カラーパープル【Jシネマレビュー#43🎬】
1900年代前半のアメリカで生きた黒人女性たちの苦労や求める自由が、ミュージカル調で描かれた作品🇺🇸
当時の人種、性差別や貧富の差などの社会を見ながらも、自由を得るための希望を抱かせるような作品に仕上がっていました🗽
↑あくまで個人の感想です
・内容 18
・演技演出 15
・視覚効果 10
・音楽 15
・エモーション 18
ミュージカル作品ということで、音楽もゴスペルやソウル、ジャズなどブラックミュージックの良さが出ていましたし、キャストも喜怒哀楽の感情表現がそれぞれ上手で惹かれました🎵
それ以上に、ミュージカルでありながらも、社会性やドラマをしっかりと入れ込んでいる構成が良く、展開にあわせて流れるように社会問題が表現されていました。
男尊女卑の社会にありながらも、自立していく女性たちの姿から生きる力をもらえます💃
そして、日本人にはあまり意識はないかもしれませんが、時には神に縋ることも大切だなと思いました。
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"社会問題を流れるような展開で"
⚠️ネタバレがあるのでご注意ください。
冒頭、黒人社会の、貧しくも明るさと信仰の強さでもって社会を生きていこうとする様子が描かれたかと思えば、ミスター(男)とセリー(女)の関係性から男尊女卑が写され、並行してミスターとハーポの親子関係の葛藤も描かれています。
また、セリーとは反対に自由奔放に生きるハーポの妻ソフィアから、同じ女性でも正反対に強く生きる環境が当時あったことも知れるとともに、そんなソフィアも白人の目に留まり、白人社会から差別的な苦しみを受けるという悲惨な姿を見せるなど、本当に1900年代初めのアメリカ社会を生きる厳しさが表されていました。
シュグとの出会いに安堵と愛が芽生えるセリーも、男尊女卑の厳しさを考えれば当然と言えるかもしれません。
経済的にも目まぐるしく変化していく社会をこのように眺めてみると、当時の混沌とした様子が非常に強く伝わってきました。
"自立して生きる力の強さ"
本作品を通して、苦しい環境におかれながらも、前を向いて強く生きていく女性たちの生きる力にパワーをもらった気がします💪
セリーはもちろん、ソフィアも持ち前の明るさがかき消されるほどの苦痛を投獄時は味わったでしょうし、シュグも多くは描かれていませんが、歌手として成功するためにさまざまな苦い経験や葛藤を持ったはずです。ネッティも、突如として断絶した姉妹関係に不安な日々を送っていたことでしょう。
だからこそ、彼女たちが歌い上げるメッセージの込められた歌には、ソウルがこもっていますし、自由を求めて生きるためのパワーをもらえます。
セリーがネッティと再会した最後のシーンはとても感動的なものでした。
長年の時を経た再会もそうですが、セリーの実の子供、そして孫にも会い、女性の存在によって家族が裁縫の糸を紡ぐように引き継がれていく素晴らしさが表現されていました🥹
マスターによって隠されていたネッティからの手紙。
「きみに読む物語」のノアからアリーに宛てた手紙を思い出しました📕
関係性は違えど、手紙の重要性を再確認しました。
マスターの意地悪さは凄まじかったですが、年老いて最後の最後にセリーの祝祭へネッティを招いたことがせめてもの償いとなったのでしょうか。
カラーパープルでは、天地創造物への崇拝と感謝も表現されていましたが、宗教は関係なしにして、純粋に神への生かされていることへの感謝の念は、もう少し日本人は強く持ってもいいのではないかなと思います🟣
そして、辛い思いをしている時に、もっと神の存在を頼りにしても良いのではないかなと思います。
少し気持ちが安らぐことがあるのではないでしょうか…?