建築防災コンサルタント よもやま話vol.3-避難安全検証法の最大メリットは排煙設備の適用除外-
下のグラフにもあるように、言うまでもなくここ数年の建設資材の物価高騰はかなり厳しいものがあります。建築主の方からは、ここ数年で1.3~1.5倍に上がっているという声もお聞きします。
そんな中、避難安全検証法採用の最大メリットは、建築基準法上の避難関係規定を適用除外することで建設コスト削減に寄与できることです。
私たちは年間約500件の案件を担当させていただいていますが、おおよそ9割がコスト削減のひとつ、「排煙設備の適用除外」を目的としたご依頼です。
ルートA(仕様設計)は500㎡以内ごとに高さ50cmの垂れ壁で防煙区画を形成して火災の煙・ガスを有効に蓄煙したうえで、その防煙区画に設けた排煙窓や機械排煙設備から有効に排煙する、という考え方です。
一方、ルートB(性能設計)では、床から1.8m以上の空間に蓄煙している間に、その空間から在館者が避難し終えるように適切に避難計画する、という考え方で、計算が成立すれば排煙設備をナシにして防煙区画は1,500㎡以内ごとに高さ30cmの垂れ壁でOKです。(告示式の前提として、1,500㎡以内ごとの垂れ壁区画は必要となります)
機械排煙設備や自然排煙窓はイニシャルコストもさることながら、劣化や老朽化あるいは地震による破損など適切に維持管理するためのランニングコストがかかります。テナントビルの天井裏の排煙ダクトの調査や改修など、なにか問題があっても現実的に工事できない、という事例もよくお聞きします。
検証法を採用すると、避難経路上の防火設備が増える、などコストアップ要因もありますが、排煙設備だけを見てもかなりコストダウンの効果が高いので、十分検討の価値はあると思います。
もう少し詳しい情報は、こちらをぜひご覧ください!
「株式会社 イズミコンサルティング - 避難安全検証法とは」
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