『最高の戦略教科書 孫子』を読みました。
孫子は古典として長い間読み継がれており、一度は目を通したかったもののなかなか今まで機会がありませんでした。今回、良い解説書としてお勧めされましたので、手に取って読んでみました。
「孫子の兵法」は、簡単に言えば「戦うためのテキストブック」です。もちろん、現代では命のやり取りが行われることは(少なくとも日本に住んでいるかぎり)ありませんが、それでもビジネスや生活の中で「やり直しの利かない一発勝負に身をゆだねるとき「こちらが望んでいなくとも、相手から戦いを挑まれるとき」が無いわけではありません。
そういった際、あらかじめ兵法を知っておくことは決して無駄ではないと思うのです。
また、実践に基づく記述であるからこそ長い間テキストとして生き残ってきたのであり、そういった意味でも有用な書と言えるでしょう。
本書は単なる解説にとどまらず、特に現在の時代背景に当てはめた解説が秀逸であり、イメージもしやすいです。古典が初めての人にも、共感できたり身の回りのことに当てはめてみることができたりしますので、最初の一歩としてはお勧めできる内容となっています。
私自身は、以下の点の記述がとても良いと思いました。迷ったときや困難に当たった時など、折を見てまた再読したいと思います。
戦わずし勝つのが最良。
まずは勝つのではなく『不敗』を維持することを目指す。
敵の最も重視しているところを奪う。
自分の生死や国の存否がかかる戦争では、周到な準備をするのが当たり前。
自分は相手を意のままにできるが、自分は相手から自由にされないことが主導権の要諦。先手を取ることが主導権に結び付けられる場合、極めて勝負は有利に進められる。
どんな部下に対してもまずは温情や愛情をかける。それが組織統制の優先事項になる。
あるレベルで固執してしまっている何かを捨てることで、一つ上のレベルにおいて新たな可能性が開けてくる。
約束は控えめに。実行はたっぷりと。