さまざまな土地にむかうと飲み水にちがいをかんじる
はじめに
国内を中心にいろいろな土地をおとずれた。足をつけていない県はかぞえるほどに。そのなかであきらかにちがいとしてかんじるのが水。べつにミネラルウォーターのボトルではなく水道水。口にふくむと「あっちがう。」とまっさきに気づく。
きょうはこんな話。
もとの家は
ひとつまえの住処はみずから建てた。そこは先祖が長年くらした土地。そこに舞いもどりその1画に建てた。ここは水が豊富。水道もあるがそれとはべつに山からの湧き水を各戸でひいている。蒸気機関車の水の供給駅だったほど。水道すらもとの水源はそうした水。つかう水に関しては困ることなくくらせた。
わき水の蛇口をながしっぱなしにしている下流の家があった。ひいた管が砂でつまるのをさけるため。それとてムダ使いではないし、だれもとがめない。庭の水まきや車を洗うのに遠慮なくつかえた。典型的な軟水。
すこしはなれると
研究パートの勤めさきはそこから20kmほどはなれた土地。水道は河川水を上流で浄化してつかう。職場で使用する事業用の水は地下水。この水は極端な硬水。わかして蒸発させるとしろいスケール(かん石)がたくさんのこる。飲用にできない。
実験装置の冷却水など使用目的は限定される。水を大量に必要とするには脱イオンの装置をくぐらせたり蒸留したりと手間がかかった。蒸留器のメンテナンスで定期的なかん石とりが欠かせない。
はなれた土地では
旅行や出張などで国内の見知らぬ街をおとずれる。宿に到着するとまずは水を口にふくむ。なかにはすんなりとのどごしよくのどをうるおすことも。反対にどことは言わないがとても飲みこめないときもある。海外の多くのようにそこをはなれるまでペットボトルの水を手放せない。
これだけ南北にひろがるとさまざまな水に出会える。水道の蛇口から出る水ですらこんなにちがうことにおどろく。もちろんその蛇口にいたるまでの設備のちがいも大きいだろう。もちろんおなじ温度でくらべないとほんとうはハンデになってしまう。
おいしい水のあるところ
たいていわき水を水源とする土地はわたしの口にあう。いま何か所かをおもいうかべるとその多くは火山の近くにひろがるすそ野など。都心でも場所によって水源がことなるらしい。たしかに思いあたる。
いつのまにかはじめて足を踏み入れると「まず水をふくんでみる」が恒例になった。なるべくおなじ条件でくらべたい。これはという水に出会えたらのどをくぐらせる。のどごしがいい水にであえるとそこはたいてい銘酒の産地。それであらためて納得することも。水について舌センサーがごくふつうの味覚をもち合わせている確認ができた。
おわりに
水を飲んで帰ってくるだけならばほぼお金はいらない。長年住み慣れた場所を基準にするのはどうかと思うが、それでも「おお。」と感心するほどおいしい水との出会いがそこそこの頻度であった。
わが家の水がおそらく標準的なレベルなのだろう。そしてあきらかにおいしいと感じられるところはその点で羨望のまと。それだけ長年にわたりいい水を守りだいじにしてきた実績のある街。いずれそこでくらしてもいいのではと独自の判断基準として、「水」を候補にあげることができそう。
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