【小説】ピエロなシエロのおかしなおはなし Part.32(完)
〜甘い後日談〜
寂れた道を散歩しているのは、トレードマークの大きなまん丸の帽子を被った魔女でした。
そよ風に揺れる木々から漏れ出る木漏れ日に、まん丸のメガネをキラキラと輝かせています。
鼻歌を歌い上機嫌に歩いているその魔女はどこを目指しているのでしょうか。
時折通り過ぎる人々は皆、なんだか頬を緩め幸せそうな顔をしています。
錆びついた門が傾く家の角を曲がり、緩やかな坂道を登っていくと、そこには小さな公園がありました。
「シニー、後ろ!見てみろよ!」
右肩に乗せ