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2024年、夏。

夏だ。陸上競技はシーズン真っ只中だ。
夜、ふと考える。

生きた心地がする瞬間は、今まで幾つあっただろうか。そしてこれから、幾つ掴み取れるだろうか。

競技者としてのこの1年間は、フリーターと同然だった。鈍色の感情だ。

数字が全て。結果が全て。当たり前な話だが、そこに苦しみ辞めていく人も沢山見た。
ただ、夢を追うより諦める方が難しいのだと、
その時知った。

「明日もし成功したら」

その言葉に縋り付く。


日々、目の前のやるべきことを一つずつ
重ねていく。

積み重ねた先に、何か見えるものがあると、
ミリ単位の希望に全てを捧ぐ。

「自分に足りないもの」は何なのか。
引き算をしては、足し算をする。

計算式は自分で作るしかないんだな。


ある時、その仕事との向き合い方について
「ハマった、その一瞬の気持ちよさが忘れられなくて、辞められない」と話を聞いた。

深いな。深いし分かる。
スポーツ関係なく、それは表に立つ人として共通の感覚なんだろうな。

身を粉にして全うするその姿に圧倒される。

幾つになっても、疾走していくその姿は
ドキュメンタリー映画を観ている感覚だった。

『生きる』ということが
こんなにも色褪せないとは。

そしてそれが、
趣味の“お笑い”から学べるとは。





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