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興味津々!『蜘蛛巣城・裏話 ①』

黒澤明著「黒澤明・自作を語る」
ほか
『蜘蛛巣城』に 俳優として出演していた
後の映画評論家・白井佳夫の「黒澤明 その人間」
そのほか、から抜粋いたしました。

          〇

🔵「黒澤明・自作を語る」より

本作『蜘蛛巣城』の7年前『羅生門』公開直後に
戦国時代のマクベスの構想していたが
当時、オーソン・ウェルズが
「マクベス」を映画化していた為、延期した。

ドラマをやるなら
せめていっぺんはシェイクスピアをと思った。
ああいうものをやってみなくては 勉強にならないと。

中でも「マクベス」は
いちばん戦国時代に 移しやすかった。
また、
「三船君がマクベスを演じたらどうだろう」
という気持ちも 確かにあった。

左から 黒澤監督 プロデューサーさん 志村喬 三船敏郎 山田五十鈴 千秋実


蜘蛛巣城の門の オープンセットは
富士山の二合目に建設された。

足場の悪い火山灰地での建設の為
進駐軍にも手伝ってもらい
ブルトーザーで火山灰を掘って 土台を建てた。

門のセットは巨大なもので 晴れた日には
麓の御殿場市の街から見えたという。

土屋嘉男や千秋実らは撮影中は毎日
富士山のロケ現場と 麓の旅館を
三船敏郎のジープに乗せて貰って往復した。

門の内側の城は
砧の東宝撮影所近くにあった農場に
オープンセットを組み
城内は撮影所内のスタジオで撮影したが

山田五十鈴の 浅茅の発狂の場面
あの鬼気迫るシーンだけは
日中を避けて 深夜に撮影を行った。

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