パリピ度100%の謎集団にメルヘンの世界へ連行された話
メルヘンの世界と聞くとヨーロッパの街並みが思い浮かぶが、日本にもそんな世界が存在するらしい。
2019年の夏、留学から帰って間もない頃にそんなメルヘンの世界へ行こうとよくわからん集団に声をかけられ同行することになった。
メンバーは東大ボーイと慶應ボーイのラブラブカップル、森羅万象を司るイケメン元バスケ部、空飛ぶ天然天才理系女子、名家の生まれのグラマラス女王様……といった感じ。
文字にすると小学生の「ぼくのかんがえたさいきょうのパーティ」感が滲み出てきて恥ずかしくなってきた。
彼らは全員めちゃくちゃ大学生活をエンジョイしてる勢。いわゆるパリピと呼ばれる人種だ。一方で私は影でひっそりと生きているため性格的には完全に真反対。
さらに学年も東大慶應カップルは私のひとつ上、他の3人はひとつ下ということで、学年的にも私はふわふわと浮きまくりで居心地の悪さが飽和状態に達していた。とはいえ誘われた手前断るわけにも行かずしぶしぶ強制連行されるハメになった。
(パリピのイメージ)
所沢へ
まずは集合場所の所沢へ。普通の大学生が男女グループで旅行に行く際どのような服装を選ぶのか全く知らないのだが、私にはおしゃれするという概念が存在しないため完全バックパッカー装備で出向いた。
しかも今回はバックパックの上にシュラフをアドオンするというガチっぷり。たぶん世界中どこへでも行ける装備。しぶしぶ付いて行くという割にはノリノリすぎるかもしれない。
集合場所に着くなり、「あれ?白衣じゃないの?」と聞かれる。そういえば彼らと会うときはいつも白衣姿だったため、頭の中で白衣が私のアイデンティティとなっていたようである。
というか街中で白衣着てたら完全におかしい人。そもそも私も週3回くらいしか白衣着てない。
いざ出発
レンタカーを借り出発。近くのスーパーで買い出しを済ませる……はずだったが、品揃えが微妙に悪く何件かはしごすることに。
その後圏央道を経由して中央道へ。一気に山梨県に入る。須玉ICで降り、清里ラインと呼ばれる国道141号線を北上。
途中の八ヶ岳高原大橋で一旦車を降りる。
うわ……めちゃくちゃ高い。
霧がかかって幻想的な雰囲気。
もっと遅い時期だと紅葉でかなりキレイな景色が広がるそうなのだが今回は緑一色。
この橋では飛び降り自殺が何件か発生したらしく、幽霊がいるかも!と少しわくわくしたがさすがに真っ昼間からはいなかった。車も6人乗りで満席のため勝手に付いて来ることもなさそうだ。
八ヶ岳高原と呼ばれるだけあってこのあたりの標高はかなり高く、国境を超えて長野県に入った付近にはJR鉄道最高地点も存在する。
さらに天気がバリバリの曇りのため夏とは思えない気温の低さとなった。真夏の格好だとかなり辛いかもしれない。
このあたりは1年前の5月に徹夜明けでハイキングするという苦行をしたのだが、その時の方が普通に暑かった気がする。標高が高くなると季節的な要因以上に天気による気温の差が大きくなるわけだ。
松原湖に到着
今回宿泊するのはこちらのキャンプ場のバンガロー。バーベキュー用品のレンタルなども行っているらしい。
6人用で外観はこんな感じ。バンガローはいくつかあるのだが、我々以外の利用者はソロプレイヤーのおじさんが1人いるだけでかなり静かな環境だった。
近くを流れる大月川の上流へ向かう。途中シカが農作物を荒らしているのを発見。なんてやつだ。
かなり奥の方に到着。
そして持ってきたスイカを川にドボン。全力で冷やす。
その辺に落ちていた枝を持ってきて……
そいやあ!バキィ!
