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たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
西口一希さんの
たった一人の分析から事業は成長する
実践 顧客起点マーケティングを読みました。
専門用語もたくさんあり、読むのにとても時間がかかりましたが
時間をかけて読むことに、価値がある本だなと感じました!!
マーケティング中級程度とレビューなどに書いてあり、
少しビビりながらも購入しました・・・
案の定、難しかったですが、頑張って読みました(笑)
筆者は
デジタルサービスのベンチャー企業である
スマートニュースに参画
それまで
P&Gジャパンで16年、ロート製薬で8年、ロクシタンで3年、
物理的な製品を顧客に販売。
50代を目前にデジタルベンチャーに挑戦。
この数年、
スマートフォンの浸透による若年層を中心としたライフスタイルや価値観の変化は凄まじい。
これまで続いていた物理的な世界とは別に、多くの人が常時ネットに接続し、ネットの世界で長時間過ごすようになった。
物理的な旧来のリアル世界と、
スマホで繋がるリアル世界で、
パラレルワールドを構成している。
スマートニュースでは、
筆者の過去27年に、
実務家として実行した累計800億円を超えるマーケティング投資経験から確立した「顧客ピラミッド(5セグマップ)」と「9セグマップ」という顧客分析のフレームワークを活用。
同時に、一人ひとりの顧客に焦点を当てる
「N1分析」。
過去に
売上げ拡大や過去最高の売上と利益を達成したりなどしたそうですが
失敗も多くあったそうです。
さまざまな成功と失敗を踏まえて、この本で紹介する考え方やフレームワークにたどり着いたとのことです。
●N1分析
●プロダクトアイデアとミュニケーションアイデア
●5セグマップ
●9セグマップ
●オンオフ統合マーケティング
何度も書かれており、僕が大事だと思った言葉です。
これらの順番で話していきます。
「Consumer is Boss」
この言葉で、低迷していた会社だったが、V字回復した。
「顧客は誰なのか?」
「顧客にとってどんな意味があるのか?」
→
どの部門の誰が決定権を持つのか、
本社はどう言っているのかという声は無くなり、
目の前の顧客に意識を向けるようになった。
その後、様々な組織改革も実行されたが、
複雑な組織とプロセスに縛られていた社員の思考と行動を変えたのは、
「Consumer is Boss」という価値の提示と、
その実践だけ。
「どうすれば、事業が拡大しても顧客から離れずにいられるのか」
「経営とマーケティングが常に密接に顧客に向き合うためにはどうすべきか」
「顧客ピラミッド」や「9セグマップ」の概念はとてもシンプル。
常に顧客に向き合い、その意識をマーケティングに活かしていくことは、
すなわち顧客がリーダーシップを執っていることになる。
筆者がマーケティングにおいて最も大切にしているのは、
1人の名前を持つ具体的な顧客、N=1を徹底的に理解すること。
名前の見えない複数の誰かではなく、
実在する1人のお客様に会って、
ブランドと初めての出会いからこれまでの経験に丁寧に耳を傾ければ、
購買行動とその行動を左右する深層心理の関係が有機的に繋がる。
その深い理解と共感を通じて、ビジネスを成長させる「アイデア」が必ず見つかる。
タイトル「顧客起点マーケティング」には、
その考えをこめている。
●N1分析
たった一人の顧客の意見を聞くことを「N1分析」
顧客起点とは一人ひとりを見ること
購買行動の背景には、必ず何らかのきっかけがあり、それは行動を追うだけではわからない。
一人を分析する「N1分析」で重要なのは、購買行動を左右している根本的な理由を見つけること。
購買行動に直結している理由とは、
その顧客が「購入しているブランドが自分にとって特別な便益をもたらしてくれる」と心理的に認識するに至ったきっかけ。
何らかのコミュニケーションや体験を通じて、
そのブランド独自の魅力的な便益を認識して初めて購入した、
つまり顧客化したときの重要なきっかけ、
さらにロイヤル化した重要なきっかけ
が何だったのかをN1分析で見つける。
