じろう JIROU

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最近の記事

谷川俊太郎の死を受けての散文

谷川俊太郎さんが亡くなった 紛れもなく現代詩人の代表的存在であるし 詩人を生業に出来た稀有な人 彼の仕事には常に詩がまとわりついていたように思いを馳せる 自分も詩をちゃんと書き始めた頃 良くも悪くも影響を受けた 良かった点は詩という表現の幅広さを知れたこと 悪かった点はその幅広い表現を自分も出来ると思ったこと 全てではないけれど その多くが劣化した模倣になってしまった ただその模索も迷走も  落葉が土になるように糧にはなったと信じる 20年以上前 大

    • ファンと言うほどでもない自分が松本人志の取り下げ報道/コメントに思うこと

      ダウンタウンの松ちゃんの件、以前から思っていたこと含めて自分の考えをまとめたいと思っていたのでここで書きます。 ※少し長文になります。 まず現状の報道や双方のコメントから擁護派・批判派がSNS上で勝った敗けた痛み分けだと書いたりメディアも騒いでいるけれど、正直今出ている情報をどちらも拡大解釈し過ぎているような、この情報だけで判断するのは早計に感じる。 先に自分のスタンスを述べると、僕はどちらかというと擁護派です。 もちろん最初に全く何も無かったことにしようとした吉本の対応

      • 【漫画】次にくるマンガ大賞 2024 極私的推薦作品

        次にくるマンガ大賞 2024(https://tsugimanga.jp/)、6/8(月)で投票締切なので少し自分が投票した漫画をプッシュ。 【コミックス部門】第3位 劇光仮面 主人公の並々ならぬ姿勢に最初どう進んでいくのか分からないのにグイグイ読まされた。 4巻で大きな物語展開を迎えたときは熱くなった。 虚構が現実に現れるという展開は他作にもあるけれど正に魅せ方なんだなと唸ったもの。 個人的に好きなのはこの主人公が時折努めて社交的に振る舞うとき。 ストイックながら凄く

        • シン・エヴァンゲリオン劇場版:||感想~自分にとってエヴァは"特別"になったのか~※ネタバレ有り

          ※エヴァに付いては自分より遥かに博識な方がいるので、先に予防線(というか言い訳)を。 ①現時点で私はほぼTVアニメ版・旧劇場版(以下本文ではまとめる際は旧作と表現します)及び新劇場版を観た範囲の知識しかありません。 ③その他書籍等で明かされている公式設定や専門用語の詳細、庵野監督のエヴァに関する発言も殆ど知りません。 ③貞本先生の漫画版エヴァも未読です。 そのため、理解を誤っている点も多々あるかも知れませんが何卒ご了承ください。 第零章 前書き~自分語り~noteでエヴ

          2020年完結漫画個人的ベスト5(※2020年内に最終巻が出た漫画から)

          5位 最後の遊覧船(全2巻)/すぎむらしんいち 「漫勉neo」で取り上げられて気になり購入。 これまですぎむらしんいち作品をそんなに熱心に追っていたわけではないけど、絵柄・ストーリーともに外連味の高い印象を抱いていた。 でも本作は絵柄は若干マイルドになりつつ(ここまで分かり易い美男美女が中心に話が回る印象もあまりなかった)、後半の予測不可能な、無軌道さすら感じる独特な外連味は残しつつも2巻の短さで1本の映画のように物語が凝縮していて、余韻もたまらない。 これは実写映画かも

          2020年完結漫画個人的ベスト5(※2020年内に最終巻が出た漫画から)

          [映画]『ミッドナイトスワン』役者・草彅 剛の代表作に確実に数えられる一作

          先日映画『ミッドナイトスワン』を観たがっていた母と鑑賞。 観たあとにジワジワと1人考え込みたくなる作品。 新人2人の染まっていない透明な演技や周りのキャストの演技も映画の骨格を豊かにしてくれたけど、やはり草彅 剛が圧巻というか、観ている間、自然に凪沙という人物がそこにいるというぐらいに溶け込んでいて。 これは紛れもなく役者としての代表作のひとつになる。天賦の才。 後半の展開には賛否もあるようで、自分も監督は描きたい場面が先行し過ぎているようなきらいは感じたものの、それで

          [映画]『ミッドナイトスワン』役者・草彅 剛の代表作に確実に数えられる一作

          『恋愛ラボ』完結 正に大団円!それぞれの成長が眩しい

          宮原るり先生『恋愛ラボ』最終15巻、かれこれ10年ほど連載追っていた身としては感慨深くて、コレは最高の状態で読まなければと1巻から読み直した。 最初は以前の巻はさらっと読もうと思ったけど、何度と読んで笑ったりニヤニヤしたところが改めて読んでもまた面白くて、ついじっくり読みふけってしまった。 そして最終刊、もうリコ・マキ・エノの恋は完全に両片思い状態だったのでそこは一波乱ありつつも最高の形で大団円。これは1巻から順を追うと本当によくぞここまでと感慨深くなるのでオススメ。