枝は真っ二つになったが仕事は果たした。後はナイフでゴリゴリと切り分ける。スイカを買ったのは普通に地元のスーパーだが、大自然の中で食べるというだけで美味しさ倍増。
その後キャンプ場へ戻りバーベキュー。燃やせ燃やせ。
マシュマロも焼く……が、私はマシュマロ焼きが絶望的に下手で毎回着火する。なんでだろう。
花火で遊んだのも久しぶりかもしれない。
その後近くの温泉へ。残念ながらキャンプ場に併設している温泉は時間的に営業終了していた。
ちなみに私は入浴後は体が機能停止する体質のため、就寝直前以外は温泉に入れない。どういうわけか日本人は温泉ラブな人が異様に多く、旅に出るとやたら温泉に入りたがるため自分だけ回避するのに毎回苦労している。とはいえ今回は完全に夜中のため体も安心して疲労していった。
そんなわけでこの後の記憶はあまりはっきりと覚えていないのだが、なぜか人生ゲームに熱中していたらしい。
ちなみにバンガローの中はこんな感じ。フローリングは少し硬めのため毛布をレンタルするかシュラフなどを持参する必要があるが、私以外は気合の雑魚寝で乗り切っていた。
そんなわけで私だけシュラフに潜り込み、ミノムシの気分を味わいながら睡眠モードに移行。ぐっすり。
。
。。
。。。
。。。。
「はぁ、はぁ」
なんと突然隣から吐息が!!
何事かと思い恐る恐る横を見ると、なんとリケジョと女王様が筋トレをしている謎すぎる光景が広がっていた。疲れすぎてよくわからん夢を見てしまったと思いスルー……が、後から聞くと現実だったらしい。最近筋トレが流行ってるだとか。もしかして某アニメの影響だろうか。
ところでここまでメルヘン要素が皆無で不安になってきたが、2日目にようやく登場するらしい。
翌日
毎度の如く、早朝に一人だけ目を覚まし散歩に出かける。
……が、完全に森の中のため徒歩で行ける範囲に何か面白いものがあるはずもない。
そんなわけで、よくわからんきのこを眺めてニヤニヤするだけで終わってしまった。
移動開始
バンガローを後にし、まずは白駒池へ。
駐車場に車を停め徒歩で森の中へ入っていく。
これは……!
苔だらけ!もののけ姫感がすごい。ひょっこりこだまが出てきてもおかしくない。
しかも苔の種類も大量にあるらしい。しかしながら知識がないため全部同じに見える。残念無念。
道に沿って登っていくと……
白駒池!
大きさ的には池というよりも湖。
前日からの疲れもあり他のメンバーは山荘で少し休憩。私は勝手に一人で池の周りを一周していた。
道は整備されているものの所々狭かったり滑りやすかったりするため注意。
その後駐車場で合流。車に乗って先へ進む。八ヶ岳を横断するこの道はメルヘン街道と呼ばれている。正直メルヘン感はあまりないのだが、景色はかなり良い。
ちなみにメルヘン街道は国道299号線の一部区間の名称となっている。実質的に埼玉県民の私としては、299といえば飯能や秩父に行く際にいつの間にか463から切り替わっている道というイメージ。秩父の先延々と長野まで続いているというのはビックリである。
八ヶ岳を越えた後、ビーナスラインと呼ばれる道を走り白樺湖で昼食。
その後もビーナスラインを進み途中で展望台へ。
これはすごい景色!
アニメのOPとかEDで出てきそうな感じ。
丘の上に広がる草原って異国風情があっていいなあ。
その一方で遠くには富士山も見えるという。というかそもそも展望台の名前が霧ヶ峰富士見台だった。
その後は諏訪市の方へ下っていき、中央道で東京へ帰った。
おわりに
そんなこんなで、最初の期待値があまり大きくなかったこともあり予想以上に楽しむことができた。
私は海にサクッと行ける環境にはいないため(東京湾は海とは言わない)、海に謎の憧れがあり海か山かでいくと断然海派なのだが、今回山の良さも再認識させられる旅となった。
正直メルヘン感は不足気味だったが、景色は幻想的で大満足。機会があればまた行きたい。
……といったところで今回はここまで。
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