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スパイに関する映画 その2
○ スリルとサスペンスの天才ヒッチコックによるスパイ映画
・三十九夜 amazon プライムのみ。無実の罪で追われる男が「三十九段」の謎に接近する。
・知りすぎていた男 ドリス・デイ、ジェームズ・スチュアート。モロッコで息子が誘拐された医師。知り合った男は不審な言葉を残していた。それを頼りにロンドンへ向かう医師夫妻が体験したこととは? 「暗殺者の家」と同様のくだりがある。
・間諜最後の日 情報部員だったサマセット・モームの原作を映画化。著名の俳優であったジョン・ギールガットがブロディを演じている。英国軍将校だったブロディはアシェンデンと名乗り、スイスへ。そこでドイツのスパイを見つけるという任務につくが。
・北北西に進路を取れ ケーリー・グラントほか。巻き込まれ型の物語。広告会社のソーンヒルはスパイのキャプランという男と間違われたことから、壮大な逃走をせざるを得なくなった。彼はイブ・ケンドールという女性と知り合うが、彼女にも秘密があって……。
⭐️ バルカン超特急 同じ列車に乗っていたはずなのに、乗客の誰もがミスフロイのことを知らないという。アイリスとギルバートはフロイを探そうとするが。
・汚名 ケーリー・グラントとイングリッド・バーグマン主演。ナチの残党を追うFBIの男デブリンは、父親がスパイのせいで汚名を着せられた女性アリシアを使って、ブラジルのセバスチャンを調べようとする。スパイ物であり、女スパイと潜入工作と恋愛を混ぜた作品。
・逃走迷路 航空機工場爆破の濡れ衣を着せられた男の逃走と、思いもかけぬ出会い。最後の自由の女神の場面が怖い。
・暗殺者の家 ローレンス一家はスイスでルイという男と知り合うが、彼は不審な言葉を残した後で、殺されてしまう。それ以降、ローレンス一家は危険に巻き込まれるのだった。一部が「知りすぎていた男」と同じ。
・引き裂かれたカーテン ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース主演。冷戦期の東ドイツで、諜報活動をしようとする大学教授と、彼を疑う女性の葛藤。この作品では、「国家保安局」なる組織が出てきて悪役を務めている。また、西側諸国へ脱出する人々を支援する組織が活躍する。
・トパーズ 60年代のキューバ危機。ソ連のミサイルがキューバに持ち込まれた情報を皮切りに、フランスの情報部員、地下組織の女、それに、「トパーズ」が人々を惑わす。
・サボタージュ 爆弾でサボタージュを試みる男と警察の対立を描く。ロンドンで映画館を経営するヴァーロックは、実は爆弾魔だった。そこへ、果物屋の店員を装う若い刑事が近づいてきて、物語は佳境に進む。
○ 特殊作戦もの スパイは特殊部隊と相性があるので、そういうものを
⭐️ 鷲は舞い降りた シュタイナー役にマイケル・ケイン。スパイ役にドナルド・サザーランド。
シュタイナー率いるドイツ軍空挺部隊の面々は、変装して英国に降下、宿敵であるチャーチル英国首相の誘拐を試みるが。
⭐️ ナバロンの要塞 ナバロン島の巨大大砲を破壊するために400フィートの崖を登る男たち。
・ナバロンの嵐 「要塞」の続編。あるスパイを追うために、特殊部隊Force 10が出動する。前作のマロリーが、
「ジョーズ」のサメ捕り漁師を演じたロバート・ショーにチェンジ。爆弾の専門家ミラーも、「ジャッカルの日」でジャッカルを演じたエドワード・フォックスに。他に、ハリソン・フォード、カール・ウェザース(「ロッキー」シリーズのアポロ)。パルチザンの大男トラザックに、007シリーズで殺し屋ジョーズを演じたリチャード・キールなど。ナチスのシュローダー少佐にマイケル・バーン(「トータル・フィアーズ」で、ソ連の外交顧問グシュコフを演じ、印象的なセリフを残した)。
⭐️ 荒鷲の要塞 英米の合同チームが、監禁されている将軍を救出しようと、ナチスの荒鷲の要塞に挑むが、そこに不審な影が。リチャード・バートン、クリント・イーストウッド他。2時間半以上あるが、スリリングな展開が続く。
⭐️⭐️ シュリ 北朝鮮特殊部隊と韓国情報機関メンバーの死闘。私がチェ・ミンシクのファンになった作品。
・ゼロ・ダーク・サーティ ビンラディンを追い詰めるCIAと米軍特殊部隊の話を、女性のCIAメンバーの視点で描く。
・今そこにある危機 ハリソン・フォード主演のライアン物。南米の麻薬組織に挑む。
・シリアナ 中東の架空の国シリアナを舞台に、産油国、石油企業、イスラム過激派、CIA工作員などが入り乱れる群像劇。
アレクサンドル・デスプラのテーマ音楽が良い。ジョージ・クルーニー主演。
○ 軍事とスパイ
・レッド・オクトーバーを追え ソ連の最大かつ最新の核ミサイル潜水艦が、そのデビュー航海で大事件を引き起こす。小説は2分冊だが、そちらの方が興味深い。
・ファイアーフォックス クリント・イーストウッド主演。スーパー戦闘機ファイアーフォックスをソ連から奪う一大作戦。原作者クレイグ・トーマスの出世作
・オペレーション・ミンスミート 実話を映画化、英国情報機関の活躍
⭐️⭐️ イミテーション・ゲーム カンバーバッチ主演。これも実話。英国の暗号解読施設ブレッチリーパークと、数学者チューリングの活躍、それに悲劇。ナチスドイツ自慢のエニグマ暗号を解読しようとした、英国人の話。
⭐️ トータル・フィアーズ イスラエルが戦場で紛失した核兵器がテロリストの手に渡り、アメリカに持ち込まれてしまう。若きライアンに、ソ連人の政治顧問グシュコフが語る言葉「悲劇を避けるために、チャンネルを開けておく」が印象的。大国同士は表で敵対しても、情報機関などにより、裏ではコンタクトを取り続ける、そして政治的なトラブル=戦争などを避けるという意味。情報機関の仕事とはなにかと考えさせられる。特撮が良く、本当の戦闘を見ているよう。ロシア大統領役のシアラン・ハインズが怖い。モーガン・フリーマンなど。
・針の目 傑作小説の映画化、今日本では見られない。
○ その他
・アトミック・ブロンド MI6の女性エージェント物。
・アルゴ 79年のイラン・米大使館人質事件。その解決に向けて驚くべき作戦が実行された。
⭐️ 密偵 ソン・ガンホ主演。イ・ビョンホンほか。日本が朝鮮半島を統治していた時代。朝鮮人の日本警察官という立場の男が、独立団体と警察の間で苦悩する。残酷な場面あり。
・裏切りのサーカス 今日本では視聴不可能とのこと 原作はル・カレによるベストセラー
・エアフォースワン ハリソン・フォード主演 米大統領の専用機にスパイがいた! ラデク将軍役のy・プロポノフ(Uボート)、ゲイリー・オールドマンが印象的。
・スーパーマン3 電子の要塞 ハッカーが登場する
・ダビンチ・コード ある暗号を解く場面がある。私は解けた。
・ソルト CIAの女性部員ソルトに、ある出来事からとんでもない疑惑が。アンジェリーナ・ジョリー主演。他人へのなりすまし、潜入工作員がテーマにある。米国人が抱えるソ連への恐怖をスパイ映画にするとこういう感じになるのか。編集が良く、だらけた部分がない。
・テレフォン 冷戦期の米国で、ソ連の潜入工作員たちがある日突然、活動を始める……。なぜテレフォンなのかは、ここでは内緒。チャールズ・ブロンソン主演。
⭐️ブラック・クランズマン これはある組織への潜入という問題の、潜入捜査官(アンダーカバー・エージェント)作品なので、ここで紹介する。米の白人至上主義団体にして、差別的な言動で有名なKKK(クークラックスクラン)。ある新米刑事はKKKが差別する黒人だったが、彼らに電話をかけて信頼を得て潜入を試みる、というジョークのような実話。スパイク・リー監督。受賞、ノミネート多い。
⭐️影の軍隊 これはナチス時代のフランスのレジスタンス物だが、やっていることは情報機関の特殊工作と同じなので、ここで紹介する。ナチスの秘密警察ゲシュタポなどの厳しい捜索を受けるレジスタンスたち。彼らは自らの祖国のため、逮捕されても拷問されても、諦めずにその任務を遂行しようとする。一般人を装いながら、ナチスを破滅させようとするレジスタンスたちであったが、その代償も小さくはなかった。リノ・ヴェンチュラとシモーヌ・シニョレほかが、彼らの厳しい人生を演じている。画面が暗い色かブルーで構成されており、登場人物たちの心とその生き様を表しているかのようだ。潜水艦によるメンバーの回収や、空挺降下による潜入は実際に行われた。エンディングが衝撃的である。
つづく
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