【IMAX/ドルビーシネマ】アバター2はどちらで見るべきか(アップデート版)【ネタバレなし】
実際にIMAXとドルシネで観覧しての比較感想です。
以前にアバター1のリマスターを観覧して予想した時から、少し状況が変わったのでアップデートになります。新作の内容ネタバレはしません。
アバター2(ウェイ・オブ・ウォーター)をDolby CinemaとIMAX with Laserだったら、どちらが良いのか?
アバター1からの変更点は、①レーザーGTが4K上映を止めたこと、②IMAXの字幕が黄色から白色(ナヴィ語の部分のみ黄色のハイブリッド仕様)に変わったこと、③字幕担当者が変更されたこと、の3点です。
私のナンバーワンは【ドルビーシネマ吹替版】【IMAX字幕版】の同率優勝です。🎉🎉🎉👏👏👏
アバター1では吹替版の圧勝だったのですが、アバター2では字幕版の評価がアップしました。どうしても優劣をつける必要があるなら、トータルではわずかに字幕版が優位になります。
なぜなら私が言語オタクだからです。
もともと字幕版が好きな人にでも吹替版を勧めていたアバター1でしたが、アバター2では「吹替に苦手意識がありましたら、どうぞご自由に」というスタンスに変わりました。
逆に言うと、もともと吹替版に抵抗ない人には変わらず吹替版をお勧めします。没入感の高さでは吹替版に軍配が上がります。
アバターWOWはドルビーシネマ吹替3Dで「普段より少し前の席」を選ぶのが映像体験としては最強です。特にドルシネは意外とスクリーンが小さいので結構前に来ても大丈夫です。視野いっぱいに広げると没入感マシマシで楽しさも倍増。最悪、字幕が読みづらくても吹替版なら問題ありません。
繰り返しになりますが、非常に僅差でした。
▼本作での字幕版の強み:
今回のアバター2では字幕のクオリティが大幅アップしました。
さらに悩ましいことに、字幕版でしか味わえない要素も出てきました。
●字幕のクオリティUP
字幕担当者が戸田奈津子さんから林完治さんに交代しました。
これによりトンデモ字幕から解放されてストレスが無くなりました。
誤訳もほとんど無かったと思います。(劇中では簡単な英語しか話さないのであまり真剣には読みませんでしたが、気になる箇所がありませんでした)
ただしあくまで1作目と比べて、という話なので、情報量や正確度では吹替版の方が勝っていたことはお伝えしておきます。吹替ではちゃんと声優が話していたのに、字幕ではカットされていた部分はいくつかありました。複数人がほぼ同時に喋る瞬間とか、早口で捲し立てる場面とか、スピードや速いテンポの言葉のパス回しが起こる瞬間では、まだまだ吹替版が有利ですね。アクションシーンは字幕を読んでると見逃しそうな瞬間も多かったのでご注意ください。
●ゾーイ・サルダナの熱演
今回はネイティリが感情的になるシーンがすごく多くて、ゾーイ・サルダナがとても良い演技をしています。内容は書きませんが、マジで感情むき出しです。もう言葉にならない叫び声とか呻き声とかが多いのです。
これはねえ、モーションキャプチャしながら体を大きく動かしながら喜怒哀楽を表現してるゾーイ・サルダナと、一般的な録音スタジオで直立不動で声を吹き込んでる声優さんとでは、どうしても差が出てしまいますよ。何か言葉を話してるシーンなら、息遣いとか声質よりも言葉の意味が大事になってくるから、そこまで気にならないんですけどね。
更には、少ないですがネイティリが歌うシーンも出てきます。
吹替版では歌の部分だけゾーイ・サルダナの声になるのですが、そうなると「あ、別の人なんだ」とどうしても感じてしまいます。これは大きなハードルになりました。(アバター1では声優さんが歌も吹き替えていました)
●バイリンガルの問題
これは私が言語に強い興味を持っているゆえに感じる問題でしょう。
この映画、実は言語がすごく複雑なのです。
1作目と異なり舞台のほとんどがナヴィ族の村なので、実際はみんなナヴィ語を話しているのですが、それではアメリカ人が見た時に英語字幕だらけになってしまうので、最初から英語吹替になっています。
これは映画の最序盤で語られるので書いてしまいますが、主人公ジェイクがモノローグで「パンドラでナヴィとして暮らして15年。今じゃナヴィ語の方が母国語に聴こえる」と言った次の瞬間から、それまでナヴィ語で話していたキャラクター達の言葉がスーッと英語に変わります。(笑)
この言葉(ナヴィ語)がわかるヤツ(ジェイク)にはそう聴こえてるんだから、そういうふうに(英語で)やらせてもらうわ!…という開き直りは嫌いじゃありません。
