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『リーン・スタートアップ』の考え方はしかし、実践するのが難しい

リーン・スタートアップ10周年

エリック・リースの"THE LEAN STARTUP"が出版されたのが2011年、日本に紹介されたのが2012年。今年が出版10周年だったんですね。

私が「リーン・スタートアップ」の考え方に出会ったのは2016年だったと思うのですが、結構衝撃的だったのを覚えています。(なにこれすげー!)という感じでした。

いまでは日本でも普及して、どちらかというと流行りが落ち着いて、実践を続ける人は続け、そうでない人は元通りになった、という感じなのでしょうか。

私がいる職場では、リーン・スタートアップの考え方への賛同とアレルギー反応とが渦巻き、統率が取れない中で失敗続き、という感じになっています(諦めていないから失敗ではないのです!?)。

失敗(少なくとも成功していない状態)が続くと、(リーン・スタートアップって使えない)(リーン・スタートアップって意味ない)といったモードが社内全体を覆います。賛同側からすればこれは結構キツい。「いままで通りしていても成功してこなかったじゃないですか!」なんて言葉は胸に押し込めて。

新しい手法を取り入れるために

新しいことを始めるのはどこでも大変ですよね。複数の要因が絡み合って、スピード感がなくなっていきます。

そういったものを打破するためになにが必要なのか。現時点で思うところを書いておこうと思います。ひとまず2点です。

強力なリーダーシップ

1つ目は強力なリーダーシップです。「今回のプロジェクトは○○の手法を使います」とチームメンバに明らかにして、プロジェクトの舵取りを行う必要があります。

(いやいやなにをそんなあたりまえのこと)と思われたかもしれないのですが、この「あたりまえのこと」でつまづいていることが実は、意外と多いのではないでしょうか。(あたりまえだから言わなくてもわかってるよね)(あたりまえだから大丈夫だよね)と確認なしに進めると最初は小さな違いでも、あとあと大きな差として顕在化してくるのです。

実際、マネージャーは「アジャイルで開発している」と言い、現場リーダーは「ウォーターフォールで開発している」と言っている現場に出くわしたこともあります。震えました。

メンバ全員参加の勉強会

2つ目はチームメンバ全員で取り組む勉強会です。「全員で」というところが大切です。マネージャーも一緒にです。

新しい手法を採用するにはその手法がどんなものかを知っておく必要があります。また、新しい手法でなくても、認識が少しずつ違う場合もあるため、すり合わせの時間を取る方がいいと思います。プロジェクトを成功に導く、というゴールは共通しているはずですので、手法で揉めることは避けたいです。同じ言葉を使っている場合は本当に注意が必要です。

この話をするとき、いつも私は、タイタニック号の逸話を思い出します。面舵と取舵の違いです。タイタニックはいずれにせよ氷山を避けることはできなかったかもしれませんが、われわれはこの教訓を活かすことができるのです。

事業開発を少しずつ進めながら同時に手法の学習を進め、理解を深めていく。リーン・スタートアップにはそうした側面もあるように思います。

構築-計測-学習のフィードバックループ


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