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縄文土器と、縄文の里・朝日

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縄文土器好きによる、縄文土器好きのための縄文土器のまとめ。 縄文文様や縄文土器を紹介しています。 縄文土器好きのみなさん、読んでね。
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記事一覧

【令和6年度 夏・秋の企画展】奥三面の瘤付土器~新潟県北部における縄文時代後期後半の土器に付いて~

はじめに令和6年度 縄文の里・朝日 夏・秋の企画展「奥三面の瘤付土器~新潟県北部における縄文時代後期後半の土器について~」の図録です。 奥三面遺跡群元屋敷遺跡出土、縄文時代後期後半の深鉢形土器を中心に、新潟県新発田市中野遺跡、新潟県上越市籠峰遺跡、山形県小国町下叶水遺跡、山形県東根市蟹沢遺跡の土器を一堂に展示した企画展です。 縄文時代後期後半に、東北地方に出現した瘤付土器は、北海道、新潟にも波及し、関東、北陸にも持ち込まれていました。 広範囲にわたる分布は、各地の土器との

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【縄文まめ知識1】土器ってなあに?

はじまり、はじまり普段、図録やら、いろいろとnoteに掲載させていただき、見てくれる奇特な方々に感謝しかありません。 縄文の里・朝日という、しがない一資料館にも、地域のいろいろな歴史資料がたくさん保管されています。 そんな資料からいろいろとまめ知識的な感じで縄文を楽しんでいただきたく、縄文まめ知識シリーズとして、サクッと読める記事をば書かんとすといった低い志ではじめたいと思っています。 土器ってなあに?土器は、粘土で形作り、加熱して固めた器のことです。 日本列島の歴史の中

祝⭐︎高平遺跡県指定文化財記念『村上市における火焔型土器の世界』図録

はじめに縄文の里・朝日 夏・秋の企画展『祝⭐︎高平遺跡県指定文化財記念 村上市における火焔型土器の世界』は、令和5年7月15日から11月26日まで縄文の里・朝日の企画展として開催しています。 令和4年3月25日より、新潟県文化財保護審議会の答申を受けて、新潟県教育委員会において村上市の高平遺跡出土品853点が、新潟県有形文化財(考古資料)に指定されました。 内訳として、火焔型土器、王冠型土器などの土器119点、土偶や三角形土版などの土製品89点、石鏃、石錘、磨製石斧などの石

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奥三面遺跡群下クボ遺跡の東北系土

下クボ遺跡のへんな土器 縄文時代中期後葉、約4000年前の下クボ遺跡から出土した大木9式土器をYoutubeで紹介しています。  3Dでいろんな角度から見れますよ。  磨消縄文という施文手法で描かれた文様が特徴的な土器です。  なんか顔みたいに見える文様が変な感じの土器ですよね。  下記のリンクからどうぞ。 動画の感想などコメントください。 よろしくお願いいたします。 下クボ遺跡出土の深鉢についてこの土器は、奥三面遺跡群下クボ遺跡出土の深鉢で、複式炉の埋甕部に使われていた

【粗製土器】文様がないだけの土器

縄文土器って、すごい土器みなさん、縄文土器は、日本どころか世界でも最古になる土器のひとつだとご存知のことでしょう。 今のところ、日本最古の土器は、青森県外ヶ浜町大平山元 I 遺跡出土土器が、科学分析の結果で、約15,000年前のものだと分かりました。 土器分類ってのがありますそんな素晴らしい縄文土器には、精製土器と粗製土器という分類があるんです。 精製土器とは 精製土器は、文様のある土器です。もっというと、文様を施すエリアである文様帯がある土器のことです。 下の写真の

縄文土器という希望

 縄文土器とは、エポックメーキングな道具です。時代の名前になっています。現代、平成の時代は、ケータイ時代、スマホ時代でしょうか?そのような感じで時代を変えた画期的な道具が縄文土器なのです。縄文時代の前後でその時代の人の生き方を変えた道具なのです。  縄文土器以前と以後ではさまざまな生活スタイルが変化していきました。環境の温暖化により変わった縄文世界を土器で切り開いていった人々が縄文人なのです。 縄文土器とは  縄文土器は、日本列島内ではじめて使われた土器の総称です。縄文土器

「縄文人のとっておきの器」写真図録

令和3年度 縄文の里・朝日 春の企画展 R3.04.17~06.27  縄文人が大切にした土器とはどんなものだったのでしょうか。みなさんの「これはとっておきだ」というものをお持ちでしょうか。みんなに思わず自慢したくなるような逸品。縄文人の作った土器にも、そのような逸品がありました。縄文人のとっておきの土器をいくつかのテーマに分けて紹介していきます。  ここでは、縄文時代中~晩期(約4,500年前~約2,500年前)の土器の中で、文様、形だけでなく、使われ方や赤く塗るといった

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夏の自由研究~入組文~

 夏休みも終盤。夏休みと言えば自由研究。そこで縄文の里・朝日で土器をみる時に100倍たのしめるように土器の文様について解説。これをみて、ご来館いただけると、あっ!!、となるかもです。では、はりきっていきます。    入組文、そう、これは入り組んでいる文様。  縄文人が組みこんだ土器文様。  入組文、縄文人のこころ、しあわせのぐねぐね模様。  入組文。。。    ここでとりあげた入組文とは、縄文時代後期後半(約4,000年前)に東北地方中心に分布した瘤付土器に描かれる文様のこと

変わりゆく縄文の文様

文様が変っていくことについて 縄文土器には、いろいろな文様がついていると思いませんか?  その文様を考える縄文人って、すごいデザインセンスって思いますよね。しかし、文様はどこに焦点を当てていたのかということで、その変化がわかるのです。大きくしたり、多くしたり、くっついたり、省略したりと変っていく文様。  ここでは、東北地方を中心とした縄文時代後期末から縄文時代晩期中葉までの文様の変化に焦点を当てて、縄文人の視点変化を紹介します。  三叉文の登場 上の写真の土器は、縄文時代後