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心で相手の心を想う|メンタライジング

最近、「メンタライジング」という言葉を知りました。

先日も少し紹介した岡田尊司先生の「愛着障害の克服」という本にこのような事が書いてあった。

メンタライジング(メンタリゼーションともいう)とは、「心」というものを連想することで、相手の行動を理解する能力のことである。
愛着障害の克服
「愛着アプローチ」で、人は変われる より

相手の行動を外側だけでなく、相手の心の中からも連想し、理解するという能力です。

これを説明するのに、赤ん坊に対する母親の心の動きの例えがわかりやすいと思う。

生まれたばかりの赤ん坊は言葉を発する事ができないので、泣いて訴えることしかできないですよね。
この時、母親は赤ん坊の状態や泣き方を見ながら、お腹空いているのかな?オムツの交換かな?など、なぜ泣いているのかを「心」を使って考え理解しようとします。
これをメンタライジングと言います。

これは言葉を話せない赤ん坊にだけ使用する能力ではなく、
人が円滑な人間関係を育む事ができたり、社会的生活を営む上で、非常に重要な能力だとしています。

例えば、日常でこの様な事が起きた時にどうだろうか?

いつもはすぐにメールの返事をしてくれる人が、一向に返事をくれない。
そう言えば、最後に返事が来たとき、いつもより短く、そっけないものだった。
愛着障害の克服
「愛着アプローチ」で、人は変われる より引用

このような事があった場合に、どのような反応をするだろうか?

「一向に返事をくれない」という部分にだけ反応し、腹を立てて怒りのメールをする。

するとどうだろうか?
返事をくれるどころか、もう返事すら来ないかもしれない。
人間関係は更に悪化をしてしまうでしょう。

では、メンタライジングを使い、
「自分のメールが負担になってしまったのではないか?」と推測する事ができれば、「返事が返ってくるまで待とう」という考えになったり、相手を思いやる声かけができるかもしれない。

メンタライジングの能力がある人は、相手の心を推測して気持ちを察するだけでなく、自分自身の行動も振り返ることができると言います。

「そう言えば最近しつこくメールしちゃったな」とか
「あの言葉が負担に感じさせちゃったかな」とか

自分自身を振り返ることで、自分の行動を見直す事ができたりするのです。

この様な人はきっと良い人間関係を維持する事ができるのではないでしょうか。

さらに、本ではこのように述べていました。

振り返る力、メンタライジング力とは、今の自分の思いや欲求に飲み込まれず、相手の気持ちや自分のふるまいを客観的に見る力だといえる。
振り返りが可能なためには、感情の渦から、少し距離をとる能力が必要になる。
(それは内省する能力)
同時に、相手の気持ちを汲み取り、感じ取れることも必要である。
(それは共感する能力)
この両者の能力は背中合わせの能力と考えられている。
自分を振り返る力がある人は、相手の気持ちを察する能力も高い。そして物事を客観的に振り返ることができる。
愛着障害の克服
「愛着アプローチ」で、人は変われる より参考


という事が書かれていて、この相手の心を推測して想うことと同じくらい自分自身を振り返ることが大事だという事がわかりました。

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