プロ弁護士の心理戦で人を動かす35の方法 感想
Audible版『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法 』 | 石井 琢磨 | Audible.co.jp
はじめに
プロ弁護士が如何に戦略的=余計ないざこざを起こさずに心理戦を制すか解説した本。
心理戦=対人関係をコントロールすることになる。
営業やカウンセラーなど対人関係をコントロールする必要性がある職業などで特に役に立つ本。
もちろん、日常における人間関係、特に恋愛などにも本書で解説された物事を置き換えることで応用可能。
全体的に丁寧な解説かつ、論理的、感情的にも受け入れやすい文章で語ってくれるので、特に難しいことを学んでいるという感覚なしで、心理戦の駆け引きを学べる。
特に本書で綴られた、
感情に対処
論理的に語る
感情に対処
というコミュニケーションのステップはシンプルだが、人間の認知機能的に非常に納得できる。
例:いきなり理屈だけ語っても相手は”主張を押し付けられている”様に感じる。
感情的に納得できないと、正論でも聴く耳を持ってもらえるとは限らない。
なのでまず最初に、相手に「自分は相手の味方だ、だから私の話を聞く価値がある」
と感情的に納得してもらうと話がスムーズ。
例えば相手に好意を持ってもらうことは相手に親近感=味方だと感じさせることになる。
本書では弁護士ならではの道具として、六法全書を顧客の前で敢えて使用するという方法で相手に親近感を抱かせている。
なぜ六法全書が重要なのか?
それはスマホなどで法律を検索して、スマホの画面を見せながら顧客に法律の説明をしても、あまり弁護士っぽくない=プロっぽく見えないからである。
そこで弁護士=六法全書というバイアスを利用し、実物の六法全書の中から、便箋されたページ、色塗りされた法律用語などをちらつかせ(真面目な弁護士をアピール)、
今、目の前の顧客の為に”たくさん勉強した法律のプロが一生懸命あなたの役に立とうとしてますよ”と演出するのだ。
人は、特に日本人は例え合理的でも手抜きをしているように見える人より、自分の為に努力しているように”見える”人の方に好意を持ちやすい。
上記の例から想像できるように、
如何に真剣な表情をした弁護士がスマホポチポチして法律について語っても、六法全書をわざわざ目の前で広げて顧客に解説する弁護士には表面的な信頼感という点で劣る。
つまり、スマホ弁護士では真面目に顧客に向き合っていると思ってもらえるかは微妙になる。
このように本書では如何にして対人関係をスムーズにするかが多種多様な方法から語られている。
まとめ
本書を読むと対人関係を円滑にする方法が学べる