生きてる実感を、取り戻す。
「自分には生活スキルがない」と思ったのは、20代中頃のことだった。
料理が嫌いで、洗濯も掃除も、いわゆる家事といわれるもの全般が苦手だった。毎日やるべきことをコツコツと…が苦痛。もし生まれるのが数十年早かったら「人間として(女として)失格」だと思われていたと考えると、現代に生きていて本当によかった。
きっと自分は生活よりも仕事を重視すべきなのだと割り切り、20代の終盤ではひたすら暮らしを効率化して、仕事に勤しんだ。ルンバに掃除を頼み、苦手な料理はあきらめてお惣菜に頼り、「