例えるならば、日本語吹替版を見ている人達にとっては、インドで作られた映画を、まずアメリカで吹替上映して、それをさらにもう一度日本語で吹替したような映画になります。二重吹替状態です。
それだけなら良かったのですが、、、
この映画にはナヴィとは別に地球人も登場して、彼らは普通に英語を話します。これが状況を複雑にします。
地球人が話してるのは英語で、ナヴィが話してるのはナヴィ語なんだろうな…までは単純な話なのですが、地球人とナヴィ人が会話してる場面では「今どっちで喋っているんだ?」「キャメロンはオリジナル音声版ではどういうプレゼンテーションをしていたんだ?」という、映画の内容には関係ない部分で疑問が湧いてきます。
私は先に吹替版を見たのですが、そこらへんがどうしても気になって、すぐに字幕版でリピートすることになりました。(笑)
結果としては、吹替版で見た時と字幕版で見た時で、得られる情報に差分はありませんでした。つまり、心配無用でした。
ただ、字幕版では、ナヴィ語で話してる時に格好良いフォントの英語字幕が出てくるので、「ああ今ってナヴィ語を話してるんだ」という雰囲気はアップしていたと思います。地名表記のフォントも同じで、字幕版の方が格好良いです。(笑)
●新キャラの名前むずかしい問題
新キャラが多いです。
そして聞き慣れない名前が多いので、字幕版の方が少しラクです。
特にネテヤムが音声情報のみだとしんどいです。(笑)
ただ物語を楽しむ上ではそこまで大きな支障にはなりません。
一応、これから吹替版でご覧になる方のために文字起こししておきます。
長男:ネテヤム
長女:キリ
次男:ローク(字幕表記はロアク;事実上の主人公)
次女:トゥク
海の部族長:トノワリ
海の部族長の妻:ロナル(ケイト・ウィンスレット)
娘:ツイレヤ
▼映像のパワーでは吹替が優位:
ここまで字幕の良さを語ってきましたが、ほとんどは私が言語に敏感なので多かれ少なかれブーストが掛かっています。
ここまで読んでくれた方は違うかもしれませんが、ほとんどの人は気にしないレベルの話ばかりだったかもしれません。特にバイリンガル問題なんて、いくら私が熱弁しても「別にええやん」の一言で済まされることも大いにありそうに感じます。(笑)
また、過去に紹介した通り、映画の没入感は画面に文字が投影されない吹替版の方が圧倒的に優ることには変わりありません。
本note執筆段階では未観覧なので分かりませんが、ドルビーシネマで字幕版を観覧したら、白い文字の字幕が眩しすぎる現象が発生するかもしれません。なので…
字幕ならIMAX、吹替ならDolby Cinema
…が現時点で私が最強だと思っている興行形態です。
ただし両方を字幕で見たらしい有名アカウントは字幕でもドルビーシネマを強く推薦しているようですね。
もうIMAXが最強という時代は終わったのかもしれません。
まあ私は近所のMOVIXさいたまにDolbyCinemaが導入された瞬間からIMAXには見切りをつけていましたが。近所では唯一、gcss池袋のフルサイズIMAXだけは対応作品のみ価値が発揮されると思ってました。(笑)
ただし眩し過ぎないIMAX(with Laser)も結構好きですよ。3D上映じゃなければ十分に明るくて高画質ですし、スクリーンサイズが大きかったり、どの席でも見やすかったりするので、最近は自分の中でIMAXシアターの再評価が起きています。
字幕以外の映像仕様については、過去の記事で詳しく述べているのでご確認ください。(解像度、フレーム数、明るさ、スクリーンサイズ、音響、字幕、3Dメガネ、入場特典…それぞれ項目ごとに考察してます)
了。
▼PS(12月29日追記)
ドルシネでもIMAXでもないですが、個人的に一番楽しめたのは…
4DXSCREEN-2D字幕版です!
Twitterに書いた通りですが「体験」として一番楽しかったです。
HFR非対応なのでヌルヌル感はありません。早く動く物体がブレて見にくい瞬間もありますし、水の描写もそこまでリアルではありません。(普通の映像作品として見れば十分過ぎるくらいリアルですが、革新的と呼ぶほどではない)
そのぶん、動く座席・水しぶき・首の後ろから風・首の後ろから温風・足元バタバタ・背中だけマッサージチェア・周辺視野による没入観・物理スモーク・落雷演出ストロボライト、などで楽しませてくれました。
まさかの「隠された第三の選択肢」ですみません。(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひ「読んだよ」の一言がわりにでもスキを押していってくださると嬉しいです!