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Photo by
konohanoko
空っぽの毎日をせめて写真に残した
20代の頃、フィルムカメラを持ち歩いて機会があれば写真を撮っていました。
まだ自分の生きづらさがどこから来るのか知る術もなく、普通の人がやっているようにできない自分を責め、普通の人が普通にできるのをとても羨ましく思っていました。
普通の人のように頑張れない。時間を守れない。仕事が続かない。
ないないづくしのダメ人間です。
毎日が空虚でした。
10~20代の二度と戻らない大切な時間を無為に過ごしているという自覚がありました。
すでに10代の初めから毎日へとへとに疲れていて、毎日四六時中眠くて仕方ありませんでした。
20代になっても疲れやすさと眠さは改善せず、ほどんどの時間を家で泥のように眠っていましたから、写真を撮る機会といってもたまに友人や交際相手と会うことができた時くらいです。
そんな時間は私にとってとても貴重で、写真に残さなければ消えてなくなってしまいそうに、儚く感じられました。
消えてしまったら、始めから何もなかったかのようで怖かったのです。
今日会えた友人や交際相手と、明日も会えるとは限りません。
明日会えなければ、翌週にでも会えばいいというような意味ではなく、今日この人と会えるのが人生で最後、という緊張感がありました。
必死でした。
生きた、存在した証を残すために写真を撮っていました。
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