●プロダクトアイデアとコミュニケーションアイデア
N1分析を通して見つかる、人の心を動かせる商品・サービスの魅力や訴求を「アイデア」と表す。
①プロダクトアイデア
対象顧客に対して、商品やサービスそのものに独自の機能や特徴があり、
かつ具体的な便益があること。
ex)iPhone、宿泊サービスAirbnb、移動向け配車サービスUber、ロート製薬の「肌ラボ」、スマートニュース
これらは、「独自性=便益」
②コミュニケーションアイデア
これは「プロダクトアイデア」を
対象顧客に伝え、
購買行動を起こしてもらうためのコミュニケーション自体の「アイデア」を意味する。
コミュニケーションも、独自性と便益との組み合わせで成り立っている。
コミュニケーションの独自性とは、
広告やリアルイベント、キャンペーンの仕組みなどにおけるクリエイティブの独自性を指す。
ex)広告を取り上げると、
そこで使用される言葉、ビジュアル、映像、ドラマ、ストーリー、タレントなどに既視感のない独自性があるかどうか
コミュニケーションの便益とは、
広告を受け止める対象顧客が具体的な便益を受け取れることを意味する。
ex)広告に接触すること自体が楽しい、面白い、心地よいと言ったプラス要素をもたらすか。
最も重要な、便益と繋がる独自性を維持するために。「プロダクトアイデア」をアップグレードしながら「コミュニケーションアイデア」でコモディティ化を避け、いかに追随商品やサービスに対する「プロダクトアイデアを」強化していくか。
●5セグマップ
ロイヤル顧客
一般顧客
離反顧客
認知・未購買顧客
未認知顧客にわける。
これらは、
認知、購買、頻度を聞くことで分けることが出来る。
・そのブランドを知っているかどうか(認知)
・これまでに買ったことがあるか(購買)
・どれぐらいの頻度で購買しているか(頻度)
「どの顧客セグメントをターゲットとするか」
「何を目的に投資すべきか」
「いつまでに何を達成すべきか」
という5つの顧客セグメントごとの戦略の議論が可能になる。
また、行動データと心理データによって分けることによってさらにわかりやすくなる。
●9セグマップ
自社ブランドのロイヤル顧客層対象に、
次回の購買意向の調査をすると、自社ブランドを選ばない顧客が存在することがわかる。
3つの質問項目(認知/購買/頻度)に
・このカテゴリーにおいて、次も購入/使用したいブランドは、以下のうちどれか
*単なる「好き」や「嫌い」といった曖昧な評価ではなく、次回購入や使用の本人の「意志」
そうすることによって次回購買することに対して、
積極的なのか、消極的なのかに
顧客を分けることが出来る。
●オンオフ統合マーケティング**
オンラインとオフラインすべてを活用するのがアプリビジネスの統合マーケティング。
マーケティング最適化のほとんどが自動化されつつある。
N1分析でしか把握できない顧客の心理状態など、デジタルで繋がっていないオフライン領域は、まだ自動化に時間はかかる。
しかし、IOTで世の中のモノが繋がり、
ウェアラブル機器のような人体のデジタル接続技術が繋がれば、
心理状態の分析も一定の自動化ができるようになる。
長期かつ継続的な利益最大化を目的として、
総顧客数の増加とロイヤル化を達成するために、
新規顧客の獲得、既存顧客のロイヤル化、離反顧客数の減少、離反顧客の復帰に関して
短中長期で優先順位を設定して活動すること。
この実行のためにAARRR(アー)モデルがあるのだが、
ここにブランド認知、ブランド選好の向上を加えて、投資効果を最大化するために
オンラインとオフラインすべてを活用する。
●最後に
名前のある一人の顧客(N1)を大切にし、
セグメント(5セグマップ・9セグマップ)ごとに分け、
どこをターゲットにするのか。
むやみやたらに投資するべきではなく、(プロダクトアイデア・コミュニケーションアイデア)
正しく、分析、検証、実行していくことが大事なんじゃないかと思いました。
オンラインとオフラインの両方を大切にしていく会社が、
この先残っていくと感じました!
この本を読むことによって、かなり顧客について考えさせられます。
方法論というよりかは、どこまで寄り添えるかといった本なので是非気になった方は読んでみてください(#^.^#)