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わたしが書きました(太田宇律)

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太田宇律(おおた・いえのり) 2008年入社。横浜総局神奈川県警担当から社会部へ異動し、警視庁や皇室、刑事裁判などの取材を経験してきました。22年から「時事ドットコム取材班」。ネ…
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2022年12月の記事一覧

ゲームは悪者?医師になった「ガチプレーヤー」が出した答え【時事ドットコム取材班】(2022年08月20日08時30分)

 かつて1日の大半をゲームに費やし、全国1位プレーヤーになったこともある医師がいる。家庭医療の専門医で、eスポーツドクターとしても活動する阿部智史さん(35)だ。ゲームに没頭しすぎて大学受験に失敗し、高卒フリーターとしてファミレスや倉庫で働いていたころを「闇の時代」と振り返る。「ゲーマー医師」の人生には、どのような転機があったのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 出会いは幼稚園 東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)の総合内科で診療に携わ

「出産はぜいたく?」2人目の壁 ◆いよいよ踏み込まれた「第3のアクセル」【時事ドットコム取材班】(2022年08月01日08時00分)

  少子化に歯止めがかからない。赤ちゃんの出生数は6年連続で減少し、2021年は過去最少の約81万人にとどまった。過去40年以上、結婚した女性は平均2人前後の子を産んできたが、近年、既婚者の7割以上が2人目以降の出産に「壁」を感じているという。「産みたくても産めない」「子どもはぜいたく」。子育て世代の悲痛な声を裏付けるように、少子化を加速する「第3のアクセル」が踏み込まれたと指摘する専門家もいる。どうしたら、誰もが希望する人数の子どもを持ち、子育てを楽しめる社会になるのだろう

「コスパ最高」通販レビューの闇◆大人気イヤホン「色違い」に秘密【時事ドットコム取材班】(2022年06月19日08時00分)

 「この値段で買えるなら大満足」「コスパ最高」ー。通販サイトで1280円で販売されていたあるイヤホンのレビュー欄は、こんな言葉で埋まっていた。2カ月前に出品されたばかりなのに、1万1000人超が「星」を付けて評価しており、うち9割が最高の「星5つ」。だが、こうした人気ぶりが実は見せ掛けのものだという情報を得て、記者が実際に購入してみると、単なる「やらせ」にとどまらない巧妙なからくりが見えてきた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 「星4.8個」のイヤ

「生きていて」電話がつなぐ命◆寄り添う相談員、それぞれの理由【時事ドットコム取材班】(2022年06月12日09時30分)

 悩みを抱え、孤立している人たちの相談を匿名で受け付ける「いのちの電話」。生きる意欲を失いかけた人を瀬戸際でつなぎ留める大切な役割は、無報酬の市民ボランティアによって支えられている。「消えてしまいたい」「自分は独りぼっち」ー。24時間絶え間なくかかってくる電話に、相談員はどんな思いで耳を傾け続けているのだろうか。「東京いのちの電話」のボランティアセンターを訪ねた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 「よく乗り越えたね」 「うん、うん・・・それはやりき

「親子自転車」命守る方法は◆重量100キロ超、転倒が招く悲劇【時事ドットコム取材班】(2022年05月08日08時30分)

 2022年4月11日、親子3人乗りの自転車が大阪府東大阪市の国道で転倒し、3歳の男児がトラックにはねられて死亡する事故が起きた。一台の自転車で仲良く出掛ける親子の姿は朝の日常風景だが、その裏では痛ましい事故も繰り返されている。便利さの反面、大きなリスクもはらむ「親子自転車」。子どもたちの安全を守るために何ができるのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 転ぶだけで「命に関わる」 「ひとごとじゃない。できる対策はちゃんとしなければ」。東京都足立

「届くのは粗悪品」謎の通販サイト◆SNSで拡散、発送元を追跡取材【時事ドットコム取材班】(2022年05月02日10時00分)

 通販サイトがツイッターで宣伝していた商品を購入したら、粗悪品や偽物が届いたー。インターネット交流サイト(SNS)でこんな投稿が相次いでいる。商品は洋服や雑貨、電化製品などさまざまで、注文先のサイトも別々。ところが、これらのサイトには奇妙な類似点があることが取材で判明した。いったい何が起きているのか。実際に商品を購入し、発送元を追跡してみると…。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 暗転した「富士山の日」 「ツイッターを見て『富士山グラス』を買ったが、

プーチン大統領は法廷に立つのか◆どう裁く戦争犯罪、国際刑事法の今【時事ドットコム取材班】(2022年04月23日10時00分)

 ロシアによる侵攻が続くウクライナ。首都キーウ近郊で民間人とみられる遺体が多数見つかるなどし、ロシア軍による「ジェノサイド(集団殺害)だ」と追及する声が高まっている。こうした戦地での非人道的行為はどのようにして裁かれるのだろうか。そもそもプーチン大統領の刑事責任を問うことは可能なのか。戦争犯罪の研究者で、日本の大学で初めて国際刑事法のゼミを開設したフィリップ・オステン慶応大教授に詳しく解説してもらった。(時事ドットコム編集部 太田宇律) 【ニュースワード・国際刑事裁判所】 

「17歳も標的」君は見抜ける?狙われる新成人と夜回り先生が抱く懸念【時事ドットコム取材班】(2022年04月02日09時00分)

 民法の成人年齢が引き下げられ、親の同意なく契約や借金ができるようになった18、19歳。大人の一員として権利が広がる一方、悪徳商法のターゲットにされるリスクが懸念されている。若者の消費者トラブルの実態を探ってみると、一部の業者が成人直前の17歳も勧誘対象にし始めていることが分かってきた。被害の低年齢化を防ぐためにはどうしたらいいのか、「夜回り先生」水谷修さんと考えた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【特集】時事コム取材班 「月5500円」4カ月では? 成人年齢引き下

歯科医で「プチ整形」増殖のワケ◆あいまいな「合法」ロジック、トラブルも【時事ドットコム取材班】(2022年03月22日10時00分)

 「プチ整形」と呼ばれる美容医療を手掛ける歯科医院が増えている。注射で顔のしわを取ったり、脂肪を溶かしたり。中には糸を使ったフェースリフトを行うクリニックも存在するが、それって医師の仕事では? 口の中から飛び出した歯科医の守備範囲は、どこまで及ぶのか。法律の境目を探ると、歯科医の美容医療参入を可能にするロジックと、業界を取り巻く構造的な背景事情が浮かび上がってきた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【特集】時事コム取材班 歯科医で「糸リフト」 「ほうれい線・フェースラ

「ネタバレ投稿」どこから違法? 広告主に責任は グレーゾーンに迫る【時事ドットコム取材班】(2022年02月21日10時30分)

 作品の内容や結末を書き起こし、無断で公開して広告収益を荒稼ぎする「ネタバレサイト」の被害が後を絶たない。2022年2月には、漫画のせりふを丸写ししていたサイトが著作権法違反容疑で摘発されたが、せりふや結末に触れつつ感想をウェブ上に投稿するファンは少なくない。作品の内容を明かす行為はどこから「違法」になるのだろうか。サイトの収益化を許す広告主側に責任はないのか。問題のグレーゾーンに迫った。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【特集】時事コム 「感想」や「引用」免罪符に