          『恋愛ラボ』完結 正に大団円!それぞれの成長が眩しい

          『九龍ジェネリックロマンス』1巻 九龍への並々ならぬこだわりを背景に見た

          『九龍ジェネリックロマンス』1巻、眉月じゅん先生は前作『恋は雨上がりのように』もそうだけど、とにかくヒロインに圧倒的な絵力というか一際眩しく光を放っているような「華」がある。思わず雑誌の中でも手を止めてしまう力。 そんなヒロインに目を奪われてしまいがちだけど、今作は今はなき香港スラム街・九龍城砦が舞台のモチーフになっており、とにかく背景のこだわりが凄い。 少なくともこの1巻時点、1コマ1コマを目で追って欲しい。小さなコマでもきっちり背景や看板の文字が描き込まれている。

          『九龍ジェネリックロマンス』1巻 九龍への並々ならぬこだわりを背景に見た

          『イエスタデイをうたって afterword』とアニメについて

          『イエスタデイをうたって afterword』読了。 約半分は以前発売された短編集『イエスタデイをうたってEX』からの再録なのでその点は少し残念だけど、収録された特別編が個人的には本編の最終回よりも最終回ぽいというか、少し特別なその後の日常という感じで好き。 あ〜本当に終わったんだなあって。 もう一つ初収録の読切『夏の姉』も面白かったので、再録多めでも買って良かった。 今放送中のアニメ版も凄く原作の雰囲気が出てて良い。声のイメージも合っている。 改めてハルちゃん可愛いな

          『イエスタデイをうたって afterword』とアニメについて

          「志村けんのだいじょうぶだぁ」在りし日のマーシーが面白かったことを思い出す

          現在公式YouTubeで配信されている「志村けんのだいじょうぶだぁ」を見ると田代まさしが殆どのコントに出ていて、確かに全盛期とも言える時代の志村けんのコントを語る上でマーシーは欠かせない存在だなぁと。 懐かしさとともに志村けんとの相性の抜群さを再認識。 そのあまりの名バイプレイヤーぶりに思わず「ドラッグに手を染めなかった世界線」のマーシーを想像してしまったほど。 マーシー全盛時を知らない10代にも見てほしい。 ウンジャラゲ体操は幼少時好きだったなぁ。 ホント下らないんだけ

          「志村けんのだいじょうぶだぁ」在りし日のマーシーが面白かったことを思い出す

          [映画]『アラジン』ナオミ・スコットの歌声に打たれる

          映画「アラジン」(実写版)、とにかくヒロイン・ジャスミン演じるナオミ・スコットの歌声が出色。これは是非字幕版で観ていただきたい。 名曲「A Whole New World」のデュエットも素晴らしい。 ※こちらはアニメ版 https://www.youtube.com/watch?v=EXTLJmYsaUQ アニメの記憶はおぼろげながら大筋は覚えていた。 以下、少しネタバレ(と言っても大体の人は知っているストーリーだけど)。 後半、ランプを奪われた状態で狡猾な敵に立ち

          [映画]『アラジン』ナオミ・スコットの歌声に打たれる

          [映画]『プロメア』清々しいまでに燃え尽きる大傑作

          大傑作。 TRIGGER作品の良い所を煮詰めて煮詰めて、濃縮還元して一本の映画にしたような清々しいまでに燃え尽きる作品。 主人公のガロはあの見た目で予想していたとおり性格はまんまグレンラガンのカミナで、カミナが平行世界で生きているような気になってウルっときた。 声優陣は役者と本職の混合だったけど、役者も上手い方たちで全然問題なし。特に松山ケンイチと堺雅人は素晴らしくキャラに合っていた。 またとにかく画面の動きが何とも躍動感に溢れて気持ちいいんだ。それが初っ端から出し惜

          [映画]『プロメア』清々しいまでに燃え尽きる大傑作

          [映画]『海獣の子供』理屈じゃない凄味(原作既読済)

          映画「海獣の子供」、原作全5巻を再読した上で鑑賞。 分かり易い面白さを求めている方にはオススメ出来ないけど、理屈じゃない凄味のある作品。よくこれをアニメ化したなと。 アニメーション向きとは思えない五十嵐大介先生の絵柄のタッチはそのままに、絵がついて動いている様に序盤はただ感動。予告編観た段階でこの絵を動かすなんて正気の沙汰じゃないと思っていたので。 観終わった後に受けた印象としては、これまで観た映画では「2001年宇宙の旅」が一番近いかな。 以下ややネタバレ。 内容

          [映画]『海獣の子供』理屈じゃない凄味(原作既読済)