1930年代の世界
父が生まれたのは1930年(昭和5年)です。
その時代、日本はどうだったのか。
父が小さい頃の話は、少しは聞いていましたが
なかなか想像できない時代でした。
そしてある時巡り会ったのが
「小さいおうち」の本です。
中島京子さんの小説です。
私より若い、中島さんが良くあの時代を表現している事にびっくりさせられました。
本を読んだその後の2014年、監督・山田洋次、主演・松たか子により映画化されました。
出演した黒木華は第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞したのでかなり有名な映画だと思います。
「小さいおうち」で、昭和初期の世界がよくわかるのです。本を読んでいても解るのですが、
さすが、山田洋次監督、その世界観や時代背景、小物の一つ一つに至るまで、よく表現できていて、感心しました。
2つの戦争に挟まれた時代で、第二次世界大戦がイメージする、貧しくて、食べるものも無く、“欲しがりません、勝つまでは!”の世界しか考えられなかったのに、昭和初期(大正時代)は、みんな裕福に生活していたのです。
もちろん、全ての人ではありません。
「小さいおうち」でもあったように、田舎から都会に、お手伝いさんや、丁稚として、学校も行く事なく仕事をしていた人たちもいたのは確かです。
「小さいおうち」の映画を観ると、その時代を私も体感しているようで、物悲しさも相まって
キュンとするのです。
好きな映画です。
父は、東京、新宿生まれで、祖父は、「特許庁」に勤めていたし、「大分県民寮」の寮長もしていたので、裕福な方だったと思います。
使用人もいたようでした。
祖母から、良くその頃の楽しかった生活の話を聞いていたので、多分そのせいで、この時代に興味があるのだと思います。
今でも、東京の伊勢丹や三越、高島屋は、古い時代の良いところを残していて、ワクワクします。
デパートに、ハイヤーに乗って行った事や、その当時のデパートで売り出していた物など聞いたりしていました。
きっと、父は、デパートで「お子様ランチ」を食べた事があったでしょう。
で、父と祖母はその時代を生きて幸せだったのか、、、それは、、、
絶対幸せだったと思います。
ただ、その後訪れる戦争が無ければ良かったでしょうね。
戦争が起きて何もかも無くなってしまう前の束の間のはかない時代です。