
ほんのわずかな庭さきで生産される有機物はいったいどれくらいあるのだろう
はじめに
住まなくなったもとの家を学習サポートの教室としてつかう。週に3回街から出向く。早朝は車のうごきはスムーズで20分ほど。朝もやのたちこめる乳白色の海のようすを目の端に感じながらけさもおとずれた。まずは庭掃除。2日前の草刈りで乾燥してちりじりのごく軽い草をほうきで掃く。
これらをあつめて庭の一画に集めると半年もたたず分解してしまう。土壌の微生物のちから。20数年にわたりおなじ作業をくりかえし、庭さきの土の差し引き勘定はどうなったのだろう。
きょうはそんな話。
庭土とは
家をたてるまえはもとは田んぼでずいぶん低い土地だった。かさをあげて数年放置して家を建てた。上に入れたのはやせた土。しばらくのあいだほとんど雑草すら生えてこなかった。翌年もそうで靴についた種に由来するのだろうか。ほぼ生えてこなかった。
家を建てて10年ほどは見つければ手で抜く程度でなんとかなった。そののちちょっと油断したあいだに、うっそうと茂る雑草におおわれてしまった。入手した苗木の根もとにまぎれこんでいたにちがいない。
いまや草刈りが恒例となる。そして刈りとられて土に還っていく。
差引勘定
いつもは抜いたり刈ったりした芝や草は片隅に放置、剪定枝は指定されたゴミステーションへ。刈りとった分だけは庭に還す。しばらく前まではこうした葉や刈りとった草は乾燥させたのちにたき火していた。
植物は燃やすとごくわずかな灰にすぎないとわかる。ほんとうにほんのちょっと。灰が冷めると庭へと還す。投入した肥料のほうが圧倒的に多い。出ていくぶんと入れるぶん。おそらく肥料の大部分は地中にしみこみ流亡するにちがいない。
土とは
庭の土は以前よりすこしは微生物や細菌などがふえたにちがいない。もともと雑草すら生えない状態から20数年、さまざまな植物が育ち、鳥などの動物が訪れ、微生物がはいってきたにちがいない。
「土壌」とよぶにふさわしいものに一部はなりつつある。ほぼ真っ黒の状態。このうち何割かは微生物の群衆。庭先だけでどれだけの微生物がいるのだろう。想像すると刈りとった草がまたたくまに消えてしまう理由も納得できる。
おわりに
このままヒトが寄りつかないとどうなるのだろう。すぐそばの山すその土地のようになるのだろうか。茂る植物は病気などちょっと見ただけでは見られずに健全にたもたれているかのよう。
長年のあいだに均衡が保たれるのかもしれない。安定した状態に達するまでいったいどのくらかかるのだろう。気が遠くなるようでわたしによる管理をはるかにこえた年月の話かもしれない。
こちらの記事もどうぞ
広告