庭のコンポスト容器でわが家の生ごみがたい肥と果物に変わる 25年間のおぼえ書き(その2)
はじめに
上のタイトル写真と下の写真はコンポストでできた堆肥で育てたビワの果実。
生ゴミがめぐりめぐっておいしい果物に。下記の「関連記事」に登場する果実はどれもそうだ。たとえば、これ。
生ゴミを家庭で堆肥に変えられるコンポスト。かんたんにいうと硬質プラスチックの筒。これを土に挿して生ゴミを放り込む。これだけ。
しばらく使いつづけわかってきたこと中心に、以前の「その1」の記事に引き続き、これにまつわるあれこれを記した。
化石燃料で「水分」を処理?
生ゴミをゴミステーションに持ち込んだあとのことを考える機会などそんなにないかもしれない。小学生は学校でゴミがどうなるか学ぶ。おとなも遠い昔の子ども時代にそれなりに学校で教わったはず・・・だが思い出せない。
果たしてごみ処理ってどうするのか。「燃やす?」とだれもがそう答えるだろうし、想像に難しくない。ほとんどの場合その予想は当たっている。
燃やすとなると燃料がいる。これには化石燃料(プラスチックごみが加わることも)が使われている。多くの方は紙が燃えるイメージだろうか。いやいや持ち込んだのはきのう食べた残り物と野菜くずのはず。紙はリサイクルしたのでは。
生ゴミはほとんどが食べ物。つまり野菜くずなど。水分が多い。いや、ほとんどが水分と言ってよい。かりに乾燥させず、水切りせずにステーションに持ち込んだとしよう。およそ8割が水分とすると・・・。
極端な言い方かもしれないが、「水を燃やしている」ようだ。イメージしにくいが、せっせと何億年何千万年の時間をかけてできた貴重なはずの化石燃料を、あっさり生ゴミの重量の大部分を占める水分を飛ばすために使っている。
重いゴミをよいしょとステーションまで運んでいるが、その大部分が水なのか。その「水」を集める作業を生業とされている方々が運び、燃やす担当の方々が燃やしつづけている。手間と労力を使って・・・。
もちろんごみ収集や焼却、焼却灰の処理などそれぞれの作業はたいせつだ。これらなくしては世の中は成立しない。
さて、話をもどそう。水はさまざまな物質の中でもあたたまりにくい物質だ。それをわざわざ燃料を使って処理している。水分の多い生ゴミを燃えやすいように、上述したが燃料としてプラスチックごみを使う場合もあると聞く。
これがまぎれもない事実。「ああ、もったいない。」この言葉は化石燃料に対してだけでなく生ゴミにも使いたい。なぜかって? それはつぎの章を。
さてコンポスト
では「もったいない」とまでわたしが言い放った生ゴミを家庭でどうするか。それはコンポスト。郊外で周囲に土の地面があり、迷惑のかからない場所ならば使える。
コンポストとはかんたんに言うと、硬質プラスチックの筒。50Lのバケツほどと言っていい。それを土に挿して使う。あとは水を切った生ゴミを放り込んでいくだけ。もちろんふたをする。
これだけ?
「そう、これだけ。」
生ゴミを燃やさないの?
「そう、燃やさない。」
じゃあ、燃料いらないわけ?
「そう、燃料はいらない。堆肥になるまで数か月かかるけど。」
それじゃあ、すぐいっぱいになるじゃない。
「いいえ、1か月もしないうちにかさが減る。」
ええ~。じゃあ、つぎつぎに水を切った生ゴミをいれていいの?
「そうだよ。何の心配もいらない。あっ、できれば2台あったほうがいいよ。」
なぜ?
「1台が6,7割に生ゴミで埋まってきたら、もう1台に移る。最初のは放って堆肥に成熟させるよ。」
ふ~ん。でも高いんでしょ。コンポスト。
「自治体によっては購入時に何割か補助が出るよ。ちなみにわたしの住む自治体は半額補助だった。」
コンポストのメリット・デメリット
焼却場で燃やす生ゴミをコンポストで家庭で処理できると何が違ってくるか考えてみた。生ゴミ自体は水分と大部分が植物起源で、もともと大気中の水と二酸化炭素由来。だからカーボンニュートラルとして考慮の対象外として。
メリット(あくまでも自分本位)
・ゴミステーションまで重い生ゴミを運ばないで済む。
・ゴミ総量を減らせれば、ゴミステーションから焼却場までの運搬にともなう車の燃料の節約へ。
・焼却場での化石燃料の節約。
・ある規模までの庭や鉢数ならば有機肥料を買わずに済ませられる。
デメリット
・補助があってもコンポスト購入時に費用が必要。
・コンポストはマンション・住宅密集地(臭い・虫)では不向き、コンクリート上では使えない。
・できた堆肥の用途→やむなくごみで出す場合も。
できた堆肥
できあがった堆肥。肥料あたりしにくい。