68 VoCモニタリングの好例 Vol.1
Insight Tech アイタスクラウド営業担当です。
個人的に面白い記事を発見しました。
リテールテックが創出する「偶然の出会い」--トライアル長沼店を取材 - 11/13
ZDNet Japan 大場みのり (編集部) 2021-05-21 07:00
私の地元九州を中心に店舗展開しているスーパー「トライアル」ですが、
店舗にセルフレジ機能搭載の買い物カートや、センシングカメラ等を積極的に導入しているそうです。
中でもTRIAL長沼店は、関東地方の店舗でIoT機器が最も多く導入されている店舗で、様々なPOCにも多く活用されているようです。
(source:https://it.impress.co.jp/articles/-/19348)
買い物カートにはタブレット画面のようなものもついており、手に取った商品の類似品でより安価な商品や、他の客がよく合わせ買いしている商品、クーポン対象商品など様々なレコメンドを行うそう。しかし中には中止したレコメンド機能もあるようで
例えば以前、精肉部門などにビーコンを設置して同カートを持った来店客が近づくと、鶏肉を使ったレシピやそれに合うアルコール飲料をカートの画面上でレコメンドしていた。だが効果を検証したところ、買い物体験の向上にはあまり寄与していないと分かり、現在は行っていない。
とのこと。いろいろと試行錯誤を重ねながらの取組みのようですね。
お客様は買い物中何を考えながら商品を見ているのか、どんな仕組みがあれば便利なのか。 とても難しいお題です。
担当者のコメントからもそれが伺えますが、VoCを細かくチェックしながら改善を続け、サービスを形にしていかれているモデルのような例かと思います。
われわれが良かれと思って始めたことでも、お客さまは求めていないことがあり、そうしたギャップを埋めることに試行錯誤しています。
今の時代、効率だけを求めたらEC(電子商取引)で済みます。実店舗が追求すべきなのは、楽しさやわくわく感。お客さまが店を訪れて、商品を吟味しながら店内を回る時の楽しさを最大化していきたいです。
VoCはスポットでなく中長期でモニタリングすることで正しい状況把握ができ、適切な打ち手立案に繋がると個人的にも思っているので、このお取組みは応援したいですね。
顧客の声(VoC)を聞きましょう・活かしましょうとは言うものの、
多くの場合一過性の取組みになってしまいがちで、上手くいっている企業は少ないかと思います。
分析ツールがどれほど良かろうと、当事者がコミットしていないと成るものも成りません。どれだけ根気強く向き合えるか、継続できるか次第ですね。