストーリー。
→ 読み手の印象: 儚く切ない。生と死の対比が鮮やか。
7.惡玉菌
棒きれのような私と案山子が結びつく。
善と悪の相対性を「菌」の概念で語る哲学的な詩。
→ 読み手の印象: 深遠な問いかけ。善悪の曖昧さを鋭く突く。
8.肋骨のバリケード
支配の匂いと鼻の行方が尾をひく。
母の 脆さと支配の構造 を、肋骨のバリケードというメタファーで描く。
→ 読み手の印象: ぞっとするような息苦しさ。強烈なビジュアル表現。
9.懐かない花束
人生の儚さを駆け足で体感できる。
「懐かない花」を自己の比喩とし、存在の意味を問う。
→ 読み手の印象: 哀愁と達観が共存する作品。独特の美しさがある。
10.わるもの
ひらがなだけで表現された柔らかいタッチだからこそ丁寧に読ませる、じんわり届くその中味は濃厚。
「生まれたことが罪」という衝撃的な導入。
→ 読み手の印象: ひりつくような自己否定感。シンプルながら胸に刺さる。
11.怨念のはらわた
相討ちで地獄へ行く。それでもいいと思える深さ。
怒りと復讐のカタルシス(排泄、浄化)を、 身体表現 を駆使して描く。
→ 読み手の印象: 生々しく暴力的。読後に重さが残る。
12.集団行動の抜け殻
「泡立つ唇の両脇」が意味する恐怖、絶望、寂しさが印象的。
孤独と社会の圧力を「セミの抜け殻」で象徴。
→ 読み手の印象: 孤独の虚しさが鮮明。共感を誘う。
13.子宮の道しるべ
大人になるまでの過程で積み重ねた経験が文字となって表現されているようだ。
「存在しない生命の視点」で語る異色の一編。
→ 読み手の印象: 母性と存在の根源を考えさせる。深遠で独創的。
14.秘密主義の寿命
神のみぞ知る世界を秘密主義と例えた。
「寿命」という普遍的なテーマを、冷静かつ哲学的に表現。
→ 読み手の印象: 人生の無常を悟るような感覚。静かな余韻を残す。
《 特筆すべき点 》
強烈な比喩 と 大胆な言葉選び
「塩分過多な涙」「羊水で窒息する渇望」など、身体感覚に訴える表現 が多い。
善悪の曖昧さ を掘り下げるテーマ性
正義と悪の相対性 を問い、読み手に思考を促す作品が多い。
リズムと反復の巧みな活用
「なみだ なみだ なみだ」「ぐらすのはへん ぐらすのはへん」などのリフレインが、詩に強い印象を与える。
📌 読み手の受ける印象
ダークで痛烈、時に哲学的
社会的テーマと個人的感情が交錯
感情のカタルシスを感じる読後感
《 総評 》
今回で5回目の作品(記事)レビューとなるが、この【詩集 第5弾】は気楽さをもって詩と向き合うことができなかった。
恐らくは過去のいわゆる「ダーク」経験値(善悪対比、問題意識)の度合によって、自分自身との照らし合わせが濃厚となり息苦しくなるのだろうと感じた。
もしも詩集をさらっと読める、または爆笑で終われる方が存在するとすれば、その方は過去に善悪のしがらみに触れることがなかった、よほど澄んだ心の持ち主か、もしくは究極の悪人ではなかろうかと感じる。
うんちゃん特有の味覚で表現すれば、この詩集はハバネロたっぷりのタバスコか人力で丹念に練り上げた生わさびといったところだろう。
心構えなくして嚙り付けば、「瞬殺・3秒フリーズ」は間違いない!
それにしても、詩の創りはいつも通りの丁寧さと周到さに脱帽させられる。
言葉の豊富さ巧みさは楽しみであり味わえる部分だと感じる。
総じて申せば、平凡な日常にスパイスが必要だと感じる方にオススメの作品だ。
《 これまでのレビュー記事 》
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
うんちゃんさんの詩の魅力が一人でも多くの方に届くことを祈ります。
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