シェアハウス・ロック(or日録)0201
栄養について微細なところを知りたい
『毎日新聞』の朝刊に掲載される「すこやか」は、医学、栄養学などの最先端の研究者の方々が執筆する欄であり、私は毎回楽しみにしている。
だが新聞記事という制約はあり、掲載される内容は切れ切れではある。それでも、私の知らなかったことも多い。
さて、1月8日のそれは、「血糖値上昇 防ぐには」と題されたものだった。山田悟(北里研究所 糖尿病センター長)という方からの聞き書きである。
同記事では、「三角食べ」に疑問という箇所にまず目を引かれた。
「三角食べ」は、ようするにおかずと主食を交互に食べる(そのほうが体によいとされる)ことだが、これに対して、山田さんは「カーボラスト」を勧める。つまり、糖質を最後に、ということである。
この根拠として、山田さんは、まず、血糖値の急激な上昇を避けるべきだとし、「ミートファースト」「フィッシュファースト」にすると「グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)」が、「ファット(脂質)ファースト」にすると「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)」という消化管ホルモンの分泌量がそれぞれに増えることを挙げている。
ちなみに、この2つの総称が「インクレチン」であり、こっちならお聞きになったことがあるかもしれない。
だから、「なにを食べると体にいい」といったふうな雑な議論では、油脂も摂ったほうがいいということになる。もうひとつ、同様の雑な議論では、糖質に手をつけるのは、食べ始めてから20~30分を目安にしたほうがいいということである。
血糖値が高くなることはもちろん防がねばならないが、同様に激しく上下動することも避けなければならないと山田さんは言う。私の経験則では、ある速度で血糖値が下がっているときに空腹を、上っているときに満腹感を感じるような気がする。
「○○ファースト」中で、最も有名なのは「ベジファースト」であるが、山田さんがおっしゃるところは、もっとゆるく「カーボラスト」である。
私の朝食は、コーヒー、パン(+バター、ジャム)、ミルク、ヨーグルトであり、365日これだけだが、この記事を読んでからは、コーヒー、ヨーグルト、ミルクをある程度お腹に収めてからパンを食べるようにしている。
こういう実践レベルのことよりも、やはり私は、「グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)」「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)」という消化管ホルモンが働くメカニズムや、これらを総称して「インクレチン」という、といったことを知りたい。
つまり、ノウハウよりも、ホワイが知りたいのである。