2021夢日記 中世的な男と図書館 ji-jyo 3月24日
僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは最後にご紹介しておきます。
昨日も3つくらい印象に残った夢を覚えている。
最初は楽器屋のピアノ売り場で女子アナの二人がロケをしていて、ピアノの弾き語りをしていたが、歌詞がやけに下品で卑猥な内容だった夢。
次はたくさんのiPhoneに向かって英語で天気を尋ねたら、何故か複数の言語で答えが返ってくる夢。
最後は中世的な男と出会い、どこか哲学的な話しを聞かせてもらう夢。
今日はこの最後の夢について書いていこう。
始まりは図書館にいるところからだった。
僕は、とあるコーナーの本棚を上から下まで吟味していた。
《相手の気持ちを感じ取る技術。》《いけない心理的操作マニュアル》
どうやら恋愛コーナーの本を片っ端からチェックしているようだ。
いくつか目ぼしい本を数冊抱えて、図書館の空いてる席を探していた。どうにも今日は、なかなかの混みようで、座って読めるスペースは先客のいる相席が一つしか見当たらなかった。
人見知りの僕は、落ち着いて一人で本を読みたかった。ましてや今から読もうとしているのは恋愛マニュアル的な、あまり他人に読んでるところを見られたくないとさえ思える類のものだし…
けど、まぁ仕方ないか。向かいになるであろう男は物静かな感じの雰囲気だし、とりあえず空いてるあの席で読むことにしよう。
僕は特に声を掛けることもなく、静かに数冊の本をテーブルに置き席に着いた。目の前にいる男が読んでいる本が目に入ると、どうやら洋書のような本でいかにも難しそうな本だと思った。
男…だよな? いや、女…。ではないか。なんとも物静かそうなその人物はとても中世的な人で、控えめに言っても美しいと言える風貌をしていた。
あ。いかん。いかん。僕はそんなことに気を取られている場合じゃなかった。これから恋愛本を読み漁り、抱えている心のモヤモヤを解消する為にここにいるんだ。
いくつか気になる本を持ってきたつもりだけど、どれを読んでも僕の気持ちをすっきりさせてくれる内容は見当たらない。僕はモヤモヤがより一層増してしまった。
どんな顏をしていたのか自分ではわからなかったが、突然目の前の男が小さく噴き出したので僕は驚いた。男は小声で、
『そんなに難しそうな顏をして、よっぽど恋愛に行き詰っているの?』
そんな風に聞かれ僕はきっと赤面必至であっただろう。
『いや、そのちょっと。』
『そちらはずいぶん難しそうな本を読んでらっしゃるのですね。何語で書かれている本なのですか?』
『うん。わからない。ただ表紙が気になったから見ていただけだよ。それよりちょっと外に出ようか。ちょうど少し人と話しがしたいなと感じていたところだったんだ。』
『は、はあ。』
僕はまだ読み始めて間もなかったし、満足いく答えにも出会えていなかったから少し気が引けたけど、あんまりNOとは言えないタイプと言うこともあり、仕方なくその提案を受け入れることにした。
図書館の外に出ると、僕らは木の下にある丸いベンチに腰を掛けて話し始めた。
『さて、君はどうしてそんなに難しそうな顔して悩んでいるの?』
『実は最近恋人ができたんです。僕はこれまであんまりお付き合いとかしてこなかったから、いろいろわかんないことが多くて。でも今一番困ってるのは、相手のことたぶん好きだとは思うのですが、どうやったらもっと好きになれるのか、好きになるためにはどんな努力をすればいいのか…。
あっ。何言ってるかよくわからないですよね。ごめんなさい。僕も自分の気持ちがこんがらがっていて、いまいち何について考えているのか、話してるのか。
その恋人とは相手から告白されてお付き合いが始まって…。僕を好きになってくれるなんて嬉しくて、だからお付き合いしようって…。』
その男は静かに、うまく説明できない僕の話しを黙って聞いてくれた。時折見つめてくるその瞳はとても澄んでいて、でもどこか儚げで、なんだか寂しさも感じてしまうような…そんな瞳をしていた。
『あの、変な意味じゃないんですけど。なんか、こう、とても美しい容姿でいらっしゃいますね。』
『あはは。そんなことはないよ。』
男はそう笑ったあと少しの間、空を見上げてからこう話した。
『人を愛するとか好きでいることって、努力することなのかな。僕はね、きっと違うと思う。それはきっと理性的に考えるよりもっと前から存在しているものだと思うよ。だからそんなに難しく考えなくていいんじゃないかな。きっと時間が教えてくれるよ。』
見た目も美しいが、話すこともまた美しいな。ちょっと哲学じみていて簡単には意味は理解できないし、見た目も中世的だけど、話す中身も抽象的とは。ある意味いろんな要素が人間離れしているような人だ。
そんな風に思ったところで今日は目が覚めた。
相変わらず不思議な夢だったな。
さて、明日も夢日記を書いていこう。
【2021 2月夢日記 ~ji-jyo~】
【2021 1月夢日記 ~ji-jyo~】