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AIで作った水彩画を和紙にプリントすると本格的なアートになる
こんにちは、NFTフォトグラファーのいすむです。
今回の記事はAIアートでもNFTでもなく「和紙」のお話です。
これまで自分で撮った写真を和紙にプリントしてプレゼントしたり展示したりしていましたが、最近のマイブームであるAIアートも印刷したところ出来栄えも良くまわりからの評判も良いので細かいところを書き残しておきたいと思います。
AIアートの記事ついて未読の方はこちらから読んでいただけると幸いです。
阿波和紙との出会い
初めて和紙の写真プリントに出会ったのはたしか2018年で、写真家の長瀬正太さんのワークショップでその存在を知りました。長瀬さんはマクロでボケの強い写真を和紙に印刷していたのですが、それはもう柔らかくて優しさがある作品で「これすげー!」と感動していました。
家に帰ってすぐに調べるとインクジェット専用の和紙があることを発見。それが「アワガミファクトリー」さんが手掛ける伝統的な和紙を進化させたものだったのです。
徳島県で作られる阿波和紙は、なんと1300年の歴史を持つ伝統産業の一つでした。江戸時代に藍染を中心に全国に広がり、明治から大正期に盛り上がりを見せるものの第二次世界大戦後は衰退。唯一、阿波和紙を作り続けていた1戸だけが残り今のアワガミファクトリーになっていく、という流れだそうです。
面白いのは、伝統的な技術を現代のライフスタイルに適用していることで、藍染のパネルや壁紙、そしてインクジェット用の和紙など形を変えて生き残っていることです。
アワガミファクトリー主催の展示や写真展などで飾られる阿波和紙の作品を実際に見てきましたが、どれも美しくて温かみのある風合いは虜になること間違いなしです。
↓こういうおしゃれなパネルも和紙です
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和紙プリントに挑戦
そんなこんなで魅了されたぼくは、とにかく話を聞きたいとアワガミファクトリーさんの東京企画室へ足を運びました。
どんな和紙の種類があるのか?
ぼくの写真にはどれがマッチするか?
綺麗に印刷できるプリンターはどれなのか?
などなど丁寧に話を聞いてくださりさらにファンになっていきました。
決意してからは早くて、早速プロ仕様のプリンターを購入!
ちなみにこんなやつです(製造中止のせいか当時より値上がりしてる…)
次に用意したのはもちろん和紙なのですが、種類が多いのなんの。
まずはどんな用紙が自分の作品に合うか分からなかったので、全種類入っているサンプル用紙を買ったり試し刷りしたりしました。
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普通の印刷用紙と違って「和紙」ですから、当然値も張るわけで…。それでも好きなものが作れる喜びと楽しさには敵わないのでどんどん買いました笑
和紙の種類というのは紙の原料のことで楮とか竹が使われていて、繊維の粗さとか質感が全然違うので作品のテーマ・世界観に合ったものを選ぶ必要があります。
結果的に繊維が少し荒くて和紙っぽさを強調した「楮」がお気に入りになりました。一方の竹だと繊維があっさりしているので和紙感が少なく選択肢から外しました。
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こうして出来上がったのが上の写真のような和紙プリントたち。写真NFTを購入してくれた方にプレゼントしたりリアルなイベントで渡したり満足のいく作品に仕上がりました。
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ぼくの好きな和紙は楮の他にもあります。上の画像にある「白峰 手漉きはがき」というものですが、フチが直線ではなくランダムなちぎれ具合でいかにも和紙!という見た目ですよね。
手漉き和紙職人が、一枚一枚『溜め漉き』の技法で作ったインクジェット印刷用はがきです。プリンターで印刷できるぎりぎりの厚みと、四方に『耳』を持たせることによって普通の印画紙とは違った趣が表現できます。
と公式サイトの通りで一枚一枚の手作り感がハンパじゃないです。もはや紙自体が伝統的な作品なのです。ただ、分厚いので印刷しようとするとよく失敗します(値段が高いので泣ける)。でも印刷に成功すると仕上がりが良すぎるので喜びも大きいです。
AIアートにも転用できた和紙プリント
さて、写真を撮るために試行錯誤してきた和紙プリントですが、ぼくのクリエイティブも進んだことで相乗効果が生まれています!
というのも、6月にNFTとして出品する水彩画のAIアートをひたすら作っているのですが和紙との相性が抜群にいいのです。下の画像を見てもらえれば分かる通り、本格的なアートの仲間入りを果たしていますよね!
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前提として綺麗に印刷できるプリンターは必須ですが、温かみのある風合いを表現できる和紙は水彩画にぴったり。カラフルな花や水彩のグラデーションの色が和紙にしっかり乗って、ふんわりな世界観も表現できています。
実際にこの和紙プリントを手に取ってもらいたいのですが、手触り感もとても良くて和紙の繊維が肌で感じられるのもよきです。
先日、NFTがらみで仲良くさせてもらっている由美さんに作品をお渡しして喜んでいただきました(画像を見ると和紙の質感がとても分かる!)
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自分がこれまで表現したいなと思っていたアートの点と点が結ばれて新しい作品が誕生したなあと感動している今日この頃。行動し続けると思わぬところまで来れるものですね。
画像のようなAIアートの和紙プリントは販売を予定しているのでお楽しみに。(AIアートのNFTを購入の方は割引対象とさせていただきます!)
6月24日に出す水彩AIアートの詳細はこちらの記事で紹介しているので、まだの方はぜひ読んでくださいませ。お気に入りの作品が見つかれば幸いです。