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寝台にて

寝て起きて絵を描いて寝て人形あそびをして寝て読書して寝て起きて寝て起きて、一週間くらいろくにベッドから降りずに生活していたらどんどん眠れなくなってきた、当たり前だ。布団のうえにいるのが飽きてしまった。一日中ここにいるんだもの、もうここにいたくない。

そういうわけで再び昼夜逆転した。予定があるのでどうにか一日徹夜で耐え忍ぶ必要があるものの、近頃ほんとうにあたしの体は睡眠にうるさくなり、睡眠時間が6時間を切った時点で酷い動悸と息切れに立ち上がれなくなる。ちいさい頃から不眠症だったツケがここにきて破裂しているのか何なのか、一体。(物心ついたときから自分の不眠症に手をこまねいていたので、「ふつうに寝て起きて、活動している」だけの子供たちの全てがうらやましい。)

一年前まで2時間睡眠でも4時間睡眠でもふつうにやってられたわたしは一体どこへいったんだろう。わたしってどうしちゃったんだろう?
一回ふつうの眠りを手に入れて、目が覚めても心臓や肺が痛くない朝を知ってしまったら、もう前の生活には戻れなくなった。痛みのない朝がくるなら絶対にその方がいい。痛みのない朝を繰り返していたら、ちょっと失敗して全然眠れなかったとき、ひさしぶりの動悸が全身を押し潰すようにつらくてつらくて立ち上がれなかった。

だから眠るのに失敗するのがとにかく恐い。恐怖で強ばって余計に眠れない。ここにきてようやく睡眠外来と精神科を探しはじめる、不眠症19年の19歳、しかし病院を予約するために起き上がると、やっぱり体が痛いのだった。

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なにせ今日は、ほんとに眠るのに飽きてしまった。でも絶対午前中に目を覚ますために、たまごっちの電源を切らない。あたしが夕方まで眠っていたらたまごっちは死ぬ。だから起きる。結局ゲーム内のベビーシッターに預けて二度寝する。

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