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マネージャーの仕事って何? 「ミスマッチを埋める」

カバー写真は、2012-14シーズンにブレックスの指揮を執ったシレイカHCです。そしてダリアスAC、トミーと日光の華厳の滝で撮りました。でっかい子はシレイカさんの息子さんです。


さて、シーズンが終わり各チームのヘッドコーチ事情に動きがでてきました。
これをマネージャーの視点から考えてみます。

単純に戦績からコーチの入れ替えが起こることがありますが、その原因が必ずしもコーチだけでないことがあります。
受け入れる側にもあるのではないかと思っています。

特に、初来日の外国人コーチには、これまでのキャリアで経験したことがないような環境が日本で待ち構えています。

文化・習慣の違う国で、英語が共通言語にならない、週末に同じ相手と2連戦という日程など、挙げればきりがないです。
「当たり前(スタンダード)」の基準が大きく違います。

優秀なコーチであればあるほど、恵まれた環境で活動してきたはずです。
最高の人材を獲得するためには、それに見合うだけの最高の環境を用意しなくてはいけません。お金だけの問題ではないんですよね。
これは国籍を問わず、選手の獲得にも言えることです。

そして、優秀なヘッドコーチがきても、確実に勝てるわけではない。その理由はたくさんありますが、その中に日本特有のものがあると思います。

特に違いを感じるのは、練習環境。
Bリーグにおいて、毎日同じ場所で同じ時間に練習できるチームは少ないです。
・企業母体があり、自社の体育館を持っているチーム
・非常に理解のある行政と、ものすごく良好な関係を持っているチーム
・稼働率の低い体育館が近くにある、地理的に優位なチーム
など、本当に限られたチームです。

多くのチームが、公共施設・学校・企業の体育館などを数ヵ所ローテーションしながら練習していると思います。
練習時間は体育館の予約状況次第で、移動距離・体育館の設備・駐車場・シャワーの有無など場所によって大きな差異があり、いつも何かを犠牲にしなければいけません。
ウエイトトレーニングやミーティング会場にも同じ悩みがあります。
また、休祝日に練習するとなると、これまた大問題です。
まして、年末年始の体育館確保は死活問題です。
本当に、多くの方々の協力のおかげで活動できています。
ありがとうございます。

そして、コーチの要求・フロントからの依頼・選手からのグチを受け入れながら毎日スケジューリングをする、全国のマネージャーの苦労は痛いほどよくわかります。(みんながんばれ!)

そんな環境なので、コーチのやりたいことや、これまでやってきたやり方を、日本では実現できないストレスや難しさがあります。
そして、より良い環境を知るコーチにしてみれば、「こうするべき・こうしたほうがいい」という要素がたくさん目に付くので、それを口にするのですが、お金・人材・環境・プロバスケの社会的地位によって、実現できないことがあります。
コーチの持っている成功の方程式を当てはめられない、実現できないことが、海外で戦績・評価の高い人が日本では勝てない要因のひとつだと思います。

なので、優秀なコーチを連れてくるよりも、チーム・環境にマッチする(順応し、対応できる)コーチを連れてくるほうが良いのではと思うことは多々ありますが、それを来日前に判断するのは、非常に難しいです。
初来日のコーチ・選手は、ある程度博打の要素があります。

優秀なコーチが、せっかく日本に来てくれたのに、このようなミスマッチからダメコーチのレッテルを張られチームを転々とする姿は非常に悲しいです。

そして、そんなミスマッチを埋めるのも、周りにいるチームスタッフの仕事だと思っています。
特に、公私ともに多くの時間を過ごすマネージャーの真価がここにあらわれると思って仕事しています。
ミスマッチも人やチームによってさまざまで、正解はなく、状況を見ながら調整する必要があります。
数字には表れないし、やりやすい・やりにくいという評価は個人の主観によるもの、まさに仕事か仕事じゃないのか分からない部分をサポートしています。
なんとも伝わりにくいですが、これこそマネージャーの仕事のひとつかと。

特定のチームのこと言ってるわけじゃなくて、これまでのキャリア・経験からの僕の考えです。

バスケに限らず、多くのスポーツがコロナの影響により、危機に瀕しています。
Bリーグも来季を安定のシーズンとする選択をしました。
そんな中で、マネージャーというチームの中でも地位の低いポジションの仕事は、これからどんどん厳しくなっていく可能性があります。
見えないところで、目に見えない成果を上げているマネージャーという職業を大切にしてほしいと、全国のチームにお願いしたいです。
それと同時に、今までやってきたことだけやっていれば仕事がある状況ではなく、稼ぐスキルや方法を身につけ、実現する力がマネージャーにも必要になってきている、さらに目に見えない部分を見えるようにする・伝える必要があるんじゃないかと思ったのも、noteを始めた理由のひとつです。

縁の下の力持ち、裏方なんだから、そんなアピールは必要ないって思うかもしれませんが、そんなこと言ってられない苦境に立たされるのではという危機感が日々強くなっています。

じゃあ、何をすればいいかってすぐに思いつけば苦労しないわけで、いつもより長いオフシーズン、この時間を使って考え、行動したいです。

「ミスマッチを埋める人材」どんな業界にもそういう人がいるんじゃないでしょうか。
プロスポーツチームでそんな立場にあるのがチームマネージャーです。
ミスマッチを埋めることも、マネージャーの仕事のひとつです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Yuto Ikeno@チームマネージャー
プロバスケチームのマネージャーを知ってもらいたい。 何でも屋さんと言われる裏方のお仕事を語ります。 チームマネージャーの認知度・価値向上を目指して発信します。 全国のマネージャーにリスペクトを、マネージャーを目指すあなたに勇気と知恵を与えたい。

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