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ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃 鑑賞記録

Amazon Primeで初鑑賞。2001年12月公開作品。

アバンタイトルのテンポの良さはかなり好き。ゴジラ映画といえば序盤に間をたっぷり使って展開する(悪くいうとチンタラ進む)のが定番だったのに、当時のこれは相当衝撃的だったのではないか。

怪獣の造形も良い。放射火炎で戦闘機を撃墜する場面や政治家がポンコツな描写はシン・ゴジラに通ずるものがある。ラストでの「それ以上近寄るな!残留放射線の測定がまだ終わってない」というセリフなど硬派で魅力的な演出も多い。

https://godzilla.store/shop/e/e125/

●ドラマがすごかった(いろんな意味で):

しかしドラマ部分は本当にめちゃくちゃで呆れて笑いが止まらなかった。主人公(新山千春)のキャラが常軌を逸しすぎている。何もしなくても周囲がチヤホヤしてくれるスーパー美女なのに、豪胆で男勝りな性格でバリバリのキャリアウーマンで、しかし勤めているのは弱小ケーブルテレビ局の看板リポーター。外見では男性に媚を売るような仕事(本人がどう思っているかとは別に世間に女子アナがどのように消費されているかという意味ですよ念のため)に就いていながら、中身はオッサンというギャップを狙ったのかもしれないが、流石に無理があるやろ。笑

本当におかしくなってくるのはここからで、彼女は怪獣が激突する現場に無謀にもデジカメ一つ抱えて走って急行して、崩落する建物で頭から流血して病院に運ばれた当日夜に(相方が自動車のキーを貸してくれなかったので)街で買った自転車で箱根からゴジラを追いかけつつSONYのハンディカムとポータブルPCで生中継を続け(※これ2001年の映画やで報道関係者という設定じゃないと完全に無理な展開やな現代だったらスマホでYouTubeやニコ生中継できてしまう)そのまま横浜まで汗もほとんどかかずに走り切ってしまう24時間テレビもびっくりの怪物クラスの体力。護国聖獣よりお前が一番のモンスターやぞ。

極めつけは横浜には国の避難勧告を無視して侵入し、配備中の防衛軍に身柄を拘束されて、その車中で軍の無線連絡を遮って防衛軍中将のお父様(宇崎竜童)と無線で「なんで父さんなのよ」「他の誰かならいいのか」ってホームドラマみたいな会話になるシーンとか強引に感動テンプレぶち込んできた感じで大いに苦笑させてくれた。そこはなんとか耐えたが、その前の父親の「(娘を)逮捕しろ」というセリフには不覚にも声を出して笑ってしまった。なおこの感動の会話にて、彼女は父親の特攻を認めるのと引き換えに、父親から横浜市内での報道許可(独占)をゲットする。もう無茶苦茶すぎるで。笑

私は平成VSシリーズはほぼ全部、昭和シリーズは数本、ミレニアム以降は0本、シンゴジ・レジェゴジ・エメゴジ実写・怪獣惑星・SPはコンプリートという履修状況だが、ミレニアム以降のドラマパートって全部こういうノリなんだろうか?この主人公父娘は私が知る中ではトップクラスにヤバイ。ただし昭和シリーズのフランキー堺のようなヴァイブスは感じる。ガチの特撮オタクの方々がどう捉えているのかは気になるところだ。

そんな新山千春と宇崎竜童のドラマは、まあ「味である」として十分受け止められるのだけど、無駄な客演が入るたびに物語がストップするのはどうなんだろうと思ってしまった。この展開を無駄に止める演出、個人的には『大怪獣のあとしまつ』で何度も挟まれるナンセンスギャグと似ていると感じた。

『あとしまつ』は三木聡監督だと分かっていたので最初から覚悟していたが、本作では不意を突かれたのと、客演の数がかなり多かったので少しウンザリしてしまった。笠井アナは定番なのでまだ見れるとして、チューヤンとか前田姉妹とかマジでナンセンス(意味を持たない)だったでしょ。笑

そういえば佐野史郎のキャラクター(意味不明に長髪なカツラを着て、仕事中もスルメイカをしゃぶっている)は完全に三木聡作品の松尾スズキのポジションだよね?『あとしまつ』には不在だったけども、三木聡作品ではああいう奇人タイプの人が出てくるのがお馴染みなのよ。

という感じで、先の『大怪獣のあとしまつ』では比較的ガチな特撮オタクが「ドラマパートがくそだ」って激おこだったけど、こっちが許せるのになんであっちはダメだったんだ?と少し真剣に悩んでしまった。笑(うんこチンコおなら不倫キスに拒否反応が出たのか、もしくは韓国ディスや蓮舫いじりを繰り返されて気分が荒立っていたのかしら。それとも、金子監督は平成ガメラで特撮の発展に大貢献したから大目に見てもらえてるのかな)

●バラゴンが不憫だった(良い出来だったので余計に):

護国聖獣という本作でも最重要なポストでありながら映画タイトルでバッサリ無視されているバラゴンが不憫で仕方がない。劇中では強さに不釣り合いなくらい出演時間が長かったし、箱根のセットがかなり凝った造形だったし、アクションのバリエーションも多く、撮影も丁寧だった。つまり監督の趣味丸出し。笑

護国聖獣が当初案ではバラゴン・アンギラス・バランというのは知ってたけど、それ以前の企画の変遷も面白すぎる。そしてこれを読むと、なるほど劇中で主人公と父親の関係をやたら物語の中心に据えるのは、もともと構想していた物語からそのまま流用されたということなのね。一介の宇宙飛行士から政府を舞台にしたドラマにするために防衛軍中将に変更されたのでかなり無理がある脚本になった。

金子による最初の案では対戦相手はカマキラス[10] であったが、前作『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』との兼ね合いから実現には至らなかった[11]。続く案では、宇宙線を浴びた宇宙飛行士が怪獣化するというもので、怪獣化した父と娘の交流が主軸となっていたが、悲劇にしかなりえず正月映画にふさわしくないとの判断から、3大怪獣を登場させるものへ改められた[11]

護国聖獣はバラゴンとアンギラスバランだったが[11][12][13][2]、有名な怪獣を出すことによる集客効果を狙った営業上の理由で、最終的にバランがモスラに、アンギラスがキングギドラにそれぞれ変更となった[11][14][注釈 3]。かなり制作準備が進行した段階での変更だったため、ムックなどにおけるスタッフインタビューでは、「完成した作品に思い入れはあるが、当初の予定のままやりたかった」という発言が散見される[注釈 4]

https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴジラ・モスラ・キングギドラ_大怪獣総攻撃

いやあ、しかし金子監督、当初の予定のままやりたかったって、そういう未練を「散見される」ほど喋っちゃうのはダメだったんでは?笑(平成ガメラで特撮に大貢献したから大目に見てもらえてるのかな)

https://twitter.com/shounen_ric_xp/status/915035022859444224

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さて、今回この映画を観たきっかけは山崎貴監督の新作映画がゴジラなのかもしれないと話題になったからである。結果的には予想以上のトンデモ映画を観れて満足しているが、同時にあることを思いついたので、追加でもう一本記事を書きたい。それを次回のテーマとする。(投稿したらこちらにもリンクを貼る予定)

了。

2022.02.20 23:59 追記完了

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まいるず
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