行方しれずのスタイリストバッグ
80年代、スタイリストが流行りました。
私は、スタイリスト流行りに乗っかってなった訳では無かったのですが、時代は流行っていました。
で、仕事をするのに、「スタイリストバッグ」というものをやはり、持っていました。
ドデカいナイロン素材のボストンバッグの事です。
今でも「スタイリストバッグ」って言うんですね。
仕事をするのにとにかく、荷物が多いんです。
仕事には、「ウエストポーチ」(これまた流行っていました。)
よく、テレビ局のADさんがガムテープを通してウエストに付けていますが、マジ、そんな感じで使っていました。
仕事を始めた頃は、お金もなくバイクで、現場入りをしていました。
で、ある日の朝、「スタイリストバッグ」を後ろの荷台に括り付け、仕事場に向かっていました。
ところが途中、後ろの荷物が消えていたのです。
バッグの中には今日の道具が全て入っています。無いと仕事になりません。
急いで、もと来た道を戻りながら探すもありません。
ドキドキ焦る気持ちを抑えながら、何度も何度も行ったり来たり、荷物が消えた辺りは1キロ程の距離だったのに無いのです。
現場に電話をと思って「ウエストポーチ」を探すと、、、、何とそれも「スタイリストバッグ」の中‼️
仕方なく近くの交番を探して、バッグが届いてないか聞きました。
が、残念ながら、届いていませんでした。
仕方なく「紛失届け」を書くことになりました。
警察官から、「何が入っていたのか書いてくださいね」と、紙を渡され、思い出す物を書いていきました。
サイフ、キャッシュカード、デジタルカメラ、
メイク道具、バスタオル、タオル、水着、、、
「⁉️水着❓」
書いていると、警察官が反応しました。
季節はまだ、寒い時期、何で水着?
そう、その日は温泉にモデルが入っての撮影だったのです。
興味津々の警察官の方に仕事の中身を説明しながら書きました。
それで、サイフも入っていたので携帯などない時代、スタッフに電話もかけられなかったので
交番の電話を借りて、
「今日はこんなんで行けなくなりました。」と連絡するも、怒られました💧
(撮影は、どうしたのでしょうね。思えば、知らないです💦)
警察官も、荷物が出て来たら連絡してくれる事でお願いして、カードは、止めるんですよと言われながら帰ることに、、、、
で、よく考えたら、そのバッグの中に『免許証』も入っていたのです!
その事を警察官に言ったら、、、
「気をつけて、帰って下さいね」と言われました。優しい警察官でした。
家に帰ると1時間もせずに電話がありました。
交番からだと思ったら、お年寄りの声で、
「オタクの荷物を持っています。落とされたのを見たので家に持って帰りました。カバンの中に名刺が入っていたので、連絡しました。」との事でした。
思い起こせば、落としたと思われる道では、小学生が登校していて、見守りのお年寄り達が、交通整理をしていたのです。
早速、免許証不携帯で、バイクに乗ってその方の家にバッグを取りに行きました。
とても人の良さそうなおじいさんが、荷物を持っていてくれていました。
お礼をと、サイフの中を見ると、その日に限って1万円程(いつもは3000円程しか持っていませんでした💦)入っていたのです。
仕方なく、千円お礼金を渡して帰りました。
交番にも帰りに寄って、荷物があった事を伝えると、良かったですねと言ってもらえました。
その日は仕事もキャンセルになり、スタッフに怒られ、お金にならず、お礼にと千円も出ていき、金銭的にも辛い日でしたが、幸いは、拾ったおじいさんが良い人で、荷物を戻してくれて助かった事です。
と、もっと考えれば、直ぐ、荷物を探しに戻ったのですから、拾ってもらったのはありがた迷惑の結果になってしまい、トホホの事件でした。
その事もあって、車の購入を考える事になりました。