初盆の支度
去年、母の初盆でした。
90歳まで生きた母には、妹の叔母しかもう身内はいませんでした。
子供も私一人ですから、寂しいものです。
親戚も、もう、どうなっているのか、、、
それで、提灯だけの小さな初盆でした。
父の初盆もコロナ禍だったので小さくしました。
祖母の頃の様な初盆はできませんでした。
祖母の時は、父も母も伯母も叔父もまだ健在でしたから、それなりに華やかな初盆でした。
大分市にはちょっと他方とは違う、初盆飾りがあります。
初盆にと、送られてくるのは、「籠盛」です。
それも、真ん中に、缶詰や、海苔、コーヒーなど、お中元の品の様なお供えものが入っています。
「御供」の熨斗を矢立に付けて飾り、矢立まで含めるとおよそ縦150cm×横100cmくらいのサイズです。
それとは別に、提灯も飾るのです。
送られてくる「籠盛」が多いとそれは華やかなお盆になります。
お盆が終わると、「籠盛」を解体して、来てくれた人達に分けるのです。
自分たちが好きな物を貰えたので、小さい頃は嬉しく思っていました。
普通だと思っていましたが、嫁入り先では、そういうものが無く、祖母の初盆で、母が大分の「籠盛」を送って不思議がられました。
大分といっても、母方の祖父の初盆では、天井から七夕の吹き流しの様な飾りに、クリスマスの時の電飾が付いてあるものが、叔父の里(大分県山香町)から送られて、ビックリしたものです。
仏壇の横の床間で、キラキラ光る電飾は、お坊さんのお経もリズムに乗って聞こえました。
嫁入り先で、大分と違って驚いたのは、「迎え団子」「送り団子」がある事です。
普通の白玉団子ですが、迎えと送りで形が違います。迎えは、普通の少し潰した丸ですが、送りは、少し伸ばしたドロップ型にします。
それをお盆が終わると川に流しに行くのです。
因みに、精霊馬のキュウリ馬とナス牛はあまり九州ではしないようです。
自分も見た事ありません。
小学生の頃、お盆に「長崎旅行」をした事があります。
『精霊流し』を見ました。
初盆に当たる方を偲んで、15日に、船に乗せ海に送り出すのです。
「さだまさし」さんの歌で有名になりましたよね。
夕暮れに、3mはあるであろう船に提灯が沢山
飾られ、街を練り歩きます。
何機もあり、最後には海に流されて行くのです。小さい船もありました。海の彼方に提灯の灯りが小さくなっていく景色は切なさを感じました。
地域によって、風習が違うのも面白いものです。