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鮮度のいい葉物やさいがずらりとならぶ販売所での生鮮やさいの価格についてかんがえた


はじめに

 このところ販売所でよくやさいを買う。とくに鮮度のいい葉物やさいの種類と量が豊富で安く出まわりはじめた。そして年末にむけて値がついてくる。

年の暮れがちかづくとふたたび高くなるやさいたち。そのまえのほんのわずかな期間ですかさず入手。そう、ふだんよりもやさいを摂る量があきらかに多い。

でも一方で、わかい生産者も支えたい。そこで生産者の方につたえたい。販売所での価格をやすくつけすぎないでほしい。その理由について。

道の駅で

 通勤の帰りや家族の病院の送迎時に道の駅に寄る。地元のやさいがずらりとならぶ。たまたまわたしの住む地域にいくつかあり、やさいをつくっていたころはいずれにも搬入。農業をやめて以降は買う立場に。ちかごろは秋まきのやさいがふんだんにある。白菜のサイズが店にいくたびに大きくなる。

午前中に店にむかうとおどろくほどやさいの量が多い。文字どおり山づみ。しかもやすい。鮮度がいいのでもっと値をつけても売れそうだけど。つくる側になったり買う立場になったりわたしもいそがしい。そう思いつつかごにいれる。

つくる側にいたころを思い起こす。消費者の方々によりよい状態で渡したい一心。畑からそうっとやさいを収穫し、赤子のように運ぶ。きれいにあらい乾かしてふくろづめ。

この作業を早朝(あるいは前日)から念をいれておこない、ラベルや値札つけ。そして箱づめ、運搬。ぜ~んぶじぶんでやってあのねだん。ピーマン、トマト、さやいんげんなどは収穫から数時間後には店にならべる。

価格にはくふうの余地が…

 その結果があのねだん。壮年のわたしはいいたい。わかい農家のとりぶんをふやして生業としてなりたつようにしてほしい。生産される方の人数はさきぼそりでわかものはとても貴重。あたまがさがる。これから農業で食べていこうとされる意欲的な方々が先々やっていけることをのぞんでいる。

そこでわたしはこんなことをしていた。ヒトよりはやくハシリの時期に出せるときはとくにみずからが相場の値をきめられる。その日の売れぐあい(販売所により生産者は情報が得られる)をみて販売所ごとにこまかくねだんを調節。

最初に値づけするわたしが安すぎると、あとから出す方々もひきづられて安くしてしまいがち。安売り競争はじぶんたちを苦しめるだけ。

あとから出す方々のため最初のわたしが肝心。つづけておなじやさいを出す生産者の方はわたしの棚のねだんをみて、出来ぐあいや品種などのちがいで値がおのずときまっていく。相場を高めに設定しおなじだけ売れれば生産者だけでなく運営主の店にもいい。鮮度がいいのである程度消費者にも得はつづく。

山海の産物

 さて、わたしがよく立ち寄る道の駅にはなしをもどそう。店は午前中にはこうした地元の生産者のやさいで各棚が山もり。生産者の方々はいずれも朝はやくおとずれてみずからのやさいにラベルづけし、あっといまに店頭の棚にならべる。テキパキとはやい。

ならべる場所ははやいもの順。わけへだてない。これはたいへん民主的。だすやさいをならべるついでに周囲のものもきれいにならべなおしていた。そのほうがあきらかに手にとっていただける。きれいにならんでいるほうがみばえよく、いま棚だししたばかりに見えやすい。

そして午後には近海でとれたさかながならぶ。バックヤードで朝はやくからさばかれてパック詰めされてずらりとならぶ。したがって午後にはさかなのほうがたくさんある。これとはべつにこおりのなかにごろんとならぶさかなたち。わたしはまるごと買い、じぶんで出刃包丁でさばいておろすほうだが、たのめばさばいてもらえる。

午前の開店時はやさい。午後にはさかな。ここにくるタイミング次第でそれぞれほぼ買いわけている。

ここで食料をそろえられる。消費者としてはほかに立ち寄らずここで買いものを完結させたい。さいわいにもここから周囲の店へはそこそこはなれている。それもやさいの価格の維持をあとおしする材料のひとつ。

地元の生産者はほかにも

 客として訪れはじめてここはやさいとさかなだけでないと気づいた。パンやスイーツなど周囲のしにせの店の商品がならんでいる。昨今の状況の影響だろうか。あらたななじみの店の商品を目にする。販売の方法をいろいろとためしているのかもしれない。

したがってまわり道や遠くまで買いにいかなくても、こうした手にはいりにくい店の商品を入手できる。なかなかべんり。ただし値段は店とかわりない。

おわりに

 幹線道路ぞいの道の駅。広大な駐車場がある。車をつかうヒトにとっては立ち寄りやすい。地産地消の観点からはこうした場所が要所にあるとつくるほうも買う側もたすかる。

くりかえしになるが、若い生産者をサポートしたい。売上をおとさない範囲で、野菜などの生鮮商品についてはまわりの一般店の相場にあわせた値段をつけてほしい。

せめて販売所に野菜を持ちこむ方々は、価格とは需要と供給でおのずと設定されるもの、かけはなれた安すぎる価格は両者にとって長い目で見ると得にはならないとみてほしい。わたしのみるかぎりここのしにせのお菓子やパンの値段は本来の店で買う値段とかわらない。それを参考にしてほしい。

生産者名のラベルの個人でだされていちばんのやさいの良品がもっとも安いことすらよくある。ほんとうに良心的。もちろん消費する立場ではいい商品をやすくで提供してもらえるのはうれしい。しかし今後のことも考えたい。生産者を経験した立場としてもなんどでも言いたい。


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