読書のお供に!好きなBooktuberの紹介
次に読む本との出会い方は年々多様化しているらしい。図書館や本屋で何気なく手に取った一冊を…というのは今も昔も変わらずあるようだけど、最近の、特に若年層の人たちにとっては、「ネットで見た」「SNSでおすすめされた」がかなり大きくなっているのではないでしょうか。とりわけ、英語圏を中心に爆発的に読者層を拡大させているラブロマンス/ファンタジー(romantasyというジャンル名が生まれたらしい)は、TikTokなどのSNSを介した口コミが流行に一役買っているとか。最近はどこの読書系SNS(?)でもromantasyの話を聞くので、ロマンスもファンタジーもさほど読まない私は ふーん、なんか流行ってんね…くらいに思っていたけど、先日ついにイギリスの大手出版社Penguin Booksからromantasyのおすすめ記事が出ているのを見かけて、あ、本当に覇権ジャンルなんだ…と思ったりした。
読書系のTikTokのコンテンツをBookTokと呼ぶらしいのですが、そのYoutube版がYoutuber + Book = Booktuberなのだとか。今回は、私が次の一冊を見つける時、また読書のお供として、よく見ているBooktuberたちのチャンネルを紹介します。
The Book Leo (Leonie Christel)
私がBooktuberを知ったきっかけにして、一番大好きなBooktuber。日常を切り取った読書Vlogや特定のジャンルを深掘りした解説動画が多い。まず編集が綺麗で見やすく、「Leonieが撮った映像はなんでもない日常が綺麗に見えるね」なんてコメントがよくついているのを見かける。本とともに過ごす日常を魅力的に、それでいて飾らずに写した様子が素晴らしく、これがLeonieの世界…!と言いたくなるほど。アムステルダム近郊の街に住んでいて、時々友達とオランダ語で会話している様子も見れたりする。私と同じMedical Biologyを専門としていて歳も近いということもあり、Leonieの価値観には共感するな〜と思うことが多い。
私のお気に入り動画は、ファンタジー作品に登場する妖精(fae)ってそもそも何?創作物の中でどう発展してきたの?という妖精の歴史を深掘りした動画。解説もいいけど、メイクとか服もフェアリーに寄せてて可愛い。Leonieは心からファンタジーを愛する大人なので、「ファンタジーは大人になったから卒業するものではない」「かわいい、ということは内容が浅いことを示す言葉ではない」などの名言を残している。こういう語り口がまた魅力的。
Christy Anne Jones
小説家兼BooktuberのChristyが運営するチャンネル。小説を書いたり本を読んだりするVlogを中心に投稿している。雰囲気の良いカフェや図書館で作業する動画が多く、リラックスしたい時におすすめ。最近、作品を投稿してエージェント(出版社に原稿を紹介する担当さんみたいなもの)がついたようで、近々小説が出版されるかも。めでたい!
オーストラリア在住で、最新の動画を見ていると季節が南半球だ〜と感じることが多くて嬉しい。日本で何年か英語教師をやっていた経歴があり、日本の文化やコンテンツにも詳しい。料理で普通に醤油とか使ってたりする。
*emmie* (Emma)
クラシックや翻訳小説などを多く読み、紹介するBooktuber。作品の面白さについてガッツリ語っている動画が多く、次に読む本を探すには最高のチャンネル。本の趣味がかなり私に近いので大変助かっている。Penguin Classicsの黒い表紙がずらっと並んだ本棚って、日本でいう岩波文庫棚みたいな夢と硬派さがある。
チャンネルを運営するEmmaは愛猫家で、カルシファーという名前の茶トラ猫と暮らしている。結構な確率で動画に猫ちゃんが映り込むので必見。最近新入りの猫ちゃんも増えたみたい。
Ariel Bisse
DIYガチ勢&読書家のArielが運営するチャンネル。自然豊かな田舎暮らしをしながら、ホームセンターで買った資材を使って家を改築し、理想の部屋を作る様子が映像になっている。どうぶつの森をリアルライフに落とし込んだらこんな感じかもしれない。Arielは、繰り返す挫折や途方のなさを乗り越えるのがDIYの極意だと語る。明るい話口調とか身振り手振りが好きで、ついつい観てしまう。DIY動画が多めだけれど、本の扱いとか話す内容とか、根っからの本の虫なんだなと感じることが多い。
私のお気に入りは、理想の読書コーナー(reading nook)を作る企画。なんとマグカップを置くためだけのミニテーブルまで仕込んである。読書家の夢みたいな空間も、Arielなら自作してしまうのだ…。
Booktuberの界隈もまだまだ発掘途中なので、これからまた好きなチャンネルが増えていくかも。Booktuberを見ていて嬉しいのは、自分と好きなジャンルが違っていても楽しく観れること。共有する話題以上に、その人個人の魅力がもっと観たいを思わせるからだろうか。