読書メモ/NLP関連書籍
先日、NLPプラクティショナーコースを修了しました。NLPとは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称で、「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる心理学の一分野です。政界、ビジネス、スポーツの世界では、有名なコンサルタントやコーチ、ビジネスパーソンなど、さまざまな分野の方々がNLPを学んでいます。
NLPを学ぶ過程で、関連書籍もいくつか読みました。本記事では、NLPそのものを解説するのではなく、NLPを学ぶ中で出会った書籍の読書メモをまとめています。今後、何度か読み返すことがありそうなので、そのたびに内容を更新するかもしれません。
NLPに興味がある方や、コーチングに関心を持っている方、または書籍そのものに興味がある方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
コーチング1on1で成果を最大化する心理学NLP
著:ティム・ハルボム、ニック・レフォース、クリス・ハルボム
監修:居山真希子
翻訳:横山真由美
NLPはコーチングに限らず、幅広い応用範囲を持つ心理学ですが、本書はコーチングを切り口としてNLPの考え方や、NLPプラクティショナーコースで実践したワークが網羅的に説明されている、非常にわかりやすい書籍です。
タイトルに『コーチング』や『1on1』とあるのは、昨今のビジネスパーソンに訴求するための工夫だと思います。
本書は、コーチとクライアントの関係性を前提に記載されているため、NLPをコーチングに活用したい方にとっては、まず教科書として活用しやすい一冊だと感じました。
著者のティム・ハルボム氏、ニック・レフォース氏、クリス・ハルボム氏は、世界的に有名なNLPトレーナーであり、ロバート・ディルツ氏らとともにNLPの第二世代と呼ばれ、体系的にNLPを発展させてきた人物たちです。
人を覚醒に導く史上最強の心理アプローチ『NLPコーチング』
著:ロバート・ディルツ
監修:足達大和
翻訳:横山真由美
NLPの世界的権威であるロバート・ディルツ氏が書いたコーチングの書籍です。NLPを学んだ方が復習のための教科書として、長く活用されることが多い一冊です。(逆に言えば、専門用語が多く使われているため、前提となる知識がないと理解が難しいかもしれません。)
タイトルにある『コーチング』は広義の意味で使われており、本書では以下のようにサポートレベルごとに分けて、順を追って説明されています。
第1章 ケアテイキングとガイディング
第2章 コーチング
第3章 ティーチング
第4章 メンタリング
第5章 スポンサーシップ
第6章 アウェイクニング
NLPでは、『ニューロ・ロジカル・レベル』という、人の意識や変容を段階的に捉えるモデルが使われています。本書のサポートレベルは、このニューロ・ロジカル・レベルに対応しています。
コーチングのレベルは、状況や相手との関係性によって変わります。現在自分がどの関係性にあるかを理解したうえで、NLPの知識やワークを活用し、ラポール(信頼関係)を築くことが重要です。
冒頭にも書いたように、この書籍は教科書として何度も読み返し、活用していきたい一冊です。
「影響言語」で人を動かす
著:シェリー・ローズ・シャーベイ
訳:本山 晶子
この本は、LABプロファイルを学んだ後に読みました。
自分が自然に使っている言葉が、状況によって偏っており、同じような感覚を持つ人にしか伝わっていないことを改めて実感しました。
特に印象に残ったのは、「相手のバスストップまで自分が迎えに行く」という考え方です。自分のコミュニケーションパターンで伝えるのではなく、相手のパターンを理解し、それに合わせて伝えることが重要だという学びです。LABプロファイルは、その具体的な知識と技術を提供してくれました。
仕事で誰かに依頼するときや、異なる立場の人との会話、有志活動の告知や広告など、さっそく実践しています。
ただし、相手とのラポールが築けていないと対話自体が成立しませんし、一朝一夕で効果が現れるわけでもありません。だからこそ、継続的に学び、使い続けていきたいと思っています。
〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る
著:エイミー・カディ
訳:石垣 賀子
この書籍は、TEDで話題となったハーバード・ビジネス・スクールの心理学者エイミー・カディ氏が、ストレスフルな状況下でも自信を高めるための姿勢、いわゆる〈パワーポーズ〉の極意を伝授するものです。
NLPを学んだ際に、「フィジオロジーが状態(ステート)に影響を与える」という考え方に触れました。NLPでは、自分の「自己認識」から始まり、内部表象や状態を変え、それによって行動を変えていくアプローチを取ります。一方、本書では、フィジオロジーから状態、さらには行動を変えていく〈パワーポーズ〉やヨガのアプローチが紹介されています。
もともと運動やヨガ、瞑想を行うことで、メンタル面でも調子が良くなると感じていたため、今後はより意識して実践していこうと考えています。フィジオロジーからのアプローチが重要であるため、頭で考えるだけでなく、体を動かし、姿勢を良くし、自分がなりたい姿勢を取ることを心がけようと思いました。
本題とは少し外れますが、普段VRでミーティングや遊びをしている私にとって、バーチャル空間でもパワーポーズの効果があるという点が印象的でした。
アルケミスト 夢を旅した少年
著:パウロ・コエーリョ
訳:山川紘矢、山川亜希子
「NLPのすべてがこの本に書かれている」
世界的ベストセラー小説です。羊飼いの少年サンチャゴが宝物を探すために旅をする物語で、旅の過程で学び、成長していく姿が描かれています。
古典的な名著や哲学に残る言葉には、シンプルで普遍的なメッセージが込められています。本書に限らず、ベストセラーには共通点があり、それらをNLPの視点で解釈することで、より深い理解が得られるように感じました。
自分とまわりを変える魔法のNLP実践トレーニング
著:椎名 規夫
NLPプラクティショナーコースを受講する前に、Kindle Unlimitedで読みました。無料で気軽に読める1冊で、NLPを知らない人でも理解できるように、NLPについて網羅的に説明された入門書です。
ラポール、ペーシング、ニューロ・ロジカル・レベル、リフレーミング、ヒーローズ・ジャーニーなど、NLPの知識や専門用語を事前に学ぶことができました。
物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術
著:けんすう(古川健介)
こちらはNLPとは関係なく、「よくnoteやX(旧Twitter)で見かけるけんすうさんの書籍だから読んでみよう」と手に取りました。『物語思考』は以下のように紹介されています。
「なりたいキャラクター像を設定して、そのキャラクターを動かす」という考え方は、NLPのニューロ・ロジカル・レベルにおける『自己認識』を変えることと同じです。
なりたいキャラクターを『モデリング』するワークや、『自己認識』レベルから順に知覚位置を変えるワークは、NLPプラクティショナーコースでまさに体験したものでした。
この書籍には各章にまとめやワークが紹介されており、NLPのワークを簡単に試せるようになっています。普段は書籍に紹介されているワークを実践しないことも多いですが、すでに試したことのあるワークもあったため、より納得して読むことができました。
まとめ
以上、まとまりがないかもしれませんが、NLP関連書籍の読書メモでした。今回のメモを書くにあたり、改めて書籍を読み直してみましたが、忘れていることも多く、日常的に意識して実践しないと、なかなか身につかないことを再認識しました。