舞台「PSYCHO-PASS サイコパス VV」観たよ
5月6日の千穐楽が終わったので、5日のマチネで拝見した感想などを書いてみようかと思います。
テレビアニーションから始まった「PSYCHO-PASS」シリーズは、私が今も愛してやまない作品の一つです。
元々近未来やSFにときめきを覚える体質なので、ハマるのは必然だったと思います。二期についてはよく覚えてません、はい。
テレビから映画へと舞台を移し、今回は演劇という舞台に移りました。いよいよ生身の人間が、シビュラシステムの元で生きる人々を演じるわけです。
総監督が「踊る大捜査線」でお馴染みの本広克行監督ですから、三次元世界に至るのは当然の流れだったように思います。
結論からいうとこの舞台は間違いなく「PSYCHO-PASS」の新作であり、アニメ本編の世界線の元に起きた話です。脚本も第一期の深見真さんですから世界観を熟知しまくっております。
今まで存在は示されていたものの、あまり多くを語られなかった公安局刑事課三係。
単純にアニメではそこまで尺を取れないため書かなかったのだとは思いますが、何故彼らが描かれなかったかという視点から見ると実に興味深い内容です。演劇によってサイコパスにおける、公安局刑事課の存在が完成されたと言えるのではないでしょうか。
まあ、内容について一言で言うと「やっぱりおまえか」「だいたいあいつがわるい」。
テレビシリーズをご存知の方ならこれで察していただけるかと。
舞台演出の点からの感想ですが、テレビと舞台を両方知ってる本広克行さんの良さが生きたものだったと思います。
最近の舞台ではすっかり定着したプロジェクション・マッピング。そこに多視点のカメラを追加することによって画像的な表現を生み出しました。舞台装置自体はシンプルでも、これだけの臨場感を生み出すことが出来るのかと驚きです。
また、これも定番ですが観客席をも舞台装置とみなす演出も、リアル感を持たせることに貢献したと思います。この辺は客への信頼を前提に出来る事なので、一種の博打だったかもしれません。
気になるのは「PSYCHO-PASS」を知らずに観た方々の反応。結構容赦のない内容でしたし大丈夫だったのかな?
気に入っていただけたのなら、テレビシリーズ一期と劇場版も是非観ていただきたいです。
舞台違って強い女性陣が暴れてますから、お口に合うかどうか不安ですけど(笑)
細かいところになると、ドミネーターがちゃんと光って変形するのが本当に嬉しかった。指示音声もテレビシリーズと同じ日高のり子さん。
完璧です。
主演の鈴木拡樹さんを始め、メインキャストとアンサンブルのアクションシーンがきっちり噛み合っていて見ごたえ抜群。ドミネーターが使えない場所の肉弾戦も、アニメを踏襲していて良い感じです。
ここからは不満点。
会場物販のパンフレットが圧倒的に足りてません。会場前に早く来いと言う事なんでしょうけど、毎回品切れなのはどうにかならなかったかと。
次は舞台演劇ではお馴染みの、公演ごとのアドリブコーナー。面白いけどスベると危険な諸刃の剣ですね。塩梅が難しい。
あとは完全なストレートプレイなので、最近宝塚歌劇団のてんこ盛り舞台に慣れきっていた自分には、少々あっさり目に感じたくらいでしょうか。
2019年10月からはテレビシリーズの三作目が始まります。
二人の新人監視官の登場が発表されていますが、どんな話になるのか現時点ではまったく不明です。
一つだけ願う事が有るとすれば、「丁寧に作って欲しい」。それだけです。
いつか実写映画やテレビドラマの新たな「PSYCHO-PASS」も観てみたいですね!