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十六夜の短歌【月齢12.8】

【月齢12.8】
旧暦:8月14日
月出:17:39
月没:03:24



休めども待宵まつよいの月に誘われて
君を探せりあてはなくとも



忍ぶれど夢にいでしか君の影
待宵の月我もあいたし



暗闇の心に射し入る月映えの
あなたへの道迷わず進む




季語|待宵(まつよい)、待宵の月、小望月(こもちづき)、十四夜月(じゅうしやづき)、月映え

「待宵の月」とは、
十五夜(仲秋の名月)を明日に控えた旧暦八月十四日の月のことです。
満月(望月)に少し満たないため、「小望月」とも呼ばれます。

「待宵」にはもともと二つの意味があります。
一つは上記の夜を待つこと。
昔の人は十五夜を楽しみに待ち焦がれていたようです。
もう一つの意が「来るはずの人を待つ宵」のことです。
何とも趣のある言葉ですね。

余談ですが、時折『宵待草』の影響で、「待宵」と「宵待」が混同してしまうことがあるのは、きっと私だけでなないはず。

大正浪漫の画家で詩人の竹久夢二が音感の響きのよさから、本来の「マツヨイグサ(待宵草)」を詩の中で「宵待草」と呼び、この詩がのちに唄となり、広まったことから、すっかり「宵待草」という呼び名のほうが定着してしまいました。
もともと「宵待ち」の辞書的な意味は、「宵を待つこと」だけでしたが、
この詩(唄)のせいか、もう一つの「来るはずの人を待つ宵」の意味にも使われるようになったそうです。


「月映え」
とは、
月の光に照らされて、いっそう美しく映えて見えることです。



江戸川や月待宵の芒船すすきぶね

「文政版句集」小林一茶

待宵をつひに雨来し梢かな

「我は我」大谷句仏

待宵のふけゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥はものかは

新古今和歌集




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