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お豆腐屋さんのラッパ
社宅のアパートに住んでいる時、朝と夕方に「お豆腐屋さん」のおばちゃんが来ていました。自転車の荷台に、大きな箱を備え付け、豆腐屋のあのラッパを吹きながらやって来ていました。
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“トーフー、トーフー”
とラッパの音が聞こえると、アパートのベランダや玄関から、みんな大きな声で、
「お豆腐屋さーん」と呼び止めます。
階段を降りてからだと間に合わないからです。
そこで、自宅から下の通りにいる「お豆腐屋さん」に大きな声で叫ぶ事になるのです。
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当時は、昭和あるあるで、鍋や、タッパーを持って豆腐を買いに行きます。
今のように、プラのピッタリケース入りなど無くて、水を張った箱に四角い豆腐がゆらゆら入っていたのです。
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この「お豆腐屋さん」は、絹ごし、木綿はもちろん、箱の上の部分にお揚げ、厚揚げ、焼き豆腐と色々揃えていました。
しかし、お揚げ、厚揚げ、焼き豆腐は数が少なくすぐ売り切れてしまいます。
それで、予約を入れたりするのでした。
すると、朝予約すると、夕方に持ってきてくれたりしていました。
そういうシステムでした。
お豆腐の購入が多い時は、近所のおばちゃんから、
「あら、今夜は湯豆腐なのね!」と
夕ご飯がバレバレで、ちょっと恥ずかしい思いもしました。
なのに、母は三階の我が家から下の道の「お豆腐屋さん」に向かって、
「夕方、焼き豆腐、一丁持ってきてねーーー❗️」と、近所に筒抜けの大声で注文するのでした。
すると、近所のおばちゃんに、
「今日は、すき焼きなんだねー❗️
良いねー❗️」と必ず言われるのでした。
社宅のアパートでは、個人情報なんて、筒抜けでした💦
もしかしたら、母は
『今日は、すき焼きよ❗️』アピールをわざとしていたのかもしれません💦
社宅なんて、大体どこも収入は、同じくらいです。
見栄を張っても、しれた事。
そう考えると、なおの事恥ずかしくて顔が赤くなりそうでした。
そうして、社宅に「お豆腐屋さん」がやって来ていました。
焼き豆腐を持って‼️