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「おどるヤマボウシ」 庭の木と小さな虫たちから生まれたファンタジー絵本 文学フリマ京都9出品作品
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文と絵 隅垣 健
(デザインエッグ社/izayoi books, 2021年)
※Kindle版もあります
わたしが初めて取り組んだ絵本作品です。
姉妹作の「オトシブミとゆりかごのうた」と合わせて一つの絵本にしていますが、今回はまず「おどるヤマボウシ」を紹介します。
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私の住む宇治の家には、小さな庭があります。
庭には、シンボルツリーのヤマボウシの木をはじめ、アジサイやラベンダー、ミニバラ、チェリーセージ、ブラックベリー、ネジバナなど様々な花が咲き乱れます。
緑が揺れる山林のすぐ近くなので、暖かい季節になるとたくさんの虫たちが、そんな花木をめざしてやってくるのです。
蝶々、テントウムシ、カミキリムシ、カナブン、ハムシ、ビロードツリアブ、ハナバチ、オトシブミ、ハエトリグモ、ショウリョウバッタ、そしてカマキリ……。
そんな虫たちと植物を描いた、ある夏の日のお話です。
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ヤマボウシは夏の初めになると、白い清楚な花を空に向けて咲かせます。
風が吹くと、花たちはいっせいに揺れます。
それは、まるで心を浮きだたせるダンスのようでもあります。
その花たちにアゲハ蝶がやってきてキスをすると、とても不思議なことが始まるのです。
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巻末には、「おまけ」としてヤマボウシの豆知識と、ヤマボウシの実のおいしい味わい方も紹介していますよ。
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