見出し画像

古典文法の解説/打消推量・打消意志の助動詞「じ」

打消推量・打消意志の助動詞「じ」

動詞の未然形に接続します。

それぞれ、

打消推量「じ」:~ないだろう
打消意志「じ」:~しないつもりだ

と訳します。

用例として、百人一首では、


─────────

☆打消推量

42 清原元輔


契りきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 浪越さとは

5句:浪越さじ
   サ行四段活用
    「越す」の未然形
    +打ち消し推量「じ」

   (浪が越さないだろう)


51 藤原実方朝臣


4句:さしもしら


62 清少納言


夜をこめて 鳥の空音は
 はかるとも
 世に逢坂の 関はゆるさじ


5句:ゆるさじ
サ行四段活用
  「許す」の未然形
   +打ち消し推量「じ」

 (許さないだろう)



☆打消意志

054 儀同三司母


忘れの 行末までは かたければ
今日を限りの 命ともがな

1句:忘れじ
   ラ行下二段活用
   「忘る」の未然形
    +打ち消し意思「じ」

   (忘れないつもりだ)



072 祐子内親王家紀伊


音にきく 高師の浜の
あだ波は
かけや袖の
濡れもこそすれ

4句:かけじ
   カ行四段活用
    「かく」の未然形
    +打ち消し意思「じ」

   (かけないつもりだ)



Please return to…
─────────


いいなと思ったら応援しよう!