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誰がなんと言おうと、今日も私はこの上なく最高に「カワイイ」のだ

「実は作ってます、すっぴんみたいなこの美肌」

こんな宣伝文句がついた化粧品を最近よく見かける気がする。「すっぴんこそが最高だ」と、私の耳には聞こえる。確かにすっぴんはお肌に優しい。しかも化粧する手間が省けるどころか、存在しない。そりゃ最高だ。しかし「すっぴんみたいな肌」を作るには勿論それなりの手間がかかっている。世の女性はなぜ「すっぴん美肌」を求められていて、その期待に応えようとしているのだろうか。

「すっぴんが可愛いのに」 = 化粧なんかしなくても可愛い子を求めている

そもそも「すっぴん」の語源は、「素顔」で「べっぴん」だ。化粧をしていなかったらただの「素顔」である。それなら私を含む世の中の多くの女性は化粧を落としても「すっぴん」ではない。「すっぴん」になれないから化粧して「べっぴん」に近づくために毎朝毎晩必死に頑張っているのだ。化粧をしているけど、ナチュラル、素顔に近い美しさ、可愛さを追求しているのだ。日本の女性がアイラインをあまり長く引かないのは、ナチュラルさに欠けるからではないかと勝手に思っている。アイラインが引いてあったらどんなに化粧に無知な人でも「この人化粧してるな」とわかるだろう。だから「そんなに化粧しなくても、すっぴんの方が可愛いのに」なんて、言う相手を間違えている。やかましいのだ。化粧しなくても可愛い人がこの世に溢れていたら、こんなにアイプチは売れないし、二重の美容整形を謳うクリニックは儲からない。

でも、私は毎日極度に白いファンデーションを塗り、度なしのピンクやグレー、グリーンのカラコンをわざわざつけ、長過ぎるアイラインを引き、強めにノーズシャドーとハイライトを入れて、真っ赤なティントに真っ赤なリップを重ねづけする。男ウケはもちろん悪い。「すっぴんの方が可愛いのに」と言われるのは日常茶飯事だ。でも私はこんな私が大好きだし、最高に可愛いと思う。整形して人生が幸せになれるなら、整形すればいい。化粧して幸せになれるなら、化粧すればいい。他人の「カワイイ」を私に押し付けるな。私は化粧をした後の私の顔に十分に満足しているし、私の価値観では最高にカワイイのだ。

もちろん世間の目や異性の目を気にした訳ではなく、自分の価値観でナチュラルメイクが好きでナチュラルメイクをしている人もいる。好きな人にモテるために好きな人の好みに合わせたメイクをしている人だっている。それぞれ勿論、最高にカワイイ。どんな化粧をしていても、自分が満足できた時点で、自分の目的に沿った化粧が出来た時点で、私たちは既に最強モードに入っているのだ。誰になんと言われようと自信を持って良い。「すっぴん」になんてなれなくても、私たちは化粧をすれば可愛くなれる。化粧を生み出した先人に心からの感謝をしよう。

だから今日も私は、いつも通りの強めメイクで鏡を見る。思うことはただひとつ。

「よし。今日も私は最高にカワイイぞ。